年末の大掃除とともに戸建住宅のセルフチェックは如何?

早いものでもう年の瀬です。年の瀬と言えば大掃除も一大イベントの一つ。皆さんも年末の大掃除の計画をそろそろ立てなければと思っていらっしゃるのではないでしょうか。大掃除となれば、いつもは手をつけない場所にも目を向けてきれいにお掃除することになるわけですが、そんなときこそ自宅の状態をチェックできる最高のタイミングなのです。

セルフチェック

室内は天井を注意深く見る

日ごろ、天井をじっくり見ることはないと思いますが、大掃除のときは天井を見あげる機会もあるはず。天井は雨漏りがあると「水染み」が出ます。この「水染み」は、意識して見ないと日々の暮らしの中では気付きにくいものなので、是非チェックしてみてください。

天井の水染み

天井の水染み

天井の水染み

天井の水染み

写真のような水染みがみられる場合、雨漏りの可能性がありますので、専門家に見てもらう必要があります。

小屋裏の水染み

小屋裏の水染み

また、このように天井に水染みが見られる場合、小屋裏(いわゆる屋根裏)を覗いてみると、雨漏りの形跡が見つかる場合があります。最上階の押し入れやクローゼットなどの天井に点検口がある場合、そこから覗いてみるとよいでしょう。押し入れの天井から頭を少々出して、ライトで照らしながらスマートフォンなどで写真を撮ってみてください。写真のように屋根の下地などに染み(こげ茶色や黒っぽく変色した部分)がある場合には、屋根材がずれている、防水紙が破けているといった問題があることが考えられますので専門家に見てもらったほうがよいでしょう。

なお、小屋裏に入るのは床を踏み抜いたりすることがありとても危険ですから、小屋裏の詳細調査はプロに任せましょう。

床下の点検口があれば覗いてみよう

床下の水もれと水分を吸い上げてしまった束

床下の水もれと水分を吸い上げてしまった束

床下収納や1階にある浴室入口付近には床下点検口がついているケースがあります。もしこうした点検口があるならば、年に1度は覗いてみるとよいでしょう。床下の湿気が高いと土台などの木造構造部分の腐食やシロアリの被害を受けやすくなります。水回りの配管から水漏れが生じていたりすると、より湿気が高くなり被害リスクも高まります。

点検口を覗いてみたときにかび臭いにおいがするようであれば、湿気の原因を調べる必要があります。また、床下に頭を入れて写真撮影をすることで、水漏れなどによってできた水溜まりや木部に染みなどがないか確認することもできます。

庭掃除をするなら基礎と外壁をチェック

基礎のひび割れ

基礎のひび割れ

大掃除の際、お庭や外構部分をお掃除することもあると思いますので、その際、ついでに基礎と外壁をチェックします。基礎はコンクリートで作られた建物全体を支えるとても重要な部分です。基礎についてはコンクリート部分におけるひび割れの有無をチェックしましょう。

もし、ひび割れの幅が0.5mm以上ある場合は要注意です。コンクリートはアルカリ性で、その結果、中にある鉄筋が錆びることなく守られているのですが、ひび割れ部分から水や空気が染み込むと、アルカリ性であるコンクリートが中和されてしまいます。さらに水や空気が染み込めば鉄筋は錆びてしまいます。錆びると鉄筋は膨張し最後にはコンクリートが破損してしまうということにもなりかねません。

なお、ひび割れの幅が0.1mm未満であれば、コンクリートの乾燥による収縮で発生するヘアクラック(髪の毛ほどのひび)と呼ばれるものである可能性が高く、あまり心配はいらないと言われています。ひび割れの幅を計るにはクラックスケールという器具を使います。ホームセンターなどで数百円で売られています。0.5mmの太さのシャープペンシルの芯で計るという簡便法もありますので試してみるとよいでしょう。

モルタルが塗られた外壁もひび割れは雨漏りの原因となります。ただ、ヘアクラックであればあまり心配はいりませんが、0.3mm以上の幅がある場合には雨水が入りやすくなりますので、修繕を検討したほうがよいでしょう。

シーリング材のひび割れ

シーリング材のひび割れ

金属系や窯業系の板状のサイディングで貼り付けられた外壁は、ひび割れのチェックだけでなく、サイディングとサイティングの隙間に埋められているシーリング材(建物の防水性や気密性を保持するために継ぎ目や隙間に用いる材料)をよく見てみましょう。古くなると劣化しひび割れが発生することがあります。シーリング材は数年から10年程度すると硬化してひび割れしやすくなり、そこから雨水が浸入し雨漏りの原因となることがあります。

気になる部分が見つかったら

気になる部分が見つかったのであれば、年明けに工務店やホームインスペクター(住宅診断士)などの専門家に相談してみるとよいと思います。

劣化した部分を放置すると、思いもかけない費用がかかることもありますが、早期に発見できれば結果的に安い費用で長持ちさせることができる場合が多いものです。年末の大掃除とともに住まいのセルフチェックを行って気持ちよく年末年始を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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