相続税・贈与税ガイド

相続税のしくみと計算

  • 土地や建物を相続したときには、相続税がかかる場合がある
  • 相続人は、亡くなった人(被相続人)の配偶者及び一定の親族
  • 相続人ごとの法定相続分を用いて、相続税は4つのステップで計算

相続とは、亡くなった人(被相続人)の財産に関する一切の権利義務を相続人等が受け継ぐことをいい、この相続によって取得した財産にかかるのが相続税(注1)です。
相続人とは、被相続人の配偶者及び一定の血族関係にある人をいい、配偶者以外の人が相続人となるかどうかは、次のように一定の順序が定められています。この相続順位に応じた法定相続人ごとに、相続により取得する財産の割合の目安として法定相続分(注2)が定められています。

  1. (注1)相続税は、遺言による贈与(遺贈)によって財産を取得した場合や、贈与者の死亡によって効力を生ずる贈与(死因贈与)によって財産を取得した場合にも課税されます。
  2. (注2)被相続人は、遺言によって法定相続分と異なる相続分を定め、また、相続人以外の第三者に遺産を分与することもできますが、この場合でも、兄弟姉妹以外の相続人には、法定相続分の2分の1(相続人が直系尊属のみの場合は3分の1)の財産(遺留分)を残しておく必要があります。

法定相続人と法定相続分

法定相続人と法定相続分
法定相続人と法定相続分

相続税がかかる財産とは?

相続税がかかる財産とは、相続等により取得した「金銭で評価の可能な財産」とされ、土地建物や現金、預貯金、有価証券などはもちろんですが、死亡保険金(注1)や死亡退職金なども、「みなし相続財産」として課税の対象となります。
ただし、非課税財産として、死亡保険金及び死亡退職金については、それぞれ「500万円×法定相続人の数」による金額まで非課税となる規定があります。また、墓所、霊廟、仏壇、仏像などの財産(注2)や認定NPO法人に寄附をした財産なども相続税が非課税とされています(土地建物の評価方法は土地建物の評価額土地建物の財産評価参照)。

  1. (注1)被相続人の死亡を保険事故として取得したもので、被相続人が保険料を支払っていたものに限ります。
  2. (注2)商品、骨とう品、投資対象であるものは除きます。

相続税の計算方法は?

ステップ1課税価格の計算

相続税の計算のステップ1は、相続人等の各人別の課税価格の計算です。課税価格とは相続税を計算する基になる金額で、次のように計算します。

各相続人等が取得した相続財産の価額 みなし相続財産の価額 非課税財産の価額
その人が負担した葬式費用・債務の額 被相続人から3年以内に贈与された財産の価額 各相続人等の課税価格
  1. (注)相続時精算課税の適用を受けた場合は、その対象となった贈与財産の価額を相続税の課税価格に加算します(相続時精算課税参照)

ステップ2では、相続税の総額を計算します。これは、実際に相続財産がどのように分配されるかとは関係なく、各相続人等の課税価格を合計した「課税価格の合計額」を基にして、次の1から3の手順で計算します。

1 課税価格の合計額 遺産にかかる基礎控除額
3,000万円+(600万円×法定相続人の数)
課税遺産総額
2 課税遺産総額 × 各相続人の
法定相続分
× 税率 速算表の控除額 各相続人等の
法定相続分による
相続税額

相続税の速算表

課税遺産総額に各相続人の法定相続分を乗じた額 税率 控除額
1,000万円以下 10% -
1,000万円超 3,000万円以下 15% 50万円
3,000万円超 5,000万円以下 20% 200万円
5,000万円超 1億円以下 30% 700万円
1億円超 2億円以下 40% 1,700万円
2億円超 3億円以下 45% 2,700万円
3億円超 6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

遺産にかかる基礎控除額(上記1)、相続税の総額(下記3)及び死亡保険金・死亡退職金の非課税限度額(相続税がかかる財産とは?参照)を計算する場合における法定相続人の数に加算できる養子の数は、被相続人の実子の有無に応じて、次のように制限されています。

実子がいる場合養子は1人まで加算
実子がいない場合養子は2人まで加算
3 各相続人等の法定相続分による相続税額の合計額 相続税の総額

ステップ3各相続人等の相続税額の計算

ステップ2で計算した「相続税の総額」を、実際に財産を取得した各相続人等の課税価格に応じて次の算式によりあん分し、各相続人等の相続税額を計算します。

相続税の総額 ×
各相続人等の課税価格
課税価格の合計額
各相続人等の相続税額

ステップ4各相続人等の納付税額の計算

ステップ3で計算した「各相続人等の相続税額」に対して、次の順序で各相続人に応じた加算又は控除を行い、その後の金額が、実際に各相続人が納付すべき相続税額となります。

①相続税額の2割加算 その人が被相続人の子、父母、配偶者以外(孫など)であるときは、相続税額にその20%相当額を加算します。
  1. (注)養子となっている孫は、代襲相続人である場合を除き、2割加算の対象になります。
②贈与税額の控除
(暦年課税の場合)
相続等により財産を取得した人が相続開始前3年以内に被相続人から贈与を受けていた場合は、その贈与財産に課せられた贈与税相当額を控除します。
③配偶者の税額軽減 その人が被相続人の配偶者であるときは、課税価格のうち、法定相続分(注)と1億6,000万円のいずれか多い金額までの部分にかかる相続税額を控除します。
配偶者の法定相続分 相続税額を控除
(相続税がかからない)
1億6,000万円
  1. (注)相続の放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合における法定相続分をいいます。
④未成年者控除 その人が被相続人の法定相続人で未成年者であるときは、相続税額から20歳(注)に達するまでの各1年(端数切上げ)につき、10万円を控除します。
10万円×(20歳-相続開始時の年齢)=控除額
  1. (注)令和4年4月1日以後の相続からは、18歳となります。
⑤障害者控除 その人が被相続人の法定相続人で障害者であるときは、相続税額から85歳に達するまでの各1年(端数切上げ)につき、10万円(特別障害者であるときは20万円)を控除します。
10万円(又は20万円)×(85歳-相続開始時の年齢)=控除額
⑥相次相続控除 相続人が相続等により財産を取得した場合に、その相続(第2次相続)の被相続人が死亡前10年以内に開始した相続(第1次相続)によって財産を取得したことがあるときは、第2次相続の相続人の納付すべき相続税から、次の算式で計算した金額を控除します。
C
(B-A)
×
D
C
×
(10-E)
10
=各人の相次相続控除額

A=第2次相続の被相続人が第1次相続で課せられた相続税額

B=第2次相続の被相続人が第1次相続で取得した財産の価額(債務控除後。以下C、Dにおいて同じ)

C=第2次相続で相続人等全員が取得した財産の価額

D=第2次相続でその相続人が取得した財産の価額

E=第1次相続開始時から第2次相続開始時までの満年数

※C ÷ ( B − A )の割合が1を超える場合は1とします。

⑦外国税額控除 その人が外国にある財産を相続等で取得し、その財産の所在地の法令により相続税に相当する税が課せられたときは、相続税額からその課せられた税額に相当する金額を控除します。
  1. (注)相続時精算課税の適用により加算された贈与財産に課せられた贈与税相当額は、各相続人の控除後の税額から控除します(相続時精算課税参照)。

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このガイドについて

このガイドは、株式会社 清文社の「令和2年版 土地建物の税金ガイド」を元に作成しており、内容は令和2年4月1日現在の法令等にもとづいております。年度途中に新税制が成立したり、税制等が変更になったり、通達により詳細が決まったりするケースがありますのでご了承ください。
税金は複雑な問題もありますので、ケースによっては、税理士など専門家にご相談ください。
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