住宅ローンが残っていても住まいを売却できる?~担保割れでも買い替えローンを組める可能性がある~

手狭になってきたので、住まいを買い替えたいけれど、まだ住宅ローンが残っているし、買い替えは難しいのではないか・・・そう思っている人が多いのではないでしょうか。しかし、ローンが残っていても、売却は可能ですし、万一売却代金でローン残高を一括返済できない場合でも、買い替え専用ローンを使えば、買い替えは可能です。まずは、信頼のおける不動産会社で相談してみましょう。

ローン相談する夫婦

買い替えでプラスの売却差額が出る人が増えている

このところ、首都圏の中古マンション価格は年々上昇、10年で4割ほど高くなっています。それを知って査定してもらったところ、意外に高く売れることが分かって、買い替えを決断したという人は少なくありません。
実際、不動産流通経営協会の調査では、図表1にあるように、2019年度に買い替えを行った人のうち37.8%の人が「プラスの売却差額発生」しています。つまり、買い替えした人のうち4割近くは、買ったときの価格より高く売れているわけです。

買い替えによる売却差額の発生状況

資料:不動産流通経営協会『不動産流通業に関する消費者動向調査』

売却差損が発生しても買い替えが可能に

とはいえ、2019年度段階でもまだ半数強の人たちは、売却差損が発生しているのも事実です。しかし、そんな人でも買い替えは可能なのです。
売却損が出そうな場合、どうしても気になるのが、住宅ローンの残高です。取得価格より売却価格が安くなっていて売却差損が発生したとしても、売却価格がローン残高を上回っていれば問題はありません。売却代金でローン残高を一括返済した上で、残った代金を買い替えの自己資金に充てることができます。
しかし、ローンを組んでからの期間が短いと、ローン残高はあまり減っていないので、売却代金よりローン残高のほうが多くなるケースもあるでしょう。また、一定の年数が経過していて、維持管理状態がよくない物件だと、売却価格が大きく下落し、やはりローン残高が残ってしまうことがあります。

手元資金や親の援助などでローン残高を一括返済

マンションイメージ

売却してもローン残高が残ってしまうときには、手元資金などでローン残高を一括返済するのが現実的です。抵当権が付いていても、売却代金と手元資金などで一括返済できることが明らかであれば、金融機関も売却に理解を示してくれるはずです。
手元資金だけでは難しい場合には、ご両親などから援助を仰いではどうでしょうか。
これらの方法なら、無事に売却をおこない、新たな住宅の取得に動き出すことができます。ただ、実際には手持ち資金に余裕がないし、親の援助も期待できないといった人もいるでしょう。
そこで、知っておきたいのが、「買い替え専用ローン」です。売却物件のローン残高が残ってしまうときには、そのローン残高分を買い替え先の購入物件の代金に上乗せして借りられるローンのことです。

買い替えの購入価格+20%までとする金融機関も

買い替え専用ローンの融資額限度額、大手銀行では通常の住宅ローンと同様に1億円とするところが多いようです。つまり、買い替え先の物件の取得費と売却物件に残っているローン残債と合わせて1億円までOKということです。
なかには、購入物件の担保評価額+20%までとするところもあります。つまり、買い替え先の購入価格(担保評価額)が5,000万円であれば、その20%の1,000万円までローン残高分として融資を受け、合計6,000万円までOKということです。
融資する金融機関からみれば、売却物件のローン残債分は無担保になってしまい、リスクが高いようにみえますが、実は必ずしもそうとは限りません。

ローンが残っていることを心配する必要はない

その分、通常の住宅ローンに比べて条件が若干厳しくなっているのです。その代表格が、売却物件の住宅ローンに関して、「一定期間延滞がないこと」という条件です。通常は、ほとんどの買い替え希望者が現在の住まいの住宅ローンを確実に返済していて、延滞などはしていないものです。だからこそ、買い替えようという前向きな気持ちになるのではないでしょうか。
買い替えのお客さまは、少なくとも5年、10年などの長きにわたって住宅ローンをキチンと返済してきた実績があるわけですから、金融機関にとっては、喉から手が出るほど獲得したい優良顧客ということになります。だからこそ、オーバーローンになってでも、融資したいお客さまともいえるのです。
変ないい方かもしれませんが、ローン残債分まで借りることができることに自信を持っていいのです。

金融系の不動産会社なら買い替え専用ローンの実績も

そのほか、年収面でも最低500万円からなど、通常の住宅ローンより高くしている金融機関もあります。さらに、勤続年数などの条件も通常より厳しくしているところもあるようですが、買い替えを考えている人にとっては、さほど難しい問題ではないでしょう。
特に、金融系の不動産会社であれば、こうした買い替えローンを利用しての買い替えの実績も豊富に持っているのではないでしょうか。心配する前に、一度相談に訪れてみれば、道が開けるかもしれません。

売却サポート

この機会にお気軽にご相談ください!

ご留意事項

本コンテンツに掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、当社の見解を示すものではありません。
本コンテンツに掲載の情報は執筆時点のものです。また、本コンテンツは執筆者が各種の信頼できると考えられる情報源から作成しておりますが、その正確性・完全性について執筆者及び当社が保証するものではありません。
本コンテンツは、情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の取得・勧誘を目的としたものではありません。
本コンテンツに掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、当社は一切責任を負いません。
本コンテンツに掲載の情報に関するご質問には執筆者及び当社はお答えできませんので、あらかじめご了承ください。