2022年 中古マンションの価格乖離率&売却期間(中部圏)

東京カンテイ 中古マンションの売出・取引事例に基づく価格乖離率の最新データを公表
中部圏 2022年下期の価格乖離率は-7.50%、2期連続で拡大
売出・取引価格ともに昨年下期のピークをやや下回る水準 売却期間は4ヵ月間前後で推移

2022年 中古マンションの価格乖離率&売却期間(中部圏)

中古マンションの価格乖離率&売出→成約までの期間

中部圏における2022上期での中古マンションの一戸平均価格は、売出価格が2,595万円(前期比:-1.8%)、取引価格が2,403万円(同-2.1%)で、ともに3期ぶりに下落した。また、売出・取引事例の価格乖離率※は-7.40%で、前期から0.28ポイント拡大した。これまでは中部圏でも程度の差こそあるが“売り手市場”の様相を呈していたものの、上昇度合いは首都圏ほど強くなく、直近にかけては在庫数の増加や反響の鈍さのみならず、上値の重さも出始めている。2022年下期での中古マンションの一戸平均価格は、売出価格が2,614万円(同+0.7%)、取引価格が2,418万円(同+0.6%)と再びプラスに転じたが、直近のピークを記録した昨年下期を上回るまでには至っていない。一方、売出・取引事例の価格乖離率は-7.50%と引き続き拡大したが、その動きは首都圏や近畿圏に比べて緩やかであり、依然として7%台半ばの水準を保っている。

中部圏 中古マンションの一戸平均価格(売出・取引)

売出→成約までの期間(売却期間)を見てみると、2022年上期には4.19ヵ月、下期には3.82ヵ月と変動しながら4ヵ月間を挟んだ水準で推移し続けている。価格乖離率や売却期間は首都圏ほど良好な数値ではないが、近畿圏に比べるといずれも下回っている。また、価格高騰に伴って反響が多少鈍くなってはいるものの、その反動は比較的小さい程度に留まっている。

中部圏 中古マンションの価格乖離率および売却期間の推移

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売却期間の違いによる価格乖離率とそのシェア

中部圏における2022年の価格乖離率を売却期間ごとに見てみると、売却期間が1ヵ月以内での価格乖離率は-4.18%であった。不動産取引における専属専任媒介・専任媒介契約の有効期間である3ヵ月以内での平均は-5.27%となっており、売り出し開始からの3ヵ月間では最初の売出価格から5%程度値下げした金額で成約に至っていたことになる。また、売却期間が7ヵ月まで長期化すると、価格乖離率は-10%を超え始める。2021年の調査結果と比べて、売却期間が短い場合や9ヵ月以上では総じて価格乖離率が拡大している。

売却期間が1ヵ月以内での事例シェアは32.4%(2021年:36.6%)で、全体の約1/3が売り出し開始から1ヵ月以内で成約に至っていた。また、3ヵ月以内の累計事例シェアは57.9%(同60.2%)と6割弱を占め、売り出し開始から2回目の媒介契約の有効期間が終了するまでには全体の3/4以上に相当する76.6%(同75.5%)のケースで成約に至っていた。

中部圏 売却期間別 中古マンションの価格乖離率

次に、売却期間ごとに価格乖離率のシェア構成を見てみると、売却期間が1ヵ月以内の場合に最もシェアが大きかったのは「0%(売出価格から値下げせず成約に至っているケース)」の39.2%で、次いで「-5%以内」の28.5%となっており、前回と同じく「0%」が最大シェアとなり、僅かながら4 割目前まで拡大する結果となった。売却期間が1ヵ月以内の場合で価格乖離率が-10%を超えるケースの合計シェアは14.7%で、他の都市圏よりも大きい。一方、売却期間が8ヵ月まで長期化した場合は「-20%超」のシェアが2割前後にまで及んでくる。

中部圏 売却期間別 価格乖離率シェア(2022年)

※中古マンションの「価格乖離率」とは

中古マンションが売りに出された際の価格(=売出価格)とその物件が成約に至った際の価格(=取引価格)の差額との比率。
 

価格乖離率 = (取引価格 - 売出価格) ÷ 売出価格 × 100%


価格乖離率が正の値となるケースはごく稀であることから、負の値となるケースのみを対象としている。また、データ抽出にあたっては、所在階数や専有面積などの情報を基に住戸の特定が可能な事例について各取引事例と当該住戸から生じた売出事例の中で最も古いもの(=最初の売出事例)を突き合わせ、売出開始から成約までに要した期間が12 ヵ月以内の組み合わせのみを対象として分析している。

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当記事出典元

当記事は株式会社東京カンテイ「カンテイアイ特集(2023年7月31日配信)」の情報を元に掲載しております。 当記事に掲載されている文書の著作権は、出典元である東京カンテイに帰属します。 掲載されている文書の全部または一部を無断で複写・複製・転記等することを禁止します。 また、当記事への直接リンクは固くお断りいたします。

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