2021年 中古マンションのリセールバリュー

東京カンテイが築10年中古マンションのリセールバリューについて調査・分析しました。

2021年 中古マンションのリセールバリュー

首都圏

2021年のリセールバリュー最高駅は「六本木一丁目」の211.1%

対象345駅のうち100%超えは302駅、資産価値が1割以上目減りした駅は僅か13駅

首都圏平均は119.8%、新築分譲時よりも資産価値が上昇した駅は東京都下や周辺3県にも数多く分布

首都圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は345駅で、その平均値は119.8%となった。対象物件が分譲された当時は直近に比べて割安感が強い販売価格となっていたものの、2013年以降の価格高騰局面においては新築・中古マンションともに価格が上昇、さらに最近ではコロナ以前に比べて1割ほど水準が押し上がったことでリセールバリューの数値も大きく上振れる結果となった。中古マンションの価格上昇が著しい代表的なエリアとしては、これまで東京都心部や横浜エリアなどが挙がっていたが、現在はその外周エリアにも及んできている。

主要駅におけるリセールバリューを色分けした路線図を見ると、青色で示されたリセールバリューが、100%以上の駅(=新築分譲時の価格以上で中古流通している駅)は、JR山手線エリアやミニ都心の横浜エリアに留まらず、東京都下や周辺3県の広い範囲に分布している様子が確認できる。もちろん、同じ青色でも立地優位性や交通利便性が高い前者の方がリセールバリューの数値は高く、新築分譲時に比べて中古流通時の価格が5割以上も上昇しているケースも珍しくはない。一方、新築分譲時よりも資産価値が目減りしている駅を見てみると、その多くは郊外ターミナル駅以遠に位置していたり、都心部までのアクセスに乗り換えが必要であるなど、通勤時間が相応にかかる駅となっている。対象となった345駅の内訳を見ると、青色が302駅(シェア87.5%)、緑色が30駅(同8.7%)で、全体の4割強の主要駅が首都圏平均のリセールバリューを上回っていた。一方、資産価値が1割以上目減りした駅をそれぞれ見てみると、橙色が9駅(同2.6%)、赤色が1駅(同0.3%)、桃色が3駅(同0.9%)で、全てを合わせても僅か13駅しかなく、大半の駅で資産価値が維持あるいは上昇している状況にある。

上位駅のうち「六本木一丁目」を含む港区が最多の9駅、渋谷区も4駅を数える 東京23区以外は2駅

2021年に最もリセールバリューが高かった駅は東京メトロ南北線「六本木一丁目」の211.1%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて2倍以上にも値上がりしていた計算となる。新築分譲時のマンション価格は坪483.6万円で、周辺の「六本木」(492.9万)や「麻布十番」(458.8万)などと同じく立地相応にかなり高額であったが、該当物件はいずれも都心一等地の駅勢圏かつ駅近の大規模タワーマンションという好条件から非常に高い希少性を有しているために、築後10年を経ていながらも坪1,000万円を超える資産価値を誇っている。ランキング上位30駅の内訳を見ると、3Aエリア(麻布、赤坂、青山)をはじめ富裕層から高い人気を集める高級住宅地が存在する港区が最多の9駅、次いで駅前の大規模再開発によってポテンシャルが高まった「渋谷」や全国的にも高い知名度を誇る「代官山」などを擁する渋谷区も4駅を数える。この他にはJR山手線エリアに位置する駅(特にターミナル駅やその周辺であったり、地ぐらいが良好な人気住宅地)が多く登場してきており、「片瀬江ノ島」「桜木町」といった東京23区以外の駅もランクインしている。

中部圏

2021年のリセールバリュー最高駅は「中村区役所」の233.6%

対象67駅のうち100%超えは過半数の38駅、資産価値が3割以上目減りした駅はゼロ

中部圏平均は104.0%、名駅周辺や東山エリアのみならず周辺県のターミナル駅でも100%越え

中部圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は67駅で、その平均値は104.0%となった。これまでは中部圏のターミナル駅でリニア中央新幹線の開業決定を契機に面的な大規模再開発が推し進められているJR名古屋駅の周辺や地元住民から住宅地として高い人気を集める東山エリアに位置する一部の駅に限って、100%を超えるような高いリセールバリューを示すケースが散見されていたわけだが、最近にかけては再開発エリアの拡大や高額なタワー物件の供給も目立ってきている。そのため、当該エリアのみならずその周辺に位置する駅においても中古マンション価格が連れ高の様相を呈してきており、新築分譲時の価格を上回る駅は名古屋市中心部の広範囲に渡って増えてきている。

主要駅におけるリセールバリューを色分けした路線図を見ると、青色で示されたリセールバリューが100%以上の駅(=新築分譲時の価格以上に中古流通している駅)は従来通りJR名古屋駅~東山エリアにかけての名古屋市中心部に多く分布しているが、今回はそれ以外にも名古屋駅へのアクセス性が良好な駅であったり愛知県に隣接する県のターミナル駅なども該当している。対象となった67駅の内訳を見ると、青色が38駅(シェア56.7%)、緑色が16駅(同23.9%)で、全体の4割強の主要駅が中部圏平均のリセールバリューを上回っていた。なお、リセールバリューが90%以上(青色と緑色)の合計シェアは80.6%で、首都圏(96.2%)や近畿圏(88.3%)に比べてやや低い水準となっている。一方、資産価値が1割以上目減りした駅をそれぞれ見てみると、橙色が11駅(同16.4%)、赤色が2駅(同3.0%)で、3割以上の目減りを表す桃色は今回確認されなかった。

ランキング上位駅のうち名古屋エリアが約2/3を占める 岐阜県や静岡県のターミナル駅もランクイン

2021年に最もリセールバリューが高かった駅は名古屋市営地下鉄桜通線「中村区役所」の233.6%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて2.3倍以上にも値上がりしていた計算となる。新築分譲時のマンション価格は坪145.7万円と、同じく名駅周辺でオフィス・商業エリアとして発展している東側の駅に比べて2割ほど割安な水準であった。今回、「中村区役所」の資産価値が築後10年を経て大幅に上昇した要因としては、大規模再開発に伴う名駅周辺エリアのポテンシャルの高まりも挙げられるが、JR名古屋駅の徒歩圏でもある物件から最上階に位置するプレミアム住戸の事例が発生していた影響も大いに関係しているとみられる。ランキング上位30駅のうち、約2/3に相当する21駅が名古屋エリアで占められており、トップの「中村区役所」をはじめ「久屋大通」や「伏見」など名駅周辺に位置する駅が上位に登場してきている。一方、東山エリアに位置する「覚王山」や「本山」などは住宅地としての人気の高さから新築分譲時の価格も坪200万円以上と強気に設定されていたために、資産価値の伸び代という点では前者のエリアの方がやや優る結果となった。

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

近畿圏

2021年にリセールバリューが最も高かった駅は「天王寺」の152.5%

対象154駅のうち100%以上は117駅、資産価値が1割以上目減りした駅は僅か18駅

近畿圏平均は112.2%、京阪神エリアはもちろん滋賀県でもリセールバリュー100%超えの駅が増加

近畿圏においてリセールバリューが算出可能だった駅は154駅で、その平均値は112.2%となった。景況感にさほど左右されることもなく従来から住宅地として高い人気を誇る阪神エリアに加えて、2013年以降は国内外の富裕層から旺盛なセカンドニーズを集めていた京都市中心部、街の面的な大規模再開発を経て職住近接の居住エリアとして認知度が高まった大阪市中心部でも分譲マンションの相場価格は一段と押し上がっていたわけだが、それに伴って高いリセールバリューを示す駅は各都市中心部の外周エリアにも徐々に拡がってきている。

主要駅におけるリセールバリューを色分けした路線図を見ると、青色で示されたリセールバリューが100%以上の駅(=新築分譲時の価格以上に中古流通している駅)は、京阪神エリアの広い範囲に分布しており、例年に比べて滋賀県でも当該駅が増加している。また、大阪市・神戸市・京都市の中心部に位置する駅においては新築分譲時に比べて中古流通時の価格が5割ほど上昇しているケースも散見される。一方、新築分譲時よりも資産価値が目減りしている駅を見てみると、そのほとんどは京阪神エリアよりも郊外寄りに位置している。各都市中心部への通勤に要する時間と反比例する形で、リセールバリューは相対的に低い水準を示している。対象となった154駅の内訳を見ると、青色が117駅(シェア76.0%)、緑色が19駅(同12.3%)で、全体の5割強の主要駅が近畿圏平均のリセールバリューを上回っていた。一方、資産価値が1割以上目減りした駅をそれぞれ見てみると、橙色が11駅(同7.1%)、赤色が4駅(同2.6%)、桃色が3駅(同2.0%)で、全てを合わせても僅か18駅に留まっている。

ランキング上位駅のうち大阪エリアが過半数を占める 京都エリアの5駅、神戸エリアの4駅とは大差

2021年に最もリセールバリューが高かった駅はJR大阪環状線「天王寺」の152.5%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて5割以上も値上がりしていた計算になる。新築分譲時のマンション価格は坪194.6万円で、同じく大阪市中心部に位置する「梅田」(212.9万円)や「四ツ橋」(213.1万円)よりも1割ほど割安な水準であった。元々、文教エリアとして地元住民から高い居住ニーズを有していたが、2014年に商業施設「あべのハルカス」が開業し、その後も公園やレジャーが楽しめる生活利便施設などの整備が進んだことを受けて幅広い世代から支持を集めるようになり、築後10年を経た価格は坪100万円以上も上昇して近畿圏で最もリセールバリューが高い駅となった。ランキング上位30駅のうち過半数に相当する16駅が大阪エリアで占められており、その多くは市内を南北に伸びる大阪メトロ御堂筋線・四つ橋線の周辺、もしくは前出の天王寺エリアに該当する。この他、京都エリアからは「四条」「二条」など5駅、神戸エリアからは「神戸三宮」「県庁前」など4駅がそれぞれランクインしており、京阪神エリアを含む2府1県以外からは滋賀県の「南草津」が唯一登場してきている。

中古マンションのリセールバリュー(価格維持率)について

施工から10年間が経過した分譲マンション(本調査ではサンプル数を確保するために築後9年~11年の物件)のうち、現在中古流通している物件を抽出し、分譲当時の価格と現在の価格から算出した指数。

リセールバリュー(%) = 中古流通時の価格 ÷ 新築分譲時の価格 × 100
なお、専有面積30㎡未満、事務所・店舗用のユニットは集計から除外している。また、駅毎で数値を算出するにあたっては一定以上のサンプル数を有する駅に限って掲出している。

当記事出典

当記事は株式会社東京カンテイ「カンテイアイ特集(2022年5月9日配信)」の情報を元に掲載しております。 当記事に掲載されている文書の著作権は、出典元である東京カンテイに帰属します。 掲載されている文書の全部または一部を無断で複写・複製・転記等することを禁止します。 また、当記事への直接リンクは固くお断りいたします。