2020年 築10年中古マンションのリセールバリューについて調査・分析

東京カンテイが、分譲マンションにおいて、新築時と築10年時での価格を基に"維持率"を駅毎に算出し、現況や傾向などについて調査・分析しました。
2020年にリセールバリューが最も高かった駅は「代官山」164.3%、「名古屋」123.0%、「烏丸」184.1%でした。

築10年中古マンションのリセールバリューについて調査・分析

首都圏平均は101.9%で前年から7.6ポイント上昇

新築・中古マンションの平均坪単価の変化

2020年における首都圏の平均リセールバリュー(以下「RV」)は101.9%で、前年から+7.6ポイントと大きく上昇した。この要因はグラフの通り、新築に比して中古平均坪単価(築10年)が大きく上昇したためである。2020年はコロナ禍の影響で新規供給戸数が大幅に減少したものの、旺盛な住宅需要が中古市場に流れ込む状況となった。その結果、中古マンション価格が大きく上昇し、築10年時の資産価値は新築時を上回る水準となった。
本調査の対象になった412駅の内訳を見ると、RV100%以上を示す青色は214駅(シェア51.9%)で最多、次いで高い維持率を示す緑色は105駅(同25.5%)、橙色は67駅(同16.3%)、赤色は16駅(同3.9%)、桃色は10駅(同2.4%)となっている。青色と緑色の合計シェアは77.4%にも及ぶことから、首都圏においては高いRVを示す駅が大部分を占めていることがわかる。続いて下の路線図で分布の傾向を見ると、青色や緑色の駅はJR山手線の内側やその周辺に集中しているのに対し、低いRVを示す赤色や桃色は都下や郊外エリアを中心に分布する様子が確認できる。このことから、首都圏ではコロナ禍においても都心部や通勤アクセスに優れた都心近郊のニーズが引き続き高い傾向にあると言える。

首都圏 駅別 築10年中古マンションのリセールバリューランキング2018

上位駅のほとんどを23区の駅が占めるJR山手線の内側や城南エリアの駅が多数

2020年に首都圏で最もRVが高かった駅は東急東横線「代官山」の164.3%となった。築10年時の中古流通価格は新築分譲時に比べて6割以上も値上がりした計算になる。新築時の分譲坪単価は平均420.7万円と立地相応に高額であったが、2013年に東急東横線が東京メトロ副都心線と相互直通運転を開始したことや、渋谷エリアで進行中の大規模再開発によって代官山エリアの利便性が大きく向上し、資産価値を大幅に上昇させる結果となった。隣駅の「中目黒」(16位)についても同様の要因で高いRVを示したとみられる。
この他のランキング上位駅について見ると、そのほとんどがJR山手線の内側や城南エリアに集中していることが確認できる。東京23区以外の駅では3位にJR根岸線「桜木町」がランクインするのみである。2020年の首都圏においては”職住近接”トレンドが依然として続いており、例年通り都心部や都心近郊に位置する駅が高く評価され、資産価値が大きく上昇する結果となった。コロナ禍の影響でテレワークが普及し、郊外ニーズが増加する動きなども一部でみられたものの、上位30駅にランクインするほど資産価値を上昇された駅は表れなかった。

首都圏 駅別 築10年中古マンションのリセールバリューランキング

※相場坪賃料は、最寄駅から徒歩10分以内で築10年~20年の物件からの募集賃料を基に集計
※表面利回りは、「新築分譲時の平均坪単価」と「相場坪賃料」から算出
※リセールバリューが同値の場合は、小数点第2位以下を参照し順位に反映している

中部圏平均は91.7%で前年から5.8ポイント上昇

新築・中古マンションの平均坪単価の変化

2020年における中部圏の平均リセールバリュー(以下「RV」)は91.7%で、前年から+5.8ポイントと大きく上昇した。この要因はグラフの通り、新築に比して中古平均坪単価(築10年)が大きく上昇したためである。コロナ禍の2020年においてもマンション市場の勢いは衰えず、旺盛な住宅需要が中古市場にも流れ込む状況となった。その結果、中古マンション価格が大きく上昇し、築10年時の資産価値は前年の水準を大きく上回る結果となった。
本調査の対象になった73駅の内訳を見ると、青色は15駅(シェア20.5%)、緑色は23駅(同31.5%)、橙色は26駅(同35.6%)で最多、赤色は8駅(同11.0%)、桃色は1駅(同1.4%)となっている。高いRVを示す青色と緑色の合計シェアは52.0%であり、全体の7割以上を占める首都圏や近畿圏には及ばないものの、前年(24.4%)から倍以上に急拡大した。これらの駅は下の路線図から、名古屋市の中心部に多く分布していることが確認できる。このことから、中部圏ではコロナ禍においても名古屋駅や栄駅へのアクセスに優れた駅のニーズが引き続き高い傾向にあると言える。

2020年 中部圏 リセールバリュー

リセールバリュー100%以上は名古屋市中心部の駅や名古屋駅・栄駅にダイレクトアクセスが可能な駅

2020年に最もリセールバリューが高かった駅はJR東海道本線「名古屋」の123.0%で、築10年中古流通時のマンション価格が新築分譲時に比べて2割以上値上がりしていた計算になる。各駅でのRVが圏域平均に収斂する傾向となる中で、RVが100%以上となったのは上位15駅までであり、そのほとんどが名古屋駅や栄駅に至近もしくは短時間でダイレクトアクセスが可能な駅となっている。これらの駅で資産価値が大きく向上した要因は大きく二つ挙げられる。一つめは、名古屋市の中心エリアで大手デベロッパーによる新築マンションの供給が活発に行われてきたことで新築価格が大幅に上昇し、中古価格も連れ高となっていることである。二つめは、リニア中央新幹線開業に向けた名古屋駅周辺の大規模再開発による期待の高まりである。これらの要因から、名古屋市の中心エリアでは実需・投資の両ニーズが年々高まり、高い資産価値を保つ結果となっている。
この他のランキングについて見ると、RVが100%を下回る16位以下については郊外立地に位置する駅は散見される程度であり、基本的には名古屋市中心部もしくはその近郊の駅であることがわかる。

中部圏 駅別 築10年中古マンションのリセールバリューランキング

※相場坪賃料は、最寄駅から徒歩10分以内で築10年~20年の物件からの募集賃料を基に集計
※表面利回りは、「新規分譲時の平均坪単価」と「相場坪賃料」から算出
※リセールバリューが同値の場合は、小数点第2位以下を参照に順位に反映している

近畿圏平均は101.1%で前年から7.1ポイント上昇

新築・中古マンションの平均坪単価の変化

2020年における近畿圏の平均リセールバリュー(以下「RV」)は101.1%で、前年から+7.1ポイントと大きく上昇した。この要因はグラフの通り、新築に比して中古平均坪単価(築10年)が大きく上昇したためである。2020年はコロナ禍の影響で新規供給戸数が大幅に減少したものの、旺盛な住宅需要が中古市場に流れ込む状況となった。その結果、中古マンション価格が大きく上昇し、築10年時の資産価値は首都圏と同様に新築時を上回る水準となった。
本調査の対象になった180駅の内訳を見ると、RV100%以上を示す青色は86駅(シェア47.8%)で最多、次いで高い維持率を示す緑色は46駅(同25.6%)、橙色は29駅(同16.1%)、赤色は11駅(同6.1%)、桃色は8駅(同4.4%)となっている。青色と緑色の合計シェアが73.4%にも及ぶことから、近畿圏においては高いRVを示す駅が大部分を占めていることがわかる。続いて下の路線図で分布の傾向を見ると、青色の駅は主に京阪神エリアに分布しており、特に各都市の中心部に集中する様子が確認できる。このことから、近畿圏ではコロナ禍においても引き続き“職住近接”ニーズを満たす駅が高く評価されているとともに、インバウンド需要に頼らずとも高い資産性を維持したと言える。

2020年 関西圏 リセールバリュー

ランキング上位駅の約半数を大阪エリアが占める京都エリアは9駅で前年から3駅増加

2020年に最もRVが高かった駅は阪急京都線「烏丸」の184.1%であった。築10年時の中古流通価格は新築分譲時に比べて8割以上も値上がりした計算になり、首都圏でトップだった「代官山」(164.3%)を大きく上回る水準となった。この他にも京都エリアからは「京都河原町」や「烏丸御池」など全部で9駅が上位30駅にランクインしており、インバウンド需要がほぼ無くなった2020年においても、根強い住宅需要が存在することを確認できる。京都市は街の歴史的価値を保つため厳しい建築規制が設けられており、マンション開発が抑制される環境にある。そのため、住宅需要が供給を上回ることも珍しくなく、築10年を経過していても資産価値を大幅に上昇させたとみられる。
この他のランキングを見ると、上位30駅のうち14駅は大阪エリアで占められ、そのほとんどがJR環状線の内側に位置することが確認できる。これらの駅は商業エリアの色合いが強く、かつては居住エリアとしてさほど人気を集めていなかった。そのため、立地優位性や交通利便性が良好な割に新築分譲時の坪単価が200万円を下回ることも珍しくはなかったが、その後の駅前再開発などによって生活利便性が向上したことで“職住近接”を可能にする新たな居住エリアとして認知されるようになり、中古流通時のマンション価格も大幅に上昇する状況に至っている。

関西圏 駅別 築10年中古マンションのリセールバリューランキング

※相場坪賃料は、最寄駅から徒歩10分以内で築10年~20年の物件からの募集賃料を基に集計
※表面利回りは、「新築分譲時の平均坪単価」と「相場坪賃料」から算出
※リセールバリューが同値の場合は、小数点第2位以下を参照し順位に反映している

中古マンションのリセールバリュー(価格維持率)について

竣工から10年間が経過した分譲マンション(本調査ではサンプル数を確保するために築後9年~11年の物件)のうち、現在中古流通している物件を抽出し、分譲当時の価格と現在の価格から算出した指数。

リセールバリュー(%)=中古流通時の価格÷新築分譲時の価格×100

なお、専有面積30m2未満、事務所・店舗用のユニットは集計から除外している。また、駅毎で数値を算出するにあたっては一定以上のサンプル数を有する駅に限って掲出している。

当記事出典元

当記事は株式会社東京カンテイ「カンテイアイ特集(2021年5月6日配信)」の情報を元に掲載しております。 当記事に掲載されている文書の著作権は、出典元である東京カンテイに帰属します。 掲載されている文書の全部または一部を無断で複写・複製・転記等することを禁止します。 また、当記事への直接リンクは固くお断りいたします。

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