形状・高さ・規模 マンション選び3つの視点

マンションの場合、間取りや内装といった住戸自体に関する部分だけでなく、マンション全体がどのようなタイプになっているかによっても長所・短所が変わってきます。今回は、建物の形状・高さ・規模という3つの角度から、バリエーションや特徴をご紹介します。

形状・高さ・規模 マンション選び3つの視点

平面形状

建物を真上から見た際の全体の形状のことです。マンションの場合、新築分譲時の物件資料に載っている建物の敷地配置図などで確認することができます。平面形状によって、地震に対する強度や外観デザインなどが変わってきます。

長方形

長方形

外廊下型マンションの定番ともいえる形状で、もっともオーソドックスなタイプです。

[メリット]
・シンプルな形状なので、地震に対する安定感が高い
・この形状の物件は多くあるので、エリアや立地条件を問わず探しやすい
 
[デメリット]
・独立性の高さや風通しの良さなどで人気の角住戸の戸数が限られる
・外観デザインが画一的になりやすく物件独自の個性が出にくいため、売りに出す際などはアピール力に欠けることも

雁行型

雁行型

図のように、各住戸をずらしながら配置した形状のことです。鳥の雁が群れをなして飛ぶ様子に似ていることが名称の由来です。

[メリット]
・個性豊かな外観デザインになっていることが多いので、買い手や借り手に魅力を感じてもらえる可能性が高まる
・ゆとりを感じられるような敷地内配置になっていることが多い
 
[デメリット]
・形状が複雑になるぶん、外壁工事などメンテナンスコストが高くなるため、修繕積立金や管理費などが割高になりやすい
・建物の向きや時間帯・季節によっては、日照が他住戸にさえぎられることもある

ロの字型

ロの字型

タワーマンションでよく見られるタイプで、大規模再開発など、一定以上の敷地面積を確保できる場合に採用されるケースが多くなっています。建物の内側に吹抜けを配置し、その周囲に住戸が配置されています。吹抜け(ボイド)にちなんでボイド型ともいわれます。

[メリット]
・独立性の高さや風通しの良さなどで人気の角住戸が多い
・間取りタイプが多彩なケースが多く、なかには、一般的な外廊下型マンションにはないような個性的な間取りの住戸がある場合も。同じマンションから複数住戸が売りに出ている場合、より希望に合う間取りを選べる
・共用廊下が建物の内側に配置されているのでプライバシーを守りやすく、防犯性も高い
・ボイド部分からも日が当たったり風が抜けたりするケースが多い
 
[デメリット]
・共用廊下が吹き抜け部分を囲むように配置される関係上、同一フロア内ではエレベーター乗り場まで遠い場所に配置される住戸も少なくない
・構造が複雑になるため、柱や梁が住戸内中央部に出ている住戸もある。リフォームで間取りを変更したい際などに制限される可能性がある

L字型・コの字型

L字型・コの字型

複数の長方形タイプを連結したタイプです。建物に囲まれた部分を中庭や駐車場などとして活用しているケースが多いのが特徴です。

[メリット]
・住戸数が多くなるので、そのぶん共用施設の多彩さやサービスの充実度などに期待できる
・建物に囲まれた部分に入居者用の公園などが配置されていれば、小さな子どもを安心して遊ばせられる
 
[デメリット]
・同じマンション内で部屋向きが異なるため、方位によっては日当たりや風通しが悪い住戸もある
・大きな地震が発生した際などは、建物の連結部がダメージを受けやすい

■高さ

文字通り、建物の高さのことです。物件広告などでは「中層」「高層」「超高層」などという表現が使われることもありますが、建築基準法や消防法、都市計画法などによって解釈が異なり、共通の定義はありません。この記事では、地上10階以下を「低中層」、地上11階以上を「高層」として解説します。

低中層(地上10階以下)

低中層(地上10階以下)

[メリット]
・地上5階建て以下だと、地震に強い壁式構造を採用しているケースがある。壁式構造だと基本的に住戸内の柱や梁がないので、家具や家電を配置しやすいというメリットも
・地震や火災などでエレベーターを使えなくなっても、自力で移動しやすい
・第一種低層住居専用地域など、高い建物を建てられない住宅街にある場合、閑静で落ち着いた住環境を確保できる
 
[デメリット]
・周辺環境によっては、日当たりや眺望、風通しが悪くなる場合がある
・壁式構造の場合は壁を除去できないので、リフォームの際に制限が生じる

高層(地上11階以上)

高層(地上11階以上)

[メリット]
・上層階の住戸だと、眺望や日当たり、風通しが良好になるケースが多い
・同じマンション内では、基本的に住戸が配置された階数に比例して金額も高くなる。そのぶん、高層マンションの低層階住戸などが割安で見つかることも
・免震構造や制振構造を採用しているケースが多いので、地震時の安心感が高い
 
[デメリット]
・高層階住戸だと、地震時の揺れが低層階住戸より大きくなる
・地震や火災でエレベーターを使えなくなった場合、階段の上り下りが大変
・おおむね11階以上は消防車のハシゴが届かないため、非常用エレベーターが設置されている。そのぶん、メンテナンスコストが高くなる

規模

マンションの住戸数を指します。高さ同様、こちらも共通の定義はありませんが、この記事では100戸未満を「小中規模」、100戸以上を「大規模」として解説します。マンションの規模は、共用施設やサービスの充実度に影響することが多い要素です。

小中規模(100戸未満)

[メリット]
・管理規約の改正などでは、入居者数が少ないほど合意形成しやすくなる
・入居者の顔ぶれを把握しやすいのでコミュニティを形成しやすく、ひいては防犯面で安心度が高まる
 
[デメリット]
・共用施設やサービスの充実度は、大規模に劣っていることが多い。自身は気にしなくても、将来売りに出す際の買い手のつきやすさに影響することも
・大規模に比べて管理組合理事の順番がすぐにまわってくるので、負担になることも

大規模(100戸以上)

[メリット]
・スケールメリットを活かし、さまざまな共用施設・サービスが用意されていることが多い
・基本的に規模が大きいほど入居者もバリエーションに富むので、自身と同世代・似た家族構成の世帯を見つけやすくなる
・規模が大きければ入居者の職業も多彩になるので、建設関係や不動産関係など、管理や大規模修繕などに有効な専門知識を持っている人が理事になると心強い
・将来、売りに出したり賃貸として運用する場合、共用施設やサービスの充実度が他物件との差別化につながることに期待できる
 
[デメリット]
・共用施設が多彩なほどメンテナンス費用がかさむので、修繕積立金が高くなることも
・管理規約や使用細則の改正など、入居者の合意形成が必要な際、規模が大きいほど意見をまとめづらくなる
・世帯数に対してエレベーターの数が少ないと、通勤時間帯などの待ち時間が長くなることも

マンションの全体像も視野に入れよう

マンションの場合、外観デザインや規模など、全体像も資産価値や住み心地に大きく影響します。価格や広さ、立地といった基本的な部分が似た条件にある複数の候補を比較する際などは、今回紹介した要素も含めて検討してみるといいでしょう。求めるライフスタイルや将来の買い替えの可能性なども視野に入れ、自分や家族にフィットした住まいを見つけ出してください。

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