相続税・贈与税ガイド

相続税を計算してみよう

被相続人(70歳・令和5年6月1日相続開始)
相続人は、配偶者、子A、B、Cの4人

各相続人が取得した相続財産の価額

配偶者(58歳) 1億2,500万円
子A(30歳) 2,000万円
子B(25歳) 2,000万円
子C(16歳) 2,000万円
合計 1億8,500万円

まず相続財産と相続人を確認

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生命保険金、債務・葬式費用、贈与財産

生命保険金(保険料は、被相続人が負担) 4,000万円(配偶者が全部を取得)
債務・葬式費用 500万円(配偶者の取得分から負担)
被相続人から子Aへの贈与財産
(贈与日:令和3年7月1日)
400万円(贈与時に納付した贈与税額33.5万円)

ステップ1課税価格の計算

配偶者の課税価格

相続財産 生命保険金 非課税とされる
生命保険金
債務・
葬式費用
(1億2,500万円 4,000万円) 2,000万円 500万円 1億4,000万円
1億4,000万円
※非課税とされる生命保険金
(500万円×4人) × 4,000万円 2,000万円
4,000万円

生命保険金は〔500万円×法定相続人数〕まで非課税

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子Aの課税価格

相続財産 3年以内の贈与財産
2,000万円 400万円 2,400万円

子B・Cの課税価格はいずれも 2,000万円

ステップ2-1課税価格の合計額の計算

配偶者 子A 子B 子C
1億4,000万円 2,400万円 2,000万円 2,000万円 2億400万円
2億400万円

ステップ2-2課税遺産総額の計算

課税価格の合計額 遺産にかかる基礎控除額
2億400万円 3,000万円 600万円 × 4人 1億5,000万円
1億5,000万円

ここでゼロかマイナスになったら相続税はかからない

ステップ2-3相続税の総額の計算

配偶者
課税遺産総額 法定相続分 税率 控除額 法定相続分による税額
(1億5,000万円 × 1/2) × 30% 700万円 1,550万円
=法定相続分による税額 1,550万円

子A・B・C
(1億5,000万円 × 1/2 × 1/3) × 15% 50万円 325万円
325万円
325万円 × 3人 975万円

相続税の総額
配偶者 子A・B・C
1,550万円 975万円 2,525万円

実際に分割した場合に関係なく、一旦、法定相続分で総額を計算

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ステップ3各相続人の相続税額の計算

配偶者
相続税の総額
2,525万円
×
各相続人の課税価格
1億4,000万円
2億400万円
課税価格の合計額
(0.68) 1,717万円
1,717万円

子A
2,525万円 × 2,400万円 (0.12) 303万円
2億400万円

子B・C
各人
2,525万円 × 2,000万円 (0.10) 252.5万円
2億400万円
(注) 上記の算式の
各相続人の課税価格
課税価格の合計額
の値は、各相続人について求めた値の合計が1になるように、小数点以下第2位にとどめて計算してもよいことになっています。

法定相続分で計算した総額を実際に分割した割合でそれぞれが負担

ステップ4各相続人の納付税額の計算

配偶者
算出税額 配偶者の税額軽減
1,717万円 1,717万円 0万円
※配偶者の税額軽減額の計算
相続税の総額
2,525万円
×
①配偶者の課税価格
1億4,000万円
のいずれか少ない金額
1億4,000万円
②分母の金額×1/2
(最低1億6,000万円)
2億400万円
課税価格の合計額
=1,732万円
≧1,717万円
=1,732万円
≧1,717万円

子A
算出税額 贈与税額控除
303万円 33.5万円 269.5万円

子B
252.5万円(控除又は加算なし)

子C
算出税額 未成年者控除
252.5万円 10万円 × (18歳 16歳) 232.5万円
=232.5万円

最後は相続人ごとに控除や加算をして、実際に納める税額が決まる

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納付すべき相続税の総額

配偶者 子A 子B 子C
0円 269.5万円 252.5万円 232.5万円 754.5万円
754.5万円

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このガイドについて

このガイドは、株式会社 清文社の「2023年版 土地建物の税金ガイド」を元に作成しており、内容は2023年(令和5年)4月1日現在の法令等にもとづいております。年度途中に新税制が成立したり、税制等が変更になったり、通達により詳細が決まったりするケースがありますのでご了承ください。
税金は複雑な問題もありますので、ケースによっては、税理士など専門家にご相談ください。
(注)本サイトの計算例は、原則、例示取引にかかる税額を便宜的に計算しており、必ずしも最終的な納付税額ではないことから端数処理を考慮していない場合があります。
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監修:新谷達也、塚本和美 企画・制作:清文社

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