【首都圏主要都市】専有面積帯別中古マンション価格推移

東京カンテイが中古マンションの価格推移から住戸の広さに対するニーズの変化を分析しました。
・東京23区:コロナ下で価格上昇率が最も高かったのは「70m²以上」
・2021年の第3四半期時点での変動指数は127.4、「30m²未満」との差は23.8ポイント

【首都圏主要都市】専有面積帯別中古マンション価格推移

東京23区

中古マンション坪単価の変動指数は、新型コロナ禍より前の2019年の第1四半期を100としている。2020年以降の上昇度合いが特に際立っているのは「70m²以上」で、2021年の第1四半期には他の専有面積帯の水準を完全に上抜け、同年の第2四半期には120ポイント超え、第3四半期には127.4ポイントにまで達している。対照的に、比較的狭めの「30m²未満」では2021年に入ってからようやく上向き始めてはいるものの、同年の第3四半期には反落するなど他の専有面積帯との差を埋め切れていない状況が続いており、変動指数が最も上昇した「70m²以上」との差は23.8ポイントまで拡大している。

東京23区は全国の中でも新型コロナの感染状況が深刻だった主要都市の一つであり、人口移動や社会経済活動が最も大きく変化したエリアと言っても過言ではない。若年層を中心に就学・就労目的で東京23区へ転入する人口が急減したことに伴って、「30m²未満」の居住ニーズはコロナ以前よりも減退しており、その影響は前述の通り中古マンション価格の伸び悩みという形で顕在化している。一方、「70m²以上」をはじめ比較的広めの住戸における中古マンション価格が強含んでいる背景の一つとしては、多くの企業がテレワークを導入したことが挙げられる。これらの企業に勤めている勤労者がいる世帯、特に共働き世帯では双方とも完全に出社が不要でない限り東京23区から近郊~郊外エリアへ転居することは難しく、また相応のワークスペースを確保する必要があることから、東京23区内においても広い住戸を求める動きが急速に強まったものと推察される。

横浜市

直近にかけて中古マンション坪単価の変動指数が最も上昇したのは「70m²以上」であり、2021年の第3四半期には114.8ポイントとなっている。新型コロナ禍の初期には目立った動きは見られなかったが、この1年間で一気に価格水準が押し上がってきている。また、「50m²台~60m²台」に関しても基本的には上昇傾向で推移しているが、その度合いや直近における変動指数の水準では「70m²以上」の後塵を拝している状況にある。一方、「30m²台~40m²台」の変動指数は2020年を通して前述の2つの専有面積帯よりも上振れる動きを見せ、同年の第3四半期には112.1ボイントまで上昇していたものの、その後は上昇傾向が一服し高水準にて安定した推移を示している。

各専有面積帯における価格水準の序列に関してはコロナ前後で全く変化しておらず、狭めの住戸ほど価格水準も高い特徴を有している。「30m²台~40m²台」の中古マンション坪単価は2020年の第3四半期に253.1万円(掲出した期間での最高値)を記録したが、その後は250万円前後の水準で高止まりの状況が続いている。一方、主に2人以上の世帯向け住戸に該当する「50m²台~60m²台」や「70m²以上」では直近にかけて上昇傾向を維持しており、特に「70m²以上」の方が強い上昇度合いとなっている。「50m²台~60m²台」との価格差は2020年には20万円ほどあったが、2021年に入ってからは徐々に縮小してきており、同年の第3四半期には10.7万円まで縮まってきている。

新型コロナ禍の初期には、他の地域から東京23区に転入するはずであった人や東京23区から転出する人などの居住ニーズの受け皿を一部で横浜市が担っていたこともあり、比較的狭めの「30m²台~40m²台」でも価格水準は上昇傾向を維持していたが、直近1年間においてはそのような動きも概ね一巡している様子が窺える。一方、2人以上の世帯向け住戸に該当する専有面積帯では前述の東京23区と概ね同様の要因から価格上昇が続いており、特に広めの「70m²以上」に対するニーズは一段と高まっているようだ。

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さいたま市

2020年には比較的広めの「70m²以上」における中古マンション坪単価の変動指数が上昇傾向にシフトし、2021年の第3四半期には118.5ポイントとなっている。また、「50m²台~60m²台」の変動指数は2020年の第1四半期~第3四半期にかけて下落傾向で推移していたが、同年の第4四半期には持ち直して2021年の第3四半期においては前述の「70m²以上」を上回る120.2ポイントまで急上昇している。これらの専有面積帯の価格水準はコロナ前よりも2割ほど押し上がっているわけだが、比較的狭めの「30m²台~40m²台」における価格水準は対照的に伸び悩んでいる。2020年の上半期には変動指数が大幅に低下し、一時は90ポイントを割り込んでいた。その後は再び100ポイント前後まで持ち直し、2021年の第2四半期以降は上昇傾向を見せてはいるが、同年の第3四半期における変動指数は107.6ポイントと、前述した比較的広めの専有面積帯よりも10ポイント以上の差がついてしまっている。

各専有面積帯における価格水準の序列はコロナ前後を通じて「30m²台~40m²台」が最も高く、比較的広めの「50m²台~60m²台」と「70m²以上」はさほど差がなく概ね連動した動きを見せている。主に2人以上の世帯向け住戸に該当する「50m²台~60m²台」や「70m²以上」では、新型コロナ禍の当初は目立った動きを見せていなかったが、2021年に入ると明らかな上昇傾向を示すようになり、価格水準もコロナ前より一段と押し上がっている。

新型コロナ下では前述の横浜市と同様に、東京都心部へのアクセス性が良好なさいたま市も東京23区への居住ニーズの受け皿としての役割が大きくなってきており、それらの動きは比較的広めの「50m²台~60m²台」や「70m²以上」の価格トレンドにも表れてきている。購入予算の範囲内で住戸の広さや交通利便性のバランスが取れた物件を求める一般勤労者からの支持が、昨今のコロナ下で一段と集まっている結果とも言えよう。

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当記事出典

当記事は株式会社東京カンテイ「カンテイアイ特集(2021年10月28日配信)」の情報を元に掲載しております。 当記事に掲載されている文書の著作権は、出典元である東京カンテイに帰属します。 掲載されている文書の全部または一部を無断で複写・複製・転記等することを禁止します。 また、当記事への直接リンクは固くお断りいたします。