ライフプランシミュレーション

ケース5 シングル

今回はケース5として、「シングル女性」の場合を考えてみます。
最近はライフスタイル多様化の影響もあり、シングル女性でもマイホームとしてマンションを購入することが増えてきています。将来結婚するかどうかまだわからない場合であっても、社会人生活が一段落する30代くらいになると、「早めに自宅が欲しい」、「結婚することになれば売却か賃貸に出せば良い」という方も少なくありません。
特に都心部に住んでいると毎月支払う家賃が高くなることも多く、「であれば購入した方が・・・」と考える傾向があるようです。
今回は、以下のモデルを前提として話しを進めましょう。

シングル

「シングル」の想定モデル

  • 家族構成:女性(会社員)34歳
  • 年収:税込550万円(手取り440万円)、毎年1%上昇
  • 現在の貯蓄:650万円
  • 年間の生活費:200万円(住居費除く)、毎年1%上昇
  • レジャー費:毎年30万円を予定
  • 60歳で退職、退職金1,600万円
  • 65歳からの年金:月13万円

2,800万円の住宅を購入した場合の家計収支試算グラフ

こちらの女性が2,800万円のマンションを以下条件で購入したとして、家計収支を試算してみます。

住宅購入条件(住宅ローン使用)

  • 自己資金450万円(頭金300万円、諸経費150万円)
  • 借入金額2,500万円、金利1.8%、期間30年、元利均等返済
  • 年間返済額107.9万円(月9万円)
  • 年間維持費(税金、管理費、修繕積立金)40万円

試算結果からわかる、注意するべきライフイベント

家計収支推移

家計収支推移
  1. 安定感のある現役時代

    全体を通して累積貯蓄額がマイナスになることはありません。
    シングルの場合はライフスタイルが大幅に変わることがあまりないため、安定した継続的な収入が見込めるのであれば、順調に貯蓄額が増えることが多いでしょう。
    ただし、突発的なこととして病気等で長期間働けなくなる場合が挙げられますので、備えは必要です。計画性のある家計管理で、貯蓄は常に多めに持っておきたいところです。

  2. リタイアと残債

    退職金をもらう時点での貯蓄は3,800万円程度です。ただしローンが残っていますので、それを完済すると3,500万円程度となります。
    住居関連費が月3.4万円(40万円÷12ヶ月)、その他の生活費が月15万円(※)、一方、受け取り年金が月13万円とすると、毎月5.4万円程度の不足が発生します。この不足分を貯蓄3,500万円で賄っていくことになります。ただし介護費用など突発的な支出もあることは留意しておきたいところです。

    • ※参考:総務省 2014年家計調査報告 高齢無職世帯の支出 シングルの場合、生活費は2人以上の世帯の7割程度とする
  3. 年金をもらうまでの61~64歳

    60歳で定年を迎え退職した場合、年金給付のある65歳までの間に収入の空白期間が生じます。そのため、61~64歳では貯蓄を大きく取り崩すことになることに注意が必要です。
    昨今、収入が減少したとしても働く環境があれば仕事を継続する方も増えてきていますが、収入が無くとも成り立つ計画を立てておくと安心です。

なお、上記は保守的に見て全期間固定金利1.8%で試算しています。
現在は、低利の変動金利や3年・5年等の固定金利選択型を組み合わせる方法もありますので、それぞれのご事情に合った手段を検討してください。
仮に金利が1.4%の場合、借入額2,500万円であれば年間返済額は107.9万円→102.1万円に減少します。また金利が1.4%で、年間返済額107.9万円を維持する場合は、借入額は2,500万円→2,630万円程度になります。

途中で売却した場合は・・・

シングルの方がマイホームを購入した場合、結婚などその後のライフプランが変わるタイミングで、売却や賃貸に出すことも十分考えられます。ここでは、結婚により購入後丸6年経ち(40歳時)売却した場合を想定してみましょう。

まず、6年後の残債は2,100万円程度となりますので、それ以上の価格で売れれば売却時に持ち出しはありません。(実際は手数料等もありますから、2,200万円以上とみておくと良いでしょう。)
元々、6年前の価格は2,800万円です。仮に、購入価格の95%、90%で売却できたとすると、売却価格はそれぞれ2,660万円、2,520万円で、残債2,100万円との差額が手元に残り(売却に関しての税金は考慮せず)、次のマイホームを購入する際に自己資金の一部としても使えそうです。

売却ではなく、賃貸にする選択肢もあります。
その場合は、ローン返済額+年間維持費と家賃収入とのバランスを検討します。安定した賃料が入りローン返済が賄える場合は、「資産」のひとつになる可能性もあります。
ただし、空室や将来的に家賃低下や設備の故障・修繕に関する費用、また入退去入れ替え時のリフォーム費用等も見込んでおく必要があります。

売却と賃貸のメリット・デメリット

売却と賃貸のメリット・デメリット
まとめ

シングル女性の場合、何らかの理由でご自身が働けなくなった場合など、一時的に収入が途絶えてしまうことが一番のリスクと言えます。そのことを常に意識し、貯蓄や保険での備えを考えておきましょう。
万が一の場合、また結婚などでライフスタイルが大きく変わる際、売却や賃貸に出す可能性もあると思います。基本的に、自宅を購入する際は自分が気に入ったものを優先されると思いますが、将来あるかもしれない売却・賃貸の視点も持っておくと良いでしょう。
単身者用マンションの売却・賃貸のしやすさとして重視されるものは、通勤・通学・買い物を考えた立地や利便性が挙げられますので、意識してみてください。

住宅ローンシミュレーション

購入したい物件価格から、月々の支払額を計算しましょう。

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頭金と住宅ローン返済可能額から、借入可能金額を計算しましょう。

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ライフプランを立てる際に、プラスで活用できそうな制度

最後に、住宅購入にあたりご両親などからの援助を受けられる方も少なからずいらっしゃいます。もちろん、最大限自分の力でというのが基本でしょうけれども、恵まれた環境にいらっしゃるのであれば、それを享受するのも選択肢のひとつかもしれません。

相続税や贈与税について「相続税・贈与税ガイド」にわかりやすく解説しています。何点か紹介しますのでご参考ください。

1. 要確認!消費増税に伴い、非課税額が時期により変動。

住宅取得等資金の贈与税の非課税制度をおさらい

2. 長期で考えるなら、毎年の非課税枠を活用してコツコツ贈与を受ける!

年間受贈額110万円までが非課税の暦年贈与(1との併用可)

3. 平成27年新設の制度は、結婚に係る費用などの一括贈与も非課税に!

結婚、子育て資金の一括贈与が1,000万円まで非課税

より詳しい相続税や贈与税のことはこちらをご覧ください。

相続税・贈与税ガイド

  • ※制度にはそれぞれ適用要件や、注意点がありますので、実際に利用される際には詳細をご確認ください。
  • 北野琴奈
    執筆・監修:
    ファイナンシャル・プランナー(日本FP協会認定 CFP®認定者)北野琴奈 氏
    経歴:
    1974年北海道生まれ。津田塾大学卒業後、会社員を経て独立。
    実践型FPとして家計、資産運用、不動産、賃貸経営などに関する講演、執筆、コンサルティング等を行う。
    会社員の頃、資産運用の大切さを実感し、ファイナンシャル・プランナーの上級資格である、国際ライセンスCFP®資格を取得。
    自らポートフォリオを組み、金融・不動産を含めた資産を形成・運用。実物不動産は、国内・海外含め計数十室保有。
    テレビ・新聞・雑誌等のメディア出演・取材協力多数。
    著書に、『逆算で夢をかなえる人生とお金の法則』、『はじめての人のJ-REIT 基礎知識&儲けのポイント』等がある。
本コンテンツの内容について
公開日時点(2016年11月)の法令に基づき作成しております。本コンテンツは、執筆者の知識や経験に基づいて構成しており、その内容について、当社が保証するものではありません。

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