実物不動産とJ-REIT(Jリート:不動産投資信託)の比較(1)

不動産投資というと、マンションの一室や一棟物件を購入して管理するという実物不動産のことを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、現在は様々な選択肢があります。
特に最近は、対象物件を複数人で共有する形式や証券化したものなど、小口化された商品も増えてきており、その代表にJ-REITが挙げられます。J-REITは誕生して17年になる金融商品ですので、ご存じの方も少なくないでしょう。

実物不動産とJ-REIT(Jリート:不動産投資信託)の比較(1)

今回・次回に渡り、そのJ-REITと実物不動産について、特徴やメリット・デメリットの比較をしてみます。どちらもメリット・デメリットが異なる部分がありますので、双方を運用対象とすることで、不動産投資の中でリスクを分散することもできそうです。

J-REIT(Jリート)とは?

J-REIT(Jリート)とは、簡単に言えば「多数の投資家から集めた資金で、オフィスビル、住宅、商業施設、物流等の複数の不動産を購入・運用し、そこから得られる賃料収入や売却益を投資家に分配する金融商品」のことで、不動産投資信託とも言われます。そのため、不動産と金融商品両方の特徴を持ちます。
また証券取引所に上場しており、株式と同様にリアルタイムで売買ができることを考えると、流動性や透明性が比較的高いと言えます。
2001年に誕生したJ-REITは金融危機等の紆余曲折を経て、2018年8月末現在60銘柄が上場しています。

実物不動産とJ-REITの比較

では、実物不動産とJ-REITの比較を見て行きましょう。

実物不動産とJ-REIT

【種類】

実物不動産の投資を検討するにあたり個人の場合、多くの方はその対象がアパートやマンション等の住居になると思われます。複数の物件をお持ちの場合には、店舗やオフィスも分散のひとつとして保有する方もいるかもしれませんが、金額が大きくなることもあり、全体から見ると多くはないと感じます。
住居の中では、区分所有、一棟物件、一戸建て、シェアハウス、賃貸併用住宅等の種類があり、各々の目的や嗜好、資金状況により選択します。
その他、駐車場やコンランドリー、トランクルームというような土地活用も、大きなくくりでは実物不動産投資と言えます。

一方J-REITの主な投資先は、オフィスビル、住居、商業施設、物流施設、ホテル、ヘルスケア施設などで、運用不動産の選び方は各REITによって異なります。
大きくは単一用途特化型、複数用途型の2つに分けることができます。前者は、1つの用途(種類)に特化した不動産で運用するタイプで、他の用途は組み込みません。後者はオフィスビルと住居、オフィスビルと商業施設などというように、異なる用途の不動産2種類以上を組み合わせて運用することで分散投資を行います。

個人が行う不動産投資の中で分散を考えた場合、実物不動産投資は住居を対象にしつつ、個人では保有するのが難しい大型のオフィスや商業施設、物流施設等をJ-REITで保有するという方法も考えられるでしょう。

【必要投資資金】

実物不動産の場合、立地や築年等にもよりますが、安いものでも数百万円はすることがほとんどで、アパートやマンションを一棟買うとなると通常、数千万円はします。
これらの物件を、自己資金と金融機関からの融資を組み合わせて購入するケースが多く、基本的には物件価格の1~2割程度(金融機関により異なります)と諸経費分を自身で用意することになります。しかしながら、融資を活用することで、少ない自己資金で大きな資産を築くレバレッジ効果を得られる可能性もあります。

一方J-REITは、多数の投資家が証券化された不動産を保有する金融商品で、株式と似ています。各銘柄の価格は、「投資口価格」という言葉で表され、購入するにはその分の資金が必要です。2018年8月現在、1口当たり2万円弱~70万円程度となっています。この資金はご自身が融資を受けるわけではないので、レバレッジ効果を得るのは難しいと言えます。(「信用取引」はありますが、価格急落時に追加で資金が必要になるなどのリスクがあります。)

【売買の流動性】

実物不動産は金額が大きいこともあり、パソコンやスマートフォンのボタン一つ、電話一本で即売却(購入)できることはまれです。契約・資金調達等の手続きもあるため、決済までは一般に、1~3カ月はかかることがほとんどです。逆に、流動性が高いわけではないため価格推移がなだらかで、短期で価格の急上昇・急落が起きにくいと言えます。
また相対取り引きであるため、基本的には市場に則っているとはいえ、売買価格や諸条件等は個別要素で決まることも珍しくありません。

一方、J-REITは取引所に上場していますので、実物不動産に比べると売買しやすいことが挙げられます。売買価格がリアルタイムで具体的に分かるので、良くも悪くも、現状の利益や損失が常に目に見えると言えます。
ただし、この流動性が高いが故のリスクもあります。リアルタイムで売買ができるため、市場で影響力のある機関投資家等の多様な事情や動向により、J-REIT自体に悪材料がなくとも一時的に大きく売られてしまうこともあります。価格急落により、一時的な含み損が具体的な数字として目に見えてしまうことをデメリットに感じる方もいます。

今回取り上げました、種類、必要投資資金、売買の流動性の3点だけでも、同じ不動産とはいえ、実物不動産とJ-REITにはその特徴に違いが見られます。
どちらもメリット・デメリットがありますので、最終的にはご自身の目的や好み、リスク許容度等によりご判断下さい。
次回は更に、実際の収益や管理、相続税の観点から、両者の比較をしていきます。

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