不動産売却時にかかる税金や諸費用

「不動産を売却する」と聞くと、売れた際にお金が入ってくるだけという気がしてしまいますが、実は違います。売却の事前準備として出費をともなう手配が必要になることもありますし、売買契約を結ぶうえでの出費もあります。そこで今回は、不動産売却のために発生する諸費用などの種類と目安金額について紹介していきます。

※各費用や税金の目安として表示している金額は、一般的な取引事例をもとにした参考値です。条件によってはあてはまらない場合がありますので、ご注意ください。
また、記事内に掲載している写真は、すべてイメージです。

動産売却時にかかる税金や諸費用

測量費用(目安:50~100万円程度)

測量費用

売却する不動産が、土地や一戸建ての場合に発生することがあります。専門の測量会社に、売却価格を決める基準にするための厳密な面積調査や、隣地との境界確定を依頼します。費用は、土地の広さをはじめ、調査前の現況(境界杭の有無など)によっても変わってきます。なお、境界を確定するには隣接地の権利者の同意が必要で、その証明となるのが、全関係者が署名・捺印した境界確認書です。近隣トラブルがあると境界を確定できないため、境界確認書の存在自体が、買主にとってひとつの安心材料になります。このため、売買するうえで必須ではないものの、買主から要求されるケースが大半です。

リフォーム費用や解体費用(目安:100~200万円程度)

リフォーム費用や解体費用

売却する住まいの設備類や、内装・外装の傷みが激しい場合は、リフォームして買主を付きやすくするという方法もあります。また、一戸建ての場合、建っている家屋などを解体して更地にするのも、買主を付きやすくする手段のひとつです。もちろん、リフォームも解体もせず、売却後の買主側の出費に配慮して売却額を下げるという考え方もあります。どのような手段を取るべきなのかは、地域のニーズなどによっても違ってきますから、仲介会社の担当者に相談してみましょう。なお、住まいがそれほど傷んでいない場合は、ハウスクリーニングを施すだけでも見栄えが良くなります。専門業者に依頼する場合、一般的な目安は10万円~30万円程度になります。

引っ越し費用(目安:30万円程度)

引っ越し費用

自身が居住している不動産を売却する場合にかかります。売買後、転居先の手配などで引き渡し時期ぎりぎりまで住むという場合は、引っ越し会社に頼むのが一般的です。なお、不要な家具や家電などを処分してもらいたい場合は、引っ越し費用とは別に残置物撤去費用もかかります。もちろん金額は量によって変動しますが、一般的な家庭で約10~50万円がひとつの目安です。

登録免許税・司法書士報酬(目安:2~3万円程度)

売却で得たお金を住宅ローンの残債清算に充てた場合の「抵当権抹消登記」は、その気になれば自身でも手続き可能ですが、必要書類の多さや煩雑さから、司法書士に依頼するのが一般的です。この際、登録免許税と、委託した司法書士への報酬が発生します。なお、売却した不動産を買主の名義に変える「所有権の移転登記」でも登録免許税と司法書士への報酬が必要になりますが、通常の不動産売買の慣習では、買主が負担するケースが大半です。

印紙税(売却金額によって異なる)

印紙税

売買契約書は売主用・買主用で同じものを2通用意するのが一般的です。契約書は課税文書となるため、それぞれに取引金額に応じた額の収入印紙を張る必要があります。売主も買主も、自分用の契約書に張る分は、自分で負担するのが一般的です。必要な印紙税額は、売買金額や書類の種別によって異なりますので、不動産仲介会社の担当者に確認しましょう。なお、国税庁のWEBサイトでも一覧表が公開されています。

仲介手数料(売却金額によって異なる)

買主との間をとりもってもらった報酬として、不動産仲介会社に支払うお金のことです。仲介手数料は法律で上限が決められています。上限は、買主への売却額によって異なりますが、売却額の3.3%プラス6.6万円以内を目安と考えておけばいいでしょう。

譲渡税(諸条件によって異なる)

購入時よりも高い金額で不動産を売却できた場合、この差額を「譲渡益」といいます。原則として譲渡益には所得税や住民税がかかりますが、売却した不動産が自身の居住用だった場合は、特別控除を適用できることがあります。控除の範囲や条件については、当サイト内『居住用には「3,000万円の特別控除」 税率は所有期間によって異なる』を参照ください。

<早めに金額を把握しておきたい>

住まいの売却は、不動産仲介会社に査定を依頼するところから始まります。販売活動を依頼することになったら、諸費用や税金がどのくらい必要になるのか概算を出してもらいましょう。また、測量会社や解体会社、リフォーム会社、引越し会社、司法書士などは、不動産仲介会社に紹介してもらうことも可能です。それぞれ、できるだけ複数に見積もりを依頼し、提示金額やサービス内容を比較して選ぶようにしましょう。

住まいを売却する

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