住宅金融支援機構の【グリーンリフォームローン】を使って有利に省エネリフォーム

リフォームローンは、通常の住宅ローンに比べると金利や返済条件などの面で何かと不利で、リフォームを希望する人にとっては大きな阻害要因となっています。そこで、住宅金融支援機構では、2050年に向けて、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルの実現のため、【グリーンリフォームローン】の取り扱いをスタートさせました。リフォームを考えている人は、ぜひともチェックしておきたい動きです。

住宅金融支援機構の【グリーンリフォームローン】を使って有利に省エネリフォーム

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カーボンニュートラルの実現に向けて実施

住宅金融支援機構は、2022年10月1日から、既存の住宅の省エネ性能を高めるためのリフォームに対して融資する【グリーンリフォームローン】の取扱いを始めました。2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、断熱性の高い住まいにするなど、2025年度からは新築住宅の省エネ基準への適合が義務化されますが、既存の住宅についても省エネルギー性能を向上させる省エネリフォームの推進が必要とされています。その一環としての【グリーンリフォームローン】の創設がされました。
住宅ローンが0%台から1%台の金利であるのに対し、通常のリフォームローンは2%前後から4%台などで金利が高いなど、使い勝手があまり良くないという問題があります。そのため、リフォームしたくても二の足を踏む人が多いのが現実ですが、【グリーンリフォームローン】なら有利に利用できます。

融資額の上限は500万円まで

対象となるのは、既存住宅の断熱改修工事と、省エネ設備設置(交換)工事です。窓などの開口部の断熱性能が一定基準に達するなどのZEH水準とする断熱改修については、【グリーンリフォームローン】Sとして、金利が低くなります。
省エネリフォームと合わせて実施する、省エネリフォーム以外のリフォーム工事も対象になり、融資額は上限500万円です。ただし、省エネ工事費の2倍までであり、図表2の例にあるように省エネ以外の工事と合わせて総額650万円かかっても、省エネリフォーム工事費用が200万円であれば、融資額はその2倍の400万円までになります。不足分は自己資金が補うのが現実的です。

図表1 【グリーンリフォームローン】の対象となる工事
図表2 グリーンリフォームローンの融資限度額(1~3のうち一番少ない金額)

1%台前半の金利で利用できる

2022年11月の金利は図表3にある通りです。機構団信に加入する場合、【グリーンリフォームローン】が1.56%で、【グリーンリフォームローン】Sが1.26%です。団信に加入しないと、それぞれ0.20%低くなります。
一般のリフォームローンで、500万円を元利均等10年返済・ボーナス返済なしで、三菱UFJ銀行の2022年11月の金利1.995%で利用すると、月々の返済は4万5,984円ですが、金利1.56%の【グリーンリフォームローン】なら4万5,028円、【グリーンリフォームローン】Sの1.26%なら、4万4,368円ですみます。【グリーンリフォームローン】Sなら、通常のリフォームに比べて、月額にすれば1,616円、年間では1万9,392円の負担軽減です。

図表3 【グリーンリフォームローン】の金利(2022年11月)

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

「60歳以上の人には高齢者向け返済特例がある」

それでも負担が重いという人で、満60歳以上などの条件を満たせる人なら、【グリーンリフォームローン】の「高齢者向け返済特例」を利用できます。
この返済特例なら元金は据え置けます。金利は2022年11月現在で3.30%と少し高くなるのですが、それでも月々の支払いは1万3750円にダウンします。これなら、収入が年金だけという人でも、十分に返済が可能ではないでしょうか。
元金は据え置きになるわけですが、それは融資の申込人が亡くなったときに、相続人が融資住宅やその敷地を売却して返済したり、自己資金によって一括返済する仕組みです。

図表4 【グリーンリフォームローン】の金利(2022年11月)

今後に備えてバリアフリー工事を合わせて実施

今後に備えて、省エネリフォームに合わせてバリアフリー工事を実施、安心して老後を迎えられるようにしてはどうでしょうか。先に触れたように、省エネリフォーム工事費用の2倍の範囲内であれば、その他のリフォームも【グリーンリフォームローン】の対象になります。
住まいの省エネ化を進めれば、光熱費を抑制できると同時に、より快適で健康な生活を送れるようになりますし、合わせてバリアフリー工事を実施すれば、多少身体が不自由になっても、安心して生活がきるようになります。省エネリフォームをすれば、環境にやさしいのはいうまでもありません。
【グリーンリフォームローン】は若い人から、年配の人まで、さまざまなメリットがあります。それぞれのニーズに合わせて、有効に活用して住まいを快適にしていただきたいものです。

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

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