違いを押さえて賢く選択~新築マンション・中古マンション5つの違い~

新築マンションと中古マンションの違いを問われて、大半の人が連想するのは「新築は新しいけど高い」「中古は安いけど古い」ではないでしょうか。しかし、両者の違いはほかにもあります。
今回は、新築と比較した場合の中古マンションの特徴について、5つに大別してご紹介していきます。

※記事内の写真はすべてイメージです

新築マンションVS中古マンション

【価格】基本的には中古のほうが手ごろだが、例外も

広さや立地などの条件が似通っていれば、設備や仕様などが新しい新築より中古のほうが手ごろになります。ただし、新築が築1年未満で誰も入居したことのない物件に限られるのに対し、中古は「新築以外のマンション」といいかえることができます。新築に比べて中古がどの程度安くなるのかは、築年数やエリアによって程度が違ってきます。
例えば、駅近の大規模再開発物件や人気の住宅街にある物件など、希少な条件を満たした中古マンションの場合、最寄駅が同じでも、後から分譲された新築マンションより価格水準が高いケースもあります。
そこで参考にしていただきたいのが、下のグラフと表です。グラフは、首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)のマンションを対象に、70m²換算平均価格を築年別に集計したものです。基本的に新しいほど高額に、古いほど低額になる傾向を読み取れますが、新築より築5年未満の中古マンションのほうが高くなっています。これは、投資目的で好立地物件を厳選して購入し、早い段階で売却する事例が多く含まれるためでしょう。表では、対象地域を狭めたデータを示しましたが、エリアによって価格差の程度に違いがあることが分かります。

首都圏マンション 築年別70㎡換算平均価格
首都圏マンション 築年別70㎡換算平均価格

【購入時の諸費用】仲介手数料があるぶん、中古が高め

新築・中古を問わず、マンションを購入する際には、印紙税や登録免許税、ローンの手数料、団体信用生命保険料といった諸費用が必要になります。諸費用の目安は、新築なら物件価格の3~5%、中古なら物件価格の5~8%といわれています。
差が生じる主な要因になるのが、中古にかかる仲介手数料です。これは、物件探しをサポートし、売主との間をとりもつ不動産仲介会社への報酬です。仲介手数料の設定は、不動産仲介会社によって異なりますが、法律で上限が定められています。上限額を概算する際は、以下の数式で算出してください。

(物件価格の3%+6万円)+消費税=仲介手数料

仮に中古マンションの価格が3000万円だった場合、上の数式に当てはめると仲介手数料は税込みで105万6000円。購入諸費用のなかでも、かなり大きなウエイトを占めることが分かります。
なお、新築の購入諸費用のなかにも、新築だけにかかるものがあります。「修繕積立金基金」と呼ばれるもので、将来の大規模修繕に備えるためのお金です。金額は物件によって異なりますが、20万円~30万円というケースが多いようです。

【物件の探し方】中古はピンポイントでも探しやすい

物件探し

同時期に比較検討できる新築の開発プロジェクト数には限りがあります。このため、必ずしも自身が住みたいと思っている特定の駅周辺や鉄道沿線に候補物件を見つけられるわけではありません。購入を検討し始めた当初段階は、通勤先など、起点となる場所から「1時間圏内」「30分圏内」といった形で候補エリアを広くとらえる必要があります。そのうえで、インターネットや住宅情報誌、新聞折込チラシなどで物件情報を集め、候補を絞り込んでいくことになります。
一方、中古の件数は新築より圧倒的に多いため、基本的には最初から駅や鉄道を決めたうえで探すことができます。個人でもインターネットなどで情報収集できますが、不動産仲介会社にサポートしてもらうといいでしょう。立地や広さ、予算などの条件を不動産仲介会社に伝えておけば、希望に見合う物件情報を提供してくれます。候補が多すぎて取捨選択に迷ってしまうという事態を回避できますし、インターネットや情報誌に公開されていない物件情報を提供してもらえるなど、さまざまなメリットを期待できます。
なお、新築の場合は、同じマンション内に複数の候補住戸があるため、よほどの人気物件でない限り、ある程度検討に時間をかけられます。これに対し、中古は基本的に1住戸単位で売りに出されているため、早めに決断しないと成約済みとなってしまうことも考えられます。この点も念頭に置いて臨みましょう。

【見学方法】中古は実物を見ることができる

物件探し

中古の場合は売りに出されている住戸を実際に見ることができます。特に、眺望や日当たりを自分の目で確かめられるのは大きな安心材料だといえるでしょう。
一方、新築マンションは建設中から販売を始めることが多いため、モデルルームで建具や設備類を見て、後は間取図から想像で補うのが基本です。ただし、同じ新築でも完成済み物件の場合は、中古同様、実際の住戸を自身の目で見ることができます。
なお、マンション全体の管理状況を確認できるのも、中古の強みです。共用部が清潔にルールを守って使われているかどうかなどを自身の目で確かめられますし、理事会の開催頻度や管理組合の取り組み内容についても、ある程度調べることが可能です。
半面、中古では管理組合やコミュニティに途中から加わることになるので、自身を受け入れてもらうための積極性や努力も必要になります。全世帯がほぼ同時期に入居する新築のほうが、自然に人間関係を築いていきやすいといえます。

【設備・仕様】基本的には機能や大きさなどが新築に劣る

当然ながら、新築には、計画時点で最新の設備や仕様が採用されます。特に設備機器は日進月歩で進化していますから、エアコンや給湯器の機能、省エネ性能などは、基本的に中古より優れているといえるでしょう。また、ユニットバスや洗面台は、新しい物件ほど大きめのサイズが採用される傾向にあります。中古を購入したうえでリフォームやリノベーションを施す場合は、設備や仕様を新築に近づけられるということも念頭に入れて検討しましょう。

●価格面以外の違いも踏まえて最適な選択を

予算は、住まい購入における重要な条件のひとつですが、価格面だけで最初から中古に限定してしまうのは考えものです。予算と同じくらい大切なのは、自身や家族が思い描くライフスタイルを実現できるかどうか。新築と中古の違いやメリット・デメリットをしっかり把握した上で、自身にとって最適な住まいはどちらかという視点で比較検討してみましょう。

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