【近畿圏主要都市】専有面積帯別中古マンション価格推移

東京カンテイが中古マンションの価格推移から住戸の広さに対するニーズの変化を分析しました。
・大阪市:新型コロナ下で価格上昇率が最も低かったのは「30m²未満」
・2021年の第3四半期時点での変動指数は106.7、他の面積帯を10ポイントほど下回る

【近畿圏主要都市】専有面積帯別中古マンション価格推移

大阪市

中古マンション坪単価の変動指数は、新型コロナ禍より前の2019年の第1四半期を100としている。比較的広めの「50m²台~60m²台」や「70m²以上」の変動指数は2020年を通して大きな変化はなかったが、翌2021年には明確な上昇トレンドで推移し始め、同年の第3四半期にはそれぞれ118.6ポイント、118.2ポイントとコロナ前に比べて価格水準は2割弱も上昇している。一方、比較的狭めの専有面積帯のうち、「30m²未満」は2021年の第1四半期にかけて数値を低下させ続けていた。持ち直す動きは鈍く、2021年の第3四半期時点における数値も106.7ポイントと掲出した4つの専有面積帯の中では最も低く、他の専有面積帯との差が概ね10ポイントまで拡がっている状況が常態化しつつある。

新型コロナ禍による人口移動や社会経済活動への影響は大阪市でも大きく、とりわけ訪日外国人によるインバウンド需要が事実上消失したことは地域経済に影を落としている。コロナ以前はインバウンド関連の仕事に従事する若年層の単身者向け住戸として「30m²未満」のニーズも高く、投資対象としても人気を集めていたわけだが、新型コロナの感染拡大によって状況が一変することとなった。現時点においても訪日外国人の本格的な受け入れに目途が立っておらず、「30m²未満」に限っては今後も価格の伸び悩みが予想される。一方、それ以外の専有面積帯においては全国の中でも比較的テレワークの導入が進んでいることを背景に、東京23区と同じく広い居住スペースを求める動きが価格動向からも窺える。

神戸市

神戸市における「30m²台~40m²台」の流通事例数は相対的に少ないために、個別事例のバイアスによって価格水準が大きく変動しやすい点には留意する必要がある。2020年以降では、比較的狭めの「30m²台~40m²台」で変動指数が大きく低下する場面も見られたが、直近にかけては水準が押し上がっており、2021年の第3四半期時点では145.8ポイントと比較的広めの専有面積帯より20ポイント以上も上回る結果となっている。一方、主に2人以上の世帯向け住戸に該当する「50m²台~60m²台」や「70m²以上」に関しては、2020年を通して揃って横ばいで推移していたが、翌2021年には「70m²以上」に限り上昇傾向が顕著となり始めたことで、同年の第3四半期における変動指数の差は10ポイント以上にまで拡がってきている。なお、「70m²以上」の変動指数(124.6ポイント)は同じ近畿圏の主要都市である大阪市(118.2ポイント)や京都市(120.9ポイント)をも上回っている。

次に、各専有面積帯における価格水準の序列を見てみると、調査期間を通して比較的狭めの「30m²台~40m²台」が最も上位にある状況に変化はない。また、比較的広めの「50m²台~60m²台」と「70m²以上」に関しては価格水準の序列が何度か入れ替わる時期も見受けられるが、基本的にそれらの水準には大差がなく概ね連動した動きを見せている。

近畿圏の主要都市の中でも神戸市は訪日外国人によるインバウンド需要への依存度が相対的に小さかったこともあり、新型コロナ下においても狭めの専有面積帯への居住ニーズの落ち込みはさほど見られず、「30m²台~40m²台」の価格水準の上昇度合いは大阪市や京都市に比べて大きいものになっているようだ。また、主に2人以上の世帯向け住戸に該当する「50m²台~60m²台」や「70m²以上」に関しては、それらの価格上昇度合いの違いから広さに対するニーズの多寡が認められ、直近においては価格水準自体も僅かながら逆転する状況に至っている。

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京都市

新型コロナ禍に晒された2020年に入ると状況は一変し、前年まで堅調な価格推移を見せていた「30m²台~40m²台」や「50m²台~60m²台」の変動指数は中古マンション市場における一時的な活動停止や富裕層を中心とする購入姿勢の転換(=様子見)を背景に、同年の半ばにかけて低下傾向にシフトすることとなった。また、「30m²未満」に関しても訪日外国人の激減によって観光業などに従事する単身者の居住ニーズが減退した影響から、同年の下半期には100ポイントを割り込む水準まで低下していた。一方、「70m²以上」に限っては大幅な上昇を見せており、2020年の第2四半期には120.0ポイントと他の専有面積帯を上回っていたが、これはニーズの高まりによる価格上昇ではなく、優良な高額物件が多く売りに出された結果である。その後、ワクチン開発や接種の目途が立った同年の秋頃を境に、世界的な株高を背景として日本国内の不動産にも再び投資マネーが入り始めたことで、京都市内における中古マンション価格は上昇に転じ始め、2021年の第3四半期における変動指数は「30m²台~40m²台」を除く専有面積帯でいずれもコロナ前を大幅に上回っている。各専有面積帯における価格水準の序列を見てみると、コロナ前後を通して「30m²台~40m²台」が最も上位であることに変わりはない。

新型コロナウイルスの感染拡大による観光業への打撃が比較的狭めの「30m²未満」の中古マンション価格にも影響を及ぼした点は、前述の大阪市でも見られた特徴と共通している。また、京都市においては富裕層による投資ニーズやセカンドニーズが再び持ち直す動きを見せている。訪日外国人がコロナ以前の水準まで回復することは当面厳しいと言わざるを得ないものの、行動制限が解除されて国内観光客が今後増えてくるようであれば、価格水準のさらなる押し上がりも見込まれる。

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当記事出典

当記事は株式会社東京カンテイ「カンテイアイ特集(2021年10月28日配信)」の情報を元に掲載しております。 当記事に掲載されている文書の著作権は、出典元である東京カンテイに帰属します。 掲載されている文書の全部または一部を無断で複写・複製・転記等することを禁止します。 また、当記事への直接リンクは固くお断りいたします。