一戸建て住宅・価格と戸数の動向~中古・新築マンション・一戸建て住宅データ白書 2022

東京カンテイが「マンション・一戸建て住宅データ白書2022」を発表しました。
三大都市圏の一戸建て住宅は新築・中古ともに平均価格が上昇、新築一戸建ての土地面積は近畿圏を除いて縮小傾向が見られます。

一戸建て住宅・価格と戸数の動向~中古・新築マンション・一戸建て住宅データ白書 2022

三大都市圏 新築・中古一戸建て住宅の価格と土地面積・建物面積の変化

三大都市圏 新築・中古一戸建て住宅の価格と土地面積・建物面積の変化/【参考資料】三大都市圏 新築・中古マンションの一戸平均価格と平均専有面積の変化

【首都圏】新築・中古ともに平均価格が前年比10%以上の上昇 土地・建物面積は新築に縮小傾向が表れる

首都圏における新築一戸建て住宅の2022年の一戸平均価格は4,523万円で、2021年の4,107万円と比べ+10.1%と大きく上昇し、2015年の調査開始以来最高額を2年連続で更新した。首都圏の新築マンションの一戸平均価格は2022年に6,341万円で前年比+6.5%上昇したことと比較すると、一戸建て住宅の価格変動が上回る結果となった。平均土地面積は前年比-1.8%の116.4m2、平均建物面積は-0.4%の99.0m2と土地面積、建物面積ともに縮小した。

また、中古一戸建て住宅の2022年の一戸平均価格は3,919万円で、2021年の3,556万円と比べ+10.2%と2年連続で大きく上昇した。首都圏の2022年における中古マンションの一戸平均価格は4,087万円で+10.0%上昇したことと比べると、一戸建て価格、マンション価格ともに上昇幅が大きい。特に首都圏においては、新築の平均価格上昇が顕著であるため、中古へニーズが流れていることが示されている。平均土地面積は前年比+0.2%の125.6m2、平均建物面積は+0.1%の99.7m2とそれぞれやや拡大した。

【中部圏】新築・中古ともに価格は上昇傾向 新築マンションが下落する中で新築一戸建ては上昇幅を拡大

中部圏における新築一戸建て住宅の2022年の一戸平均価格は3,396万円で、2021年の3,204万円と比べ+6.0%上昇した。2015年の調査開始以降7年連続で価格の上昇が続いている。新築マンションの一戸平均価格は同年3,509万円と-15.3%下落したことと比べると、一戸建て住宅が依然として中部圏の居住ニーズの受け皿になっていることを示している。平均土地面積は前年比-1.3%の148.5m2、平均建物面積は-1.1%の103.2m2と、どちらもやや小さくなっている。

一方、中部圏における中古一戸建て住宅の2022年の一戸平均価格は2,391万円で、2021年の2,359万円と比べ+1.4%上昇した。6年連続の上昇となったが、2020年の変動率が+3.9%であったことと比べると、上昇幅は徐々に縮小している。中部圏における中古マンションの一戸平均価格は同年2,194万円と+6.0%上昇したことと比較して、一戸建て住宅価格は小さな変動に留まった。平均土地面積は前年比-0.4%の165.3m2、平均建物面積は+0.6%の108.9m2で、平均建物面積が僅かに上昇へ転じている。

【近畿圏】一戸平均価格は新築・中古ともに上昇幅を拡大 マンションの価格上昇に並ぶ勢い

近畿圏における新築一戸建て住宅の2022年の一戸平均価格は3,544万円で、2021年の3,331万円と比べ+6.4%上昇した。一戸平均価格は2018年から3年連続して3%前後の大きな上昇を維持し、2021年はやや落ち着いていたが、再び大きく上昇した。近畿圏の2022年の新築マンション一戸平均価格は5,104万円で前年比+7.7%上昇している。平均土地面積は前年比+0.2%の116.9m2、平均建物面積は-0.5%の101.1m2と、首都圏と同様にマンションの価格上昇と比べると変動は小さい。

一方、近畿圏における中古一戸建て住宅の2022年の一戸平均価格は2,518万円で、2021年の2,391万円と比べ+5.3%上昇した。一戸平均価格は2020年にやや下落したものの、2021年から連続して上昇幅を拡大させている。近畿圏における2022年の中古マンションの一戸平均価格は2,620万円で5.9%上昇したことと比較すると、新築・中古ともにマンションの価格上昇に一戸建てが並ぶような変動を見せてい
る。平均土地面積は前年比-0.2%の121.2m2、平均建物面積は+0.2%の101.2m2となっている。

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

全国都道府県別 新築・中古一戸建て住宅新築分譲・中古流通戸数

新築一戸建ては2022年に全国で114,207戸分譲された。2021年の114,643戸と比べ-0.4%減少した。

コロナ禍から回復基調にあったが実需の慎重姿勢は継続しており、2022年はやや数字を落とした。同年の新築マンションの分譲戸数は86,185戸であるので全国で1.33倍の新規供給量となった。また新築マンションは前年比-7.0%の減少となったが、一戸建ては-0.4%に留まった。一戸建てがマンションより実需ニーズの受け皿として機能し、一部マンションへのニーズを取り込んでいる状況は依然として見受けられるが、物価上昇の影響が回復の足止めとなったと考えられる。

全国都道府県別 新築・中古一戸建て住宅新築分譲・中古流通戸数

一戸建て住宅調査対象の条件:(1)敷地面積50~300m2の物件(2)最寄り駅からの所要時間が徒歩30分以内かバス20分以内の物件(3)木造(4)土地・建物ともに所有権の物件

対象地域:全国
地域区分:【首都圏】東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県
     【近畿圏】大阪府 兵庫県 京都府 滋賀県 奈良県 和歌山県
     【中部圏】愛知県 岐阜県 三重県 静岡県

【首都圏】新築分譲戸数は前年比-0.9%減少 中古流通戸数は-10.1%の大幅減

首都圏では2022年に50,466戸が分譲され、2021年の50,931戸と比べ-0.9%と4年連続の減少となった。これまで唯一増加傾向にあった埼玉県も2022年は前年比-1.6%減少し14,477戸となり、代わって神奈川県が+0.2%増加し13,792戸となった。東京都は13,672戸が新規供給されたが、これは新築マンションの2022年における分譲戸数22,668戸の60.3%に当たる量である。

【中部圏】新築分譲戸数は前年比-3.5%の減少 中古流通戸数も-9.5%と減少傾向強まる

中部圏では2022年は16,219戸が分譲され、2021年の16,815戸から-3.5%減少した。前年比-8.8%減少した静岡県は2021年からの反動減であり、2,966戸の分譲は2017年以降で見れば高い水準を維持している。唯一の前年比増加となった三重県では、新築マンションも前年比+120.0%増の517戸とより大きく伸びている。また、中古一戸建ては中部圏では2022年は6,898戸が流通し、前年の7,622戸と比べ-9.5%減少した。

【近畿圏】新築分譲戸数は前年比-3.8%、中古流通戸数は-14.7%と大きく減少

近畿圏の新築一戸建ては2022年には16,701戸が分譲された。2021年の17,361戸と比べ-3.8%減少した。大阪府では7,298戸が分譲され前年比-7.6%減少した。近畿圏では兵庫県と奈良県が増加傾向を維持したが、その他の府県ではいずれも前年比減少した。

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当記事出典

当記事は株式会社東京カンテイ「カンテイアイ特集(2023年1月31日配信)」の情報を元に掲載しております。 当記事に掲載されている文書の著作権は、出典元である東京カンテイに帰属します。 掲載されている文書の全部または一部を無断で複写・複製・転記等することを禁止します。 また、当記事への直接リンクは固くお断りいたします。

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