これだけは覚えておこう!サラリーマンのための初めての不動産投資

関連書籍やネット情報の増加に比例して、興味を持つ人が増えている「サラリーマンの不動産投資」。成功するためにはどんな点に注意すべきか。ご自身も2000年頃から不動産投資を続けている専門家に話を伺い、ポイントをまとめました。

これだけは覚えておこう!サラリーマンのための初めての不動産投資

その一:不動産投資に適しているサラリーマンはこんな人

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株などの金融商品のような派手さはないが、月々の家賃収入で、堅実にコツコツとお金を貯めたいと志向する人に向いていると言えます

「何と言っても“コミュニケーション力”を持っている人です。不動産投資は金融商品と違ってコンピュータの操作で完結するわけではありません。
物件の質や立地に注目しがちですが、それ以前に不動産仲介会社、金融機関、入居者、管理会社……これら様々な人とのコミュニケーションを通じて地道に不動産投資を続けていくことが成功につながります」(北野さん、以下コメントはすべて同じ)。

その意味では、営業職に就いている方には比較的向いているのかもしれない、とのこと。ただし特別な力は必要なわけではなく、普通に社会人として仕事をしていられる人なら大丈夫だそうです。

その二:サラリーマンが不動産投資に向いている理由

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時間がないサラリーマンでも、メール、電話などを駆使すれば不動産投資には挑戦しやすい

「まずは融資の受けやすさ。本業での安定収入が期待できるため、一般的には銀行からの融資が認可されやすいことが挙げられます。
次に、さほど時間を割かなくてもできること。例えば株などの金融商品は、刻々と値が変わるので頻繁にウォッチしていないと気になって仕方がなく、中には、本業がおろそかになる方もいらっしゃいます。
しかし、不動産投資は賃料が目まぐるしく変化することもなく、保有戸数が多くなければ本業に支障をきたす心配はあまりありません。特に一住戸単位の区分所有の場合、入居者が住んでいる間はさほど忙しくなることもないため、本業を持つサラリーマンには向いているといえます」

さらに、将来的に公的年金受給の開始や金額減が不安視されるいま、安定的に家賃収入が入ってくれば私的年金として計算できる点も人気の理由です。

その三:サラリーマンにお薦めの収益物件

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都市部で駅に近い単身者向きワンルームなどは入居者が付きやすくリスクが低い。ただしエリアによっては価格も高くなる

資金にあまり余裕がない人は、単身者向けワンルームなど、価格の比較的安い物件というのもひとつの選択肢です。この場合は、単身者が多く暮らす都市部のエリアで、なおかつ駅から徒歩5分~10分圏内とアクセスが良く、深夜営業のスーパーが近いなど生活利便性に優れている物件が理想的。
そうした条件なら入居者は付きやすく、空室リスクを避けやすくなるからです。

「こうした物件を見つけ、購入するための第一歩は物件情報を持っている仲介会社へのアプローチから始まります。あらかじめ、年にどのくらいの利益を得たいと考えているか/エリアはどのあたりか/自己資金はどのくらい用意できるか/自分の年収はどのくらいかといった条件を整理しておくと仲介会社との最初の折衝がスムーズに進むでしょう」

その四:サラリーマンの不動産投資、注意点は

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“表面利回り”ではなく“実質利回り”こそがポイントに

「家賃収入すべてが自由に使える利益である、とは考えないようにしてください。というのは、仮に新築物件でも、築年数が経過すれば住宅設備や内装などが徐々に傷み始め、修理を要するトラブルなどが発生するためです。その費用を常にキープしておかなければなりません」

仲介会社が用意している物件情報には、年間にどのくらいの収入が見込めるかを示す「利回り」が付いていますが、あれはあくまで“表面利回り”。
数式では、

年間の家賃収入額÷不動産の取得価格×100

しかし、これで算出される金額だけをうのみにしてはいけません。物件購入後にはさまざまな支払が発生するからです。
具体的には、将来的な物件の修繕に充てる修繕積立金、通常の管理費、固定資産税、都市計画税などの税金、住宅ローンの支払い利息などの諸経費となります。これを差し引いた“実質利回り”こそが、不動産投資で得られる収入のベースとなります。購入後、大体どの程度の諸経費が発生するのかは仲介会社に目安を教えてもらえますので、しっかりヒアリングしてください。

「家賃収入は楽観し過ぎないことも必要です。例えば現在8万円だった場合、この先も継続的に8万円を維持できるとは限りません。物件が古くなれば家賃を下げざるを得ない場合が出てきますし、近くの新築物件が相場より家賃を低く設定することも考えられます。もちろんこれはあくまで仮の話であり、さほど下げずに済むケースもあります。
要は、家賃が下がる可能性をふまえて資金計画を立てる心構えが必要ということです。計画性についてさらに言えば、第三者任せにせず、ご自分で収支を管理することをお薦めします。そうすることで不動産投資の流れがつかみやすくなりますし、経営の感覚が身に付きやすくなります」

その五:サラリーマンの不動産投資、「流れ」をおさらい

最後にサラリーマンの初めての不動産投資のフローをおさらいしておきましょう。

(1)目標設定

月々いくらくらいの収入が欲しいか、という目標を決めましょう。そうすることで買うべき物件のタイプ(例:区分なのか一棟なのか)が分かり、自己資金と融資額のバランス、家賃収入のうち、どのくらいの割合をローン返済に充てられるかなど、資金に関する条件整理がしやすくなります。併せて、エリア/自己資金額/年収 などの基礎情報も整理しておきましょう。

(2) 不動産仲介会社を選ぶ

インターネットや新聞折り込みチラシなど、最初はできるだけ多くの会社、物件情報を比較検討し、自分の理想とする条件に近い会社をピックアップしていきます。

(3) 資金調達

ほとんどの方が金融機関からの融資を利用するはず。仲介会社から紹介されるケースが一般的です。

(4) 現地確認、証明書の提出、ローン事前審査

候補物件が見つかったら現地へ行き、中古の場合は、外観、室内、共有部分、周囲の住環境、修繕履歴などをチェック。新築の場合も住環境チェックは怠りなく。その後、物件によって異なりますが、買付証明書、あるいは購入証明書(※)などを提出し、購入の意思表示を行います。また、融資の事前審査もこのタイミングあたりからスタートします。
※売主側に対して「この物件をここに書いた条件で購入したい」という意思をあらわす書面

(5) 重要事項説明、売買契約、手付金の支払い

宅地建物取引士による物件の重要事項説明、売買契約を結び、手付金を支払います

(6) 残金の支払い

金融機関の融資が決まれば、売主に不動産代金の残金を支払います。

(7) 入居者募集、管理

入居者募集や管理は、一般的には入居者募集等の賃貸仲介を行う不動産会社、マンション管理会社などが行ってくれます。管理は自分で行う、あるいは管理会社に任せる、いずれでもOKですが、例えば区分所有の場合、住戸内の不具合などは自分で修理業者を頼むなどの対応を行えば、手間がかかる半面、管理会社に頼む経費は節約でき、不動産投資の実際を理解することにも役立ちます。時間が捻出できる人ならトライしてもいいかもしれません。

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