快適新生活のためのインテリア計画 ~物件探し・内覧編~

物件探しといえば、立地・予算・広さや間取りなどを筆頭に、築年数、建物構造など、いわゆる資産価値や生活安全性が優先条件となるでしょう。もちろんそれらは重要ですが、そこに“暮らしやすさ”という視点も加えれば、後悔のない自分(たち)らしい快適生活を手に入れられるのではないでしょうか。また、インテリアコーディネーターとして「新居を手に入れたものの、思う通りに暮らせていない…」というお悩みを聞くことも多いため、購入前に確認しておきたいポイントをいくつかご紹介します。

快適新生活のためのインテリア計画 ~物件探し・内覧編~

「物件探し」では、暮らしに合う間取り検討を

1. 間取りの流行とベストな部屋数

物件探しのふるい分けで金額等の次に有効な条件は、間取りを表す「〇LDK」と延床面積ではないでしょうか。特にこれまではファミリー物件の部屋数といえば、夫婦の寝室と子供の人数分の部屋が必須で、さらに各部屋はできるだけ広く欲しい…と考える人が多かったと思います。
しかし近年、LDKをなるべく広くとり、あとは家族一緒の寝室があればよいという考え方も増えています。さらに、「フレキシブルルーム」ともいわれる、2~3枚の引戸でLDKと区切った和室や洋室は、子供が成長過程の家族に人気があります。最近では、リモートワークやオンライン授業に対応できるスペースは、絶対必要!という意見も多く見受けられます。
つまり、間取りにも流行があるということです。この点を念頭に置きつつ、理想と思われる部屋数の前後の間取りもチェックして、広さや数だけでなく間取り図にもきちんと向き合って検討しましょう。

リビング
リビング

2. 日々の暮らしにストレスのない生活動線

料理をしながら家族との会話が弾むことで人気の対面キッチンですが、買い物から帰宅後から片付けまで調理前後の動きも快適でしょうか?
また、家族が帰宅してLDKに来る前に手洗いや持ち物が置きやすい動線になっていると、LDの清潔&整頓が持続しやすいと言われています。
他にも、調理・洗濯・掃除などの家事動線をコンパクトにしたキッチンと洗面室の配置や、家族の朝の支度時間が重なる場合、洗面化粧台の広さは十分なのか…など、自分たち家族の動きやタイムスケジュールを考えながら間取り図の中で動線を描いてみると、ストレスの少ない間取りが見つかるでしょう。

3. 収納と壁の重要性

収納力は大小に関わらず気になります。納戸が必要か、LDKの一部に収納は必要か、クローゼットかWICかを迷うなど、悩みは尽きないと思います。
物量や適材適所はそれぞれだと思うので注意点を1つだけ挙げます。個室の壁一面に収納がある場合は、収納力以上に家具配置の注意が必要です。クローゼットの前は家具を置けないばかりか、クローゼットの扉を開ける時には扉幅とその前に立つ人のスペースが必要になるのです。反対に壁に余白があれば、後からシェルフや置き型クローゼットなど背の高い物を置いて壁に固定することもできます。

収納

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

「物件内覧」は、事前準備と入念確認を

1.空間把握と動作確認の必要性

竣工後に購入する新築や中古物件も含めて、検討する物件が実際に見られる場合は必ず内覧にいきましょう。インターネットなどでバーチャル内覧も手軽にできるようになってきましたが、自分の目線で見たり触ったり空間を感じることは、購入後の暮らしにおいて一番の参考になります。
特に中古物件では、汚れや傷の他に、網戸や窓の鍵などの小さな不具合の見落とし、床の傾斜や床鳴り、建具のきしみなどもあるので、同じ所を何度も歩いたり、ドアを開けたり閉めたりして確認をしましょう。

2. 設備詳細も目視確認で入念に

新築やリフォーム済中古物件などの場合、パンフレットや不動産会社からもらう販売資料には、キッチンやUB(ユニットバス)などの設備のサイズや機能などを記載してあることが大半です。これらも事前に確認しておき、実際の内覧時に間違いがないかチェックしましょう。
気になる設備としてはエアコンが挙げられます。バルコニーに面していない部屋のエアコンの室外機置場や配管経路の確認をしておきましょう。(エアコンが設置されていなくても「先行配管」といって、配管のみ壁の中を通してある場合があります)共同住宅では、後から躯体に穴をあけることはできませんから、当然あるものと思い込まずに確認が必須です。

設備

3.内覧前準備で採寸すべき物

持っていきたい家具は事前に寸法を測っておいて、内覧に行った時に確認してみるとよいでしょう。寝室にベッドを置いたら通路がとれない、買ったばかりの冷蔵庫がスペースに入らない、お気に入りの大きなソファを置いたらバルコニーに出にくくてソファを買い直した…など、家具優先で物件を決めるわけではないですが、後から迷う物件が出てきた時に決め手になることがあります。
また、家具と同様にベストな通路幅を測っておきましょう。
キッチンと食器棚の間は80cm以上だとか、人ひとり通れればよい幅は60cmですが、メインとなる通路(LDKに入って、ダイニングやソファに向かう通路など)は広めに…など様々な情報はありますが、今、自分が暮らしていてベストだと思う寸法を測っておいて、内覧時に家具配置を検討する時の参考にしましょう。

まとめ

「高い買い物をするのに、そんなに細かい所までチェックしていられない」といった意見もあるかもしれませんが、高い買い物だからこそ、毎日の暮らしでの後悔やストレス、家具の買い直しや、最悪の場合すぐに物件の買い替えといった無駄な出費がないように、物件自体と暮らし方を検討できる「物件探し&内覧」のタイミングを大切にしましょう。

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

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