知っておきたい売却・査定相場比較

階層・部屋向き

不動産の売却価格査定における重要な要素として、物件の広さや立地、築年数などが挙げられます。
しかし、中古マンションの売却査定の際に検討される要素は、これだけではありません。まったく同じ間取りのマンションであっても、低層階と高層階では査定額に差が出る可能性があります。また、部屋の向きも階層と同様に査定に影響を及ぼします。
では、売却価格の査定に対してマンションの階層や部屋の向きは、どのような影響があるのでしょうか。具体的な金額例を交えながらご紹介します。

階層・部屋向き

エリア別に築年数ごとの相場価格を確認する

首都圏 名古屋 関西

時流によって変動する相場についての
情報収集をサポート

※当社営業担当者が査定いたします。
※宅建業法に基づく査定です。不動産鑑定評価ではありません。

中古マンションの売却査定に「階層・部屋向き」が及ぼす影響

タワーマンションにおいて、「エレベーターに乗ったときに高層階のボタンを押すと優越感を感じられる」という方の話を聞くことがあります。また、タワーマンションの中には低層階用のエレベーターと高層階用のエレベーターが分かれているところもあり、高層階用のエレベーターに乗ることにステータスを感じるという方もいるようです。

このように、タワーマンションの高層階と低層階では、「高層階の方が高級で、社会的地位の高い人が住む」というイメージがあり、人気も高くなっています。
特に、湾岸エリアなど高層階からの展望に優れる地域において、売却物件がマンションの何階に位置しているのかは、重要な査定ポイントのひとつとなります。

また、マンションの階数と同様に重要な査定ポイントとして、「部屋の向き」があります。なお、マンションにおける部屋の向きは、リビングにあるもっとも大きな窓やバルコニーがどちらを向いているのかによって判断されます。
マンション選びにおいて、部屋の向きは東西南北それぞれに異なるメリット・デメリットがあります。しかし、売却査定においては多くの場合、日当たりが良い南向きの部屋の人気が高いため、高く評価されます。反対に敬遠されがちなのは、ほかの3方向より採光が不足しがちで寒々しい印象を持たれる北向きの部屋です。

さらに、マンションの場合は二方向に大きな窓のある角部屋も魅力的な評価要素のひとつとされる傾向があります。例えば、南と東の角部屋では、南向きで日当たりが良いというメリットに加えて、東向きは早い時間帯から朝日が差し込む、二方向に窓があることで風通しが良い、というメリットも享受できます。

このように、中古マンションの売却査定においては、階層と部屋の向きによって価格が変動します。一般的に、査定価格は需要の有無(=過去の売買価格)によって上下するため、同じマンションであればより高層階の物件が有利になります。また、階層が同じであれば北向きより南向きの物件が有利になりやすい傾向にあります。

ただし、こうした傾向にもエリアや立地などによる違いがあり、一概に言い切れるものではありません。査定額への影響について、詳しく紹介していきましょう。

「階層・部屋向き」が売却査定額へ影響する傾向

マンションの売却価格の査定に階層や部屋の向きが及ぼす影響は、エリアや該当物件の条件(ルーフバルコニーの有無や1階の専用庭の有無など)によっても異なるため、判断が難しい面もあります。
そのことを念頭に置いたうえで、実際にマンションの価格がどの程度変化するのか、モデルケースを見てみましょう。

階層による売却相場の違い

まったく同じ間取り、部屋の向きで階層だけが異なる場合、1階下がるごとに0.5~2.5%価値が下落していくと一般的に言われています。仮に0.5%で変化した場合、10階に位置する1001号室が3,000万円であった場合、同じ間取りで5階にある501号室は2,925万円、15階にある1501号室は3,075万円となるということです。

10階を基準とした場合の相場イメージ

しかし、実際にはこのような画一的な査定がなされることはありません。また、このマンションが15階建てなのか、50階建てなのかによっても変化の割合は変わってきます。そのため、一概に「階層ごとに0.5%前後の価格差が生じる」とは言い切ることは難しいですが、ひとつの目安にはなりそうです。

部屋向きによる売却相場の違い

そのほかの条件がまったく同じ物件を売却する場合、南向きの物件を基準として、北向きの物件は10%程度、東向きの場合で3~7%、西向きの場合で5~9%の価値が下がると一般的に言われています。

住戸の向きによる㎡単価の違い

ただし、こうした部屋の向きによる売却相場は、周辺環境に大きく左右されます。エリアやそれぞれの部屋の向きによってどのような眺めなのか、近隣の建物との距離や位置関係はどうなのかといったことまで考慮の上で判断されるものなので、実際に上記の通りになるとは限りません。
また昨今では、高層階の北向きは直射日光こそ望めないものの十分に明るさを確保できること、その割には割安感があることから、選ばれる傾向が高まっています。

このように、階層は高いほうが、部屋の向きは南向きが、それぞれ査定評価は高い傾向にあります。しかし、実際の査定は日照や採光の良し悪しや眺望といった条件をポイント化して価格に反映させるため、必ずしも売却相場と一致しないケースも少なくありません。具体的に、階層や部屋の向きと売却相場が直結しない場合について確認してみましょう。

エリア別に築年数ごとの相場価格を確認する

首都圏 名古屋 関西

時流によって変動する相場についての
情報収集をサポート

※当社営業担当者が査定いたします。
※宅建業法に基づく査定です。不動産鑑定評価ではありません。

売却時のメリットに直結しない場合

マンションの階数と売却価格が比例しない、または南向きであることがプラスに働かないケースがあります。どのような場合か見てみましょう。

北向きのほうが眺めの良い場合

首都圏でも、港区や江東区では北向きの中古マンション価格が下がりにくい傾向にあります。このエリアでは、そもそも新築マンションの販売価格を、人気の少ない北向きの物件でも高額で売り出すことがあるほどです。これは、「北向きのほうがより眺望が良い」エリアであるために起こることです。

希少性が高いマンションの場合

開発が困難な都心部のタワーマンションなど、希少性の高いマンションは新築時に比べて価格が下落しにくい傾向にあります。また、マンション自体にランドマークとしての付加価値がある、周囲の開発が進み価値が上がるなど、価格が上昇するケースもあります。
このようなマンションの場合は中層階、低層階でも新築時より売却価格が上がる場合もありますので、一般的なマンションに比べて階数以上の資産価値が評価に反映される可能性があります。

まとめ

中古マンションの売却相場において、物件の階層や部屋向きによって、査定価格は変化します。
しかし、その変化の割合や傾向は、物件が位置するエリアや物件の状況によって大きく異なります。単純に「南向きなら良い」「階数が高ければ高いほど資産価値が高い」と言い切れるものではないため、どのくらいの価値があるのか知りたい場合は、不動産会社に査定を依頼するのがおすすめです。

執筆:平野 絵美

  • 長嶋 修
    監修:
    長嶋 修(ながしま おさむ)
    経歴:
    1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社「株式会社さくら事務所」を設立、現会長。「中立な不動産コンサルタント」としてマイホーム購入・不動産投資など不動産購入ノウハウや、業界・政策への提言を行う。著書・メディア出演多数。近著に「不動産格差」(日本経済新聞出版社)。

エリア別に相場価格を確認する

首都圏 名古屋 関西

売り出し事例から、おおよその相場情報をご確認いただけます。

投資・事業用物件

購入を検討されているお客さまの情報をご覧いただけます。

投資・事業用物件
  • 売却ガイド

    お客さまの「売りたい」をトータルにお手伝いします。

  • 売却 Q&A

    売却に関する疑問について、分かりやすくお答えします。

  • 店舗のご案内

    不動産のプロが、お客さまの多様なニーズにお応えします。

まずはお気軽に!簡単!
無料査定・売却相談