- 被相続人の自宅の敷地を一定の親族が相続した場合に、相続税の評価額を20%に引き下げる特例
被相続人の自宅の敷地などで、次の要件を満たす小規模宅地(特定居住用宅地等)を被相続人の親族が相続した場合は、対象面積330m²までの部分について、その宅地の評価額が20%に引き下げられます。
- (注1)宅地を相続した人について、2においては、相続税の申告期限まで引き続きその宅地を所有し、同居していた家屋に居住していること、3においては、相続税の申告期限まで引き続きその宅地を所有していることが適用要件とされています。
- (注2)3は、被相続人の配偶者又は居住用家屋(独立部分)で被相続人と共に起居していた法定相続人がいない場合に適用されます。また、持ち家のない別居親族とは、相続開始前3年以内にその人、その人の配偶者、その人の3親等内の親族又はその人と特別の関係がある法人の所有する家屋に居住したことがない者をいいます。なお、相続開始時に居住していた家屋を過去に所有したことがある人には、適用されません。
- (注3)これらの他に被相続人の生計一親族の居住用宅地についても、配偶者又は生計一親族が宅地を相続した場合は適用が受けられます。
相続税の税額は?
令和5年6月に父が亡くなり、父の自宅とその敷地及び現預金5,000万円を、父と同居していた子がすべて相続しました。母は先立っており、相続人は子1人です。相続税の申告時点で、子は父の自宅に引き続き住んでおり、土地建物を所有しています。なお、自宅とその敷地の相続税評価額は、自宅建物が500万円、その敷地(400m²・1m²当たり10万円)が4,000万円です。
1m²当たりの評価額 | 対象面積 | 課税割合 | 1m²当たりの評価額 | 対象外面積 | 土地の課税価格 | |||||
(10万円 | × | 330m² | × | 20%) | + | (10万円 | × | 70m²) | = | 1,360万円 |
1m²当たりの評価額 | 対象面積 | 課税割合 | |||
(10万円 | × | 330m² | × | 20%) | + |
1m²当たりの評価額 | 対象外面積 | 土地の課税価格 | ||
(10万円 | × | 70m²) | = | 1,360万円 |
=1,360万円
土地 | 自宅建物 | 現預金 | ┌ | 基礎控除額 | ┐ | 課税遺産総額 | ||||||||
(1,360万円 | + | 500万円 | + | 5,000万円) | - | ( | 3,000万円 | + | 600万円 | × | 1人 | ) | = | 3,260万円 |
土地 | 自宅建物 | 現預金 | |||
(1,360万円 | + | 500万円 | + | 5,000万円) | - |
┌ | 基礎控除額 | ┐ | 課税遺産総額 | |||
(3,000万円 | + | 600万円 | × | 1人) | = | 3,260万円 |
=3,260万円
税率 | 速算表の控除額 | |||||
3,260万円 | × | 20% | - | 200万円 | = | 税額452万円 |
税額452万円
(特例の措置を受けなかった場合の税額は、1,070万円になります)
関連ページ
- 特定事業用宅地等、貸付事業用宅地等については小規模宅地の特例〔事業用宅地等〕参照
このガイドについて
このガイドは、株式会社 清文社の「2023年版 土地建物の税金ガイド」を元に作成しており、内容は2023年(令和5年)4月1日現在の法令等にもとづいております。年度途中に新税制が成立したり、税制等が変更になったり、通達により詳細が決まったりするケースがありますのでご了承ください。
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監修:新谷達也、塚本和美 企画・制作:清文社 |
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