新築vs中古、買うならどっちがお得? メリット・デメリットを徹底比較

首都圏を中心に新築マンションの価格高騰が止まりません。特に、立地の良い人気物件は平均的な会社員には高嶺の花になりつつあります。そのなかで、注目度が高まっているのが、新築に比べて価格の安い中古マンションです。ただ、価格の安さだけに引かれて買うと、「こんなはずではなかった」ということになりかねません。
それぞれのメリット、デメリットをしっかりと理解した上で、「新築がいい」「中古の方がいい」と自ら選択して判断しましょう。

新築 中古

中古マンションなら新築よりも割安で手に入るものが多い

新築と中古を比べると、次のような違いを挙げることができます。

(1)価格が違う――中古のほうが安い場合が多い

(2)性能が違う―― 新築は最新設備が備わっているケースが多いが、中古でもリノベーション済みの物件であれば新築と同様の設備を装備しているものもある。

(3)見た目が違う――新築は建物が新しく綺麗。しかしながら、中古でも室内はリフォーム次第で新築同様になる。

(4)選択肢が違う――物件数は中古のほうが豊富

(5)売り方が違う――新築は青田売りが多いが、中古は実物を見学可能

まず(1)の価格については、地域によって違いがあるものの、首都圏の場合には下図のようになっています。2019年の平均価格は新築が5,980万円で、中古は3,442万円でした。中古なら新築より2,538万円安く、新築の57.6%の価格で手に入ります。10年前と比べてもこの関係はほとんど変わりません。中古なら、新築の6割以下で取得できるのです。

首都圏新築マンションと中古マンションの価格の推移

資料:新築マンションは不動産経済研究所調べ、中古マンションは東日本不動産流通機構調べ

価格が安いのは建築後の経過年数が長い物件

ただ、中古マンションといっても、建築後の経過年数によって価格は大きく異なります。
下図は、首都圏の場合、築年帯別の成約価格がどう変化するかを示したグラフです。

首都圏全体では、「~築5年」の築浅段階では、1m²当たりの単価が88.6万円です。66m²(約20坪)だと5,848万円になります。

上図にあるように、新築マンションの平均価格は5,980万円ですから、それと大差ありません。
利便性の高い人気エリアの物件だと、新築マンションがなかなか出てこないこともあって、新築価格より高くなっているケースもあるほどです。

それが、建築後の経過年数が長くなるほど、価格は安くなっていきます。「~築30年」だと1m²当たり平均32.5万円ですから、66m²では2,145万円です。
これだと、価格の安さのメリットを十分に享受できます。

首都圏エリア別・築年帯別の成約㎡単価の変化

資料:東日本不動産流通機構調べ

リフォーム費用がいくら必要なのかも把握して計画

しかし、建築後の経過年数が長いということは、(2)の性能の違い、(3)の見た目の違いがより大きくなることを意味します。

ですから、より快適に住むためには、リフォームによって基本性能を高め、設備の更新によって快適性を高める必要があります。外観、エントランスなどの共用部分に関しては、個人だけでは何ともしがたい面が多いのですが、住居内に関しては一定条件のもと、リフォームが可能です。あらかじめリフォームされた、いわゆるリノベーションマンションなどは別ですが、そうではない物件だと、入居前にリフォーム工事を行うケースが多いようです。

したがって、価格の安さだけて判断するのではなく、自分好みの住まいにするためには、どれくらいのリフォーム費用がかかるのかまでも見極めた上で、資金計画を立てる必要があります。

経験豊かな不動産会社であれば、そうした相談にもきめ細かく対応してくれますし、提携しているリフォーム会社なども多いので、安心して任せるといいでしょう。

中古なら選択肢が豊富で自分の目で確認できる

(4)(5)の選択肢の違い、売り方の違いをみると、まず、選択肢としては、中古のほうが圧倒的に多いのはいうまでもありません。

下図は、首都圏で年間に仲介市場で新規登録される中古マンションの物件数と、新築市場で販売される物件数の推移を示しています。
新築は、このところ年々減少していますが、中古は着実に増加しています。新築の場合、特に人気エリアでは価格が高くなり過ぎている上、なかなか物件が出てきません。
特に最寄り駅からの徒歩時間が短い物件は、希望エリアを限定すると、年間に1件、2件しか出てこず、出てきたとしても倍率が高くなって、希望の住戸を買えないといったことがあります。

それに対して、中古は物件数が豊富である上、10年前、20年前に分譲された駅近の物件を探すことも可能です。
加えて、新築の多くは竣工前に売り出す、いわゆる“青田売り”が中心ですから、モデルルームはあっても、実際に住む実物を見ることはできません。
しかし、中古ならほとんどの場合には、実物を自分の目で確認できるので、安心感があります。

新築と中古の物件数の違い

資料:新築マンションは不動産経済研究所調べ、中古マンションは東日本不動産流通機構調べ

こうしたさまざまな要素を総合的に判断して、新築マンションと中古マンションのどちらがいいのか、じっくりとご判断いただきたいものです。

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