不動産仲介会社を賢く使う方法 ~住宅売却編~

不動産仲介会社に支払う仲介手数料は、買い手との間で住まいの売買契約が成立して初めて発生します。
つまり、売買契約成立までに不動産仲介会社が実施する販売戦略コンサルティングや物件の広告活動、購入希望者の現地案内といったサービスは、原則的には費用がかからないのです。
今回は、住まいの売却プロセスとともに、より賢く不動産仲介会社を活用する方法についてご紹介します。売却による買い替えをご検討されている方は、購入編も参考にしてください。

仲介会社を賢く使う方法 ~売却編~

1. 査定依頼

仲介会社を賢く使う方法 ~購入編~イメージ1

不動産仲介会社にコンタクトを取って、売却したい物件の概略を伝え、売却できそうな金額の算出を依頼します。このとき伝えるのは、物件種別(マンションや一戸建て、土地など)や築年、立地、広さ、間取りなどになります。なお、大半の仲介会社では、電話やメールによる簡易な査定と、直接物件を見ることなどで詳しく調査する訪問査定の2種を実施しています。地域相場に照らすだけの簡易査定で1~2日、法務局などで履歴なども調査する訪問査定で1週間くらいというのが、所要日数の目安です。

【ワンポイント】複数社に依頼して、金額の根拠を確認する

不動産仲介会社によって算出基準などが異なるため、同じ物件でも査定額に差が出るものです。査定は複数の仲介会社に依頼するといいでしょう。なかには、査定依頼時に高い金額を提示されても、販売活動に入ってから値下げを提案されるようなケースもあります。単に額面だけで選ぶのではなく、提示金額の根拠も詳しく聞いて、納得いく説明をしてもらえるかどうかも会社選びの基準にするといいでしょう。

2. スケジュール設定

現住居の売却資金をもとに新居を購入する場合、新居購入の資金計画を立てるためには、いくらで売却できるのかが選択のカギを握りますし、いつまでに売却できるのかによって、物件の選択肢も変わってきます。売却を任せる不動産仲介会社に要望をしっかり伝えられるよう、予定を整理しておきましょう。

【ワンポイント】売却目的も含めて相談に乗ってもらうのがベスト

ひと口に住まいの売却といっても、「転勤」「子どもの進学にともなう住み替え」「相続」「資産整理」など、その目的はさまざまです。単に売却の金額や期限を提示するより、売却目的を明示したほうが、より適切な販売戦略を提案してもらえる可能性が高くなります。

3.売却方法の相談・媒介契約の締結

現売却目的に適した金額やスケジュール、広告活動などの戦略を不動産仲介会社に提案してもらい、販売方法を決めていきます。販売方法が決まったら、不動産仲介会社と媒介契約を結びます。なお、不動産仲介会社と締結する媒介契約には3種類ありますが、一般媒介契約か専任媒介契約のどちらかになるケースが大半です。いずれも契約の有効期間は3カ月で、期限のたびに更新することになります。それぞれメリット・デメリットがありますので、下の表を参考にしてください。

●媒介契約の内容とメリット・デメリット

媒介契約の内容とメリット・デメリット

【ワンポイント】不動産仲介会社の姿勢で判断しよう

例えば、物件の広告活動には、不動産ポータルサイトへの掲載のほか、新聞折り込みチラシや周辺へのポスティングなどの手段があります。特にチラシやポスティングの場合、どのようなタイミングでどのような地域に配布するかで市場での反応も変わってくるものです。具体的で細かなプランを提案してくれるかどうかも、不動産仲介会社の姿勢を測るバロメーターになります。

4. 販売活動

仲介会社を賢く使う方法 ~購入編~イメージ2

売主と媒介契約を結んだ不動産仲介会社は、事前に決めておいた方針に沿って販売活動に入ります。不動産仲介会社が購入希望者を見つけると、物件に案内することになります。自身が入居中の場合でも、できるだけ柔軟に対応できる体制を整えておきましょう。

【ワンポイント】「見せたくない」という箇所をなくしておくこと

当然、売却物件の状態は清潔なほど有利です。特に水まわりは、汚れが悪印象として強く残りがちなので注意しましょう。また、「ここは見せたくない」という箇所があると、購入検討者にとっては不安材料になってしまいます。販売活動に入ったら、すべてオープンにしましょう。なお、使い勝手のいいスーパーの場所やマンション内のコミュニティの様子など、住んでいるからこその情報を提供できると、暮らしを具体的にイメージしやすくなるため、より真剣に購入を検討してもらえるようになります。

5. 条件交渉・売買契約

有望な購入希望者が見つかったら、紹介してくれた不動産仲介会社を通じて、金額や引き渡し時期、契約日などの条件を詰めていきます。条件面で双方が合意に至ると、不動産仲介会社が立会いのもとで契約に臨みます。契約時には買い手から手付金を受け取れますが、目安は売却金額の5%~10%です。不動産仲介会社への仲介手数料は、売買契約時に半額、引き渡し時に残りの半額を支払うというケースや、引き渡し時に全額支払うケースなどがあります。事前に確認しておきましょう。

6. 引き渡し

予定の引き渡し日までに住戸内の家具や家電などの持ち物を運び出しておき、引き渡しの前に関係者立ち会いのもとで、買主に物件の状態を確認してもらいます。引き渡し日当日、売主側は、売買契約時の手付金を差し引いた残金の振り込みを確認します。また、固定資産税をはじめ、マンションの場合は管理費や修繕積立金なども精算しておきます。双方、問題ないことを確認できたら、カギを渡して引き渡し完了となります。

【ワンポイント】必要に応じて専門業者を紹介してもらおう

引っ越し会社、粗大ゴミの回収業者などに心当たりがない場合、不動産仲介会社に相談すれば、紹介してもらえます。必要に応じてサポートしてもらいましょう。

売却で最も大切なのは、信頼できる不動産仲介会社・営業担当選び

ご紹介してきたとおり、住まいの売却で大切なのは、金額だけではありません。買い手を見つけて引き渡すまでの期間をいかに短くできるか、煩雑な諸手続きをいかに不備なく効率よく進められるかなども、重要なポイントになるのです。住まいの売却において最も大切なのは、信頼に足る不動産仲介会社や営業担当を見つけることだといえます。多くの会社とコンタクトをとってみて、まずは「この人なら」と思える担当者を選び出すところからスタートしてみてください。

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