中古マンション購入&リノベーション 検討時の注意点 ~前編~

昨今では、築年が古くて安い中古マンションを購入し、好みに合わせて間取りや内装を変えるという手法が普及しつつあります。しかし、物件や希望する変更内容によっては実現できないケースがありますし、無理に工事してしまうと後々トラブルにつながりやすいという注意点もあります。
そこで今回は、リノベーションとセットにして購入検討されることが多い築20年以上のマンションを主な対象にして、チェックポイントをご紹介します。次回公開予定の後編と併せて参考にしてみてください。

中古マンション購入&リノベーション 検討時の注意点 ~前編~

物件のスペックについて

マンションの構造方式

リノベーションなどで、既存のマンションに工事を施す場合、基本的に、柱や梁、上下階を仕切るスラブ(鉄筋コンクリートの板)など、建物全体の強度を支えている箇所には手を加えられません。この点を踏まえて注意したいのが、マンションの構造方式です。「マンションの多くは、柱や梁で支える『ラーメン構造』か、壁で支える『壁式構造』になっています。図のように、壁式構造の場合、住戸内にも強度を支える『耐力壁』が配置されています。当然、この耐力壁は取り除けませんから、間取り変更に制限が生じるのです。構造方式は、購入検討時に確認しましょう。なお、壁式構造は、特に5階建て以下の低層物件に多く見られます」

中古マンション購入&リノベーション検討時の注意点 ~前編~

給湯器の号数

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給湯器には号数表示がありますが、この数字が大きいほど、一度に湧かせるお湯の量が多くなることを意味しています。「マンションの新築時に設置される給湯器は、時代が進むほど大型化しています。リノベーションで見栄えが良くなっても、家族人数に対して給湯能力が不十分だったりすると、快適な生活を送れません。現住居の給湯器の号数を確認したうえで、購入候補物件の給湯器で満足できそうか判断しましょう。物件購入後に号数の大きな給湯器に交換するという考え方もありますが、建物に引き込まれているガス管の大きさや設置場所の寸法などによっては、交換できないこともあり得ます。また、古い物件だと浴槽に自動湯張り機能が付いていない場合があります。後から自動湯張り機能付きの給湯器に交換する際には給湯管を1本増やす必要がありますが、外壁に新たな穴を空けることが許されていない物件だと、結果として交換不可能となることもあるのです。給湯器交換を視野に入れる場合は、事前にリフォーム会社や管理組合に確認してください」

分電盤の契約電力量・回路数

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一世帯の使用電力量も、時代を追うごとに増えています。「まずは、分電盤の端に付いている大きなブレーカーを見て、契約電気容量を確認してください。給湯器同様、現住居がどうなっているのかを基準にするといいでしょう。マンション全体で使用電力量が決まっている物件などは、契約電気容量を変更できないこともあるので、管理組合への確認が必要です。また、分岐回路数(小さなブレーカーの数)も確認してください。昨今の新築マンションの多くは、複数の家電品や機器を作動させても簡単にはブレーカーが落ちません。これは、使用電力量が大きいキッチンやエアコンなどに専用回路を充当させているからです。しかし、20年以上前では、このような想定のもとに建てられたマンションは少数派でした。回路数が不十分なら、回路数の多い分電盤に交換したいところですが、外形寸法の関係で従前の場所には取り付けられないことも考えられます。この場合は、対処法についてリフォーム会社に相談してみましょう」

エアコンの設置可否

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特に築20年以上の古い物件の場合、住戸内の全居室にエアコンを設置することまでは想定されていないケースが見受けられます。「エアコンを設置する場合、バルコニーなどに置く室外機と本体とを配管で結ぶ必要があります。つまり、外壁に穴が空いていないと、エアコンを新設できないわけです。しかし、外壁はマンションの強度に関わる部分ですので、入居者が勝手に穴を空けることはできません。エアコン用の穴が空いていない物件の場合、外壁に新たに穴を空けさせてもらえるかどうかで、エアコン新設の可否が変わってきます。管理組合にルールを確認してください」

物件の仕様

物件の床や天井が二重になっていれば、電気設備や水まわり設備の配置の自由度が高まります。「ただし、二重床・二重天井になっていれば、制限なく自由に変更できるというわけではありません。特に水まわりですが、図のように、排水用の縦管まで排水が流れるだけの傾斜をつけられるかどうかが重要です。リフォーム会社とは、この点をしっかり確認しながら、計画を詰めていくようにしてください」

中古マンション購入&リノベーション検討時の注意点 ~前編~

物件価格だけでは思い通りの住まいは入手できない

ここまで触れてきたように、リノベーション前提だからといって、マンションの方には価格の安さだけを求めてしまうと、結果として思い通りの住まいを手に入れないこともあります。まずはどのような暮らしを実現したいのかを考え、そこに見合った間取りや設備を想定する必要があるのです。次回は、リフォーム会社へのオーダー法やチェックポイントを紹介しますので、今回の内容と併せ、頭に入れたうえで計画を立ててください。

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