メンテナンスしやすい住宅

快適な住まいの条件は、立地や広さ、日当たりや風通し、耐震性や断熱性、防犯性や遮音性、清掃性や利便性など、人によって様々です。入居後に不満につながりやすいのは、購入前の物件書類を見ただけでは分からない、暮らしてから分かる設備や内装材に対することの方が多いようです。なかでも「掃除がしにくい、すぐ汚れる、すぐ壊れる」など掃除や修理、交換などのメンテナンス面の問題は、代表的な不満の1つと言えます。そこで時間や費用の負担が少なくメンテナンスしやすい住宅を選ぶために、築古の中古住宅ならではの既存設備のチェック方法や、リノベーションする際に知っておきたい人気設備をご紹介します。

メンテナンスしやすい住宅

中古住宅でチェックしたい既存設備

築古物件で気を付けなければならないのが、配管や電気、給湯器です。
配管は、1998年以降はステンレス鋼管やポリエチレン管が使われていますが、それ以前では、鉄管や鉄管に塩化ビニル樹脂をコーティングした配管が使用されていました。そのため、錆や腐食が発生している可能性が高いので、配管への処理が行われているかをチェックしましょう。マンションでは共用部であれば高圧洗浄など管理組合の今後の方針確認、専有部であれば「フルリノベーション済」とうたっていても配管交換までしているか確認してみましょう。

配管
ブレーカー

電気については、配線経路と容量の確認が必要です。共働き世帯が増え、家事の負担を軽減してくれる時短家電や、プロ仕様並みの調理家電などが人気で、特にキッチン周りの電気消費量は昔に比べて格段に増えています。築古物件ではキッチン用回路が1つというケースがあり、キッチンで電気を集中的に使ってしまうと、ブレーカーが落ちてしまう可能性があります。

最近の分電盤では、冷蔵庫用や電子レンジ用など細かく回路を分けてブレーカーを用意するのが一般的となっています。中古住宅を購入してリノベーションする際には、分電盤を確認し、回路を小分けにしてもらうことをお薦めします。また、電気消費量については、家族構成や暮らし方によるので一概には言えませんが、築古物件でよく見かける30Aでは足りない家庭も多くなっているそうです。エアコンやキッチン家電の増加だけでなく、リモートワークの定着に伴い、パソコンやモニター、スマートフォンなど書斎周りの家電も増えているので、自分達の暮らしに必要な電気消費量を確認しましょう。契約容量の変更時には料金が変わるので、マンションの場合はマンション全体で使える電気容量が決まっており、容量を増やせるかどうかも確認が必要です。

IOT
家具

給湯器については、お風呂やキッチンのお湯だけでなく、最近は浴室乾燥機や床暖房などに使用するケースもあります。給湯器の耐用年数は通常10年~15年で、築古の物件であれば、前の所有者が途中で交換していることもあるので、内覧の際などに年式を確認し、10年以上経っているものについては、交換の可能性があることを念頭に置いておくとよいでしょう。

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

リフォーム時に検討したい人気の設備・内装材

給湯器交換を行うなら、浴室やキッチン、床暖房などに使用する湯量に合わせたサイズを選ぶだけでなく、機能にも注目して選びましょう。「帰ったらすぐ温かいお風呂に入れたらいいのに」と思ったことがある人も多いと思いますが、Wi-Fi対応の給湯器リモコンを選べば、スマートフォンでお風呂の湯はりを指示することができます。最近はエアコンや照明などの家電もスマートフォンで遠隔操作できるIoT住宅化が進んでいますので、利便性を求める人は検討するとよいでしょう。

キッチンでの家事負担を減らしてくれるのが、食器洗い乾燥機です。忙しい主婦の食後の家事負担を減らすだけでなく、節水や除菌もできるので人気です。リノベーションするのであれば、キッチンにビルトインすることで作業スペースを狭めることなく使えるのでお薦めです。耐用年数は10年程度ですが、洗剤の入れすぎなど使い方が悪いと故障することもあるので、取扱説明書をしっかり読んで適度に清掃をしながら使いましょう。

内装材の代表格であるフローリングやビニルクロスにも、メンテナンス性を重視した商品が数多く出ています。例えば「ノンワックス」「ワックスフリー」と表示されたフローリング材。もともと表面に汚れや傷に強い特殊加工がされているため、定期的なワックスがけが必要ないのが魅力です。また、汚れが付きにくく、抗菌性や耐薬品性の優れたビニルクロスは、「ウレタンコート」「スーパーハード」等と表示されていますので、メンテナンスを軽減したい人は選択肢に入れるとよいでしょう。

出典:ワックス不要なフローリング加工の仕組み 大建工業株式会社

設備機器の進化はめざましく便利な製品が増えましたが、本来の機能を長く使えるように、また、デザイン性ばかりではなく清掃性の良い内装材で日々のお手入れストレスから解放されるように、自分たちの暮らしに適した性能を検討して、住宅購入やリノベーション時には、ぜひ参考にしてみてください。

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

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