快適新生活のためのインテリア計画~リノベーション編~

念願の新居を購入。といっても、最近では中古住宅を購入し、自分たちでリノベーションを実施する人も増えてきました。“カスタマイズする”という文化が定着してきたことも要因にあるのでしょうが、一般的に同じ立地や建物条件であれば安く購入しやすいとされる中古物件に、本当に自分たちに必要なものを付加する方が魅力的だという考え方が広まったことにあるのではないでしょうか?そこで、中古物件リノベーションを検討する際のポイントを、いくつかご紹介します。

快適新生活のためのインテリア計画 ~リノベーション編~

最も重要な“工事業者選び”のポイントは?

まずは工事業者選びです。インターネットなどでいくらでも業者を探せる時代ですが、工務店・リフォーム業者・設計デザイン事務所など、リノベーション内容や場所によって依頼すべき業者が変わります。例えば、設備を刷新したいだけであれば専門のリフォーム業者、間取り変更を伴うフルリノベーションであれば、大工・設備・電気・内装などをまとめて依頼できる工務店や一括リフォーム業者、デザインにこだわりたいのであれば設計デザイン事務所経由でそのデザイン性を理解する工務店を紹介してもらう、といった具合に、目的に応じて最適な業者を選びましょう。また、物件仲介や売主だった不動産会社に業者を紹介してもらうという方法もあります。現場打合せと物件引渡しの日程調整で融通がきいたり、同じマンションの他住戸を工事した経験があるなどのメリットがあります。

また、相見積りは金額比較だけではなく明細項目の挙げ方で、こちらの要望を理解しているか、適正な材料や工事作業であるかも読み取ることができます。さらに自分にとってわかりやすい見積りかどうかは、工事中のやりとりのスムーズさにも反映されることを覚えておきましょう。管理面でも、近隣住民への挨拶や、マンションであれば管理規約や管理組合への申請など細かいフォローまでしてもらえるかの確認も大切です。相見積りや現場調査といった初期段階で、信頼できることに加えて意思疎通のとりやすい業者であるかを見極められると、その後のストレスが軽減されます。

工事業者イメージ
解体現場

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

インテリアコーディネーターが考えるリノベーションポイント

(1)間取りを変えるなら、今を楽しむか、可変性か

家族構成で決まる「部屋数」、家具配置が決まってしまう「部屋の広さと形」、生活動線に影響する「部屋の配置」など、新築ではないため制限も多い中で、なかなか優先順位をつけるのは難しいものです。その際の判断基準に「今を楽しむ」か「長くそのまま暮らす」かを加えて考えましょう。前者であれば、思い切ってLDKを広くしたり、趣味のための部屋やコーナー、設備などを贅沢にしてもいいでしょう。後者であれば、家族の人数変更に合わせて可変しやすいように、間仕切りドアで個室を増やせるようにしたり、収納はフレキシブルに使える納戸や可動棚を取り入れることをお薦めします。

(2)デザインにこだわる時に気を付けたいこと

せっかく自分の好きなように自由にリフォームができるのだからデザイン最優先で!というのもいいのですが、一般住宅であれば暮らしやすさとのバランスも考慮しなければなりません。希望イメージを写真で工事業者に伝えるのは、わかりやすいのですが「何にこだわってこのイメージなのか」「どこまで優先すべき点なのか」を必ず明確に伝えましょう。

中古物件ならではの、変えられない構造や見えない配管経路など、工事業者の説明を聞き、工事を進めながら、検討しなければならないのがリノベーションの難しさであり醍醐味です。例えば、「天井が高く吹抜のようなLDK」の画像をイメージとして渡し、業者から「天井を高くするにも限界があり、梁型が不格好に出てしまう」と言われたら、(例えば)「北向きのLDKで暗く狭く感じるのをどうにかしたくて、他に良い方法は?」と希望を伝えてみましょう。そうすると「天井はフラットな方が変な影ができない」「掃出し窓側の床を明るくして外光を反射して採りこむ」「間接照明で天井を照らして明るく見せる」などの提案が出てくる可能性があります。イメージに固執し過ぎずプロの意見も取り入れた方が、本当の意味でオリジナリティを出せるのではないでしょうか。

窓際床明るく
間接照明

(3)見落としがちな高さ方向

新築同様に、間取り変更があれば平面図は必ず確認すると思いますが、展開図(壁面を表した図面)は特に書かないと言われることもあるかもしれません。しかし先述したような天井の高さや梁の出方が現況と異なる場合や、カウンターや吊収納などを造作する場合は、部分的にでもイメージできるような図を確認させてもらう方が間違いないでしょう。それと併せて、スイッチやコンセントなどの位置もきちんと確認しましょう。オーソドックスな位置以外に、カウンター上のコンセントや壁掛けTV用コンセントの位置、カーテンレールとエアコンの位置関係、タオル掛けの高さまで、平面図ではわかっていたつもりで見落としていたことが見えてきます。

吊戸造作・壁掛TVコンセント

“アフター/withコロナ”のお家づくり

コロナ禍により生活や考え方すべてが変わりつつある今、インテリアも「ウイルス対策」「リモートワーク」「お家時間の充実」などの観点から様々な商品や素材、間取りプランが考えられています。抗ウイルス加工の内装材が見直されたり、玄関から居室までの動線の中で手洗いがしやすいようにホールに洗面ボウルを設けるプランも目に留まるようになりました。また、書斎やワーキングスペース用のカウンターを設置したり、場所をとらずに映画などを楽しむためにスピーカーやプロジェクター機能付照明を取り入れるなど、公私ともに充実させられる工夫を検討する人が増えています。せっかくリノベーションをするのであれば、これらを取り込みながら安全+快適さを追求していきたいものですね。

リノベーション技術が進歩して、設備や内装材も「リフォーム対応」の優れたものが増え、仕上りも新築同様に見えるようになってきました。反面、出来ないことや解体してみないとわからないことがあるのは変わりませんから、自分のやりたいことを明確にしつつフレキシブルに対応し、信用できる工事業者と一緒につくり上げることも含めて楽しんでいただきたいと思います。

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

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