駅周辺1平方km=半径560mのマンションストック”密度”を調査

東京カンテイが、駅周辺1平方km=半径560mのマンションストック”密度”を調査し、2019年6月時点の首都圏が”密度”が最も高い駅は都営新宿線「浜町」の136物件、ストック戸数1位は「勝どき」。中部圏で”密度”が最も高い駅は名古屋市営地下鉄東山線「覚王山」で75物件。近畿圏で”密度”が最も高い駅は烏丸線「烏丸御池」136物件。全国の物件数1位は福岡市地下鉄七隅線「薬院大通」の144物件であることがわかりました。

駅周辺マンション

首都圏では東京駅の東側エリアにマンションストック密度が高い駅が集中

物件数ランキング1位の「浜町」をはじめ、「人形町」「水天宮前」「馬喰横山」「東日本橋」と、日本橋の東側エリアの駅が上位を占めている。
この30年の産業構造の変化により土地の流動化が進んだエリアで、東京駅からも近く、生活利便性が高い割には比較的リーズナブルな価格のエリアでもあり、なおかつ近年の都心回帰の傾向、1993年から始まった中央区の容積率緩和政策もあいまって、爆発的にマンション供給が増えたエリアでもある。
「坂東橋」「入谷」「田原町」なども同様の傾向を見出すことができる。

戸数ランキング1位の都営地下鉄大江戸線「勝どき」は2000年に開業した新駅である。中央区の容積率規制緩和もあり、次々とタワーマンションが建設された。
2位の「武蔵小杉」においては1989年にはわずか444戸であったマンション密度が、駅前の工事やグラウンドの再開発によって、相次いでタワーマンションが供給され、2019年にはストック戸数が9,010戸と、実に増加倍率20.3倍で一気に2位となった。
1位の「勝どき」、6位の「豊洲」、10位の「月島」は、再開発に伴うタワーマンション建設に加えて、東京メトロ有楽町線の延伸、都営地下鉄大江戸線の開業に伴う新駅効果もあり大幅に密度を高めている。

首都圏 2019年6月時点 駅周辺1平方キロメートル

首都圏1位「浜町」のストック分布

「浜町」駅周辺のマンション開発を年代別に見ると、1960年代は1物件、1970年代は8物件、1980年代は15物件1990年代は21物件、2000年代は42物件、2010年代は49物件と、年代を追うごとに物件数が増加している。
同じ都営地下鉄新宿線では「浜町」の隣駅「馬喰横山」までの駅間はわずか600メートルで、「東日本橋」はさらに近い。
「人形町」や「水天宮前」も1km以内にあるため、このエリアの駅が上位に多い。
1989年6月以前に供給された物件(赤ドット)は多くが浜町公園の南東側に建築されていることが地図でわかる。

都営地下鉄新宿線「浜町」から半径560m以内のマンション分布

全国1位「薬院大通」のストック分布

「薬院大通」は現在ファミリーマンションのストック物件数が144物件と最も多い駅である。
地図で確認しても赤いドットも青いドットもほぼ同数存在し、分布はかなりの密度となっているのを実感する。
首都圏1位の「浜町」は136物件で「薬院大通」に迫っているが、購入者のマンションに求める重要スペックが「居住快適性」から「交通利便性」や「資産性」に変化した一方で、「薬院大通」では駅前立地マンションに求めるものが変わっていないか、変わっても好立地としての高い人気を維持し、通勤利便性と生活利便性をどちらも犠牲にしない抜群の距離感にあることが要因である。

福岡市地下鉄七隅線「薬院大通」から半径560m以内のマンション

中部圏では良好な一戸建て住宅の立地とマンション立地が重なる傾向が強い

物件数ランキング1位は、名古屋市営地下鉄東山線「覚王山」で75物件、2位は鶴舞線「原」で74物件、3位は東山線「池下」で72物件と僅差で競り合った状態である。
このように物件数で大きな差がつかず、変化が出にくいのは中部圏のマンション分譲が一戸建て住宅と同じロジックで供給されていたことを示している。それは住環境重視という住まい方そのものに現れる。
中部圏は首都圏や近畿圏とは異なり、投資適性で住宅を選ぶという傾向は強く出ておらず、そのため人気マンション立地は人気戸建て立地とほぼ重なって存在している。
「覚王山」「池下」のほかに、桜通線「高岳」(50物件:8位)。鶴舞線「御器所」(43物件:15位)、名城線「総合リハビリセンター」(43物件:15位)なども同様の駅である。
ただし、2013年以降の価格上昇と名古屋駅の大規模再開発事業やリニア中央新幹線の開業を見込んだ開発では、従来の中部圏にはなかった住宅供給の流れ、すなわち、駅近物件や、「名古屋」「栄」至近物件への選好が生じてきている。

物件数ランキング1位は、名古屋市営地下鉄名城線の「上前津」で2,816戸のストックを有している。「上前津」はストック物件数では4位であった。ストック戸数はこの30年間で2.0倍と倍増している。
駅周辺はほぼ「商業地域」の用途指定となっており、高層建築に向くエリアである上に、オフィスの集中する「栄」「久屋大通」に近隣し名城線一本でアクセスできるという抜群の利便性が発揮された形となっている。
2位は名城線「茶屋ヶ坂」で2,674戸。同駅は物件数ランキングには登場していない。
駅周辺を走る出来町通近辺は用途地域では「近隣商業地域」が指定されており、この周辺地域に比較的高層のマンションが供給されている。ストック戸数はこの30年間に3.8倍と大きく増加している。
ストック戸数ランキングでは1位から4位まで名古屋市営地下鉄名城線の鋭気が独占しており、中部圏、とりわけ名古屋市は特定の沿線に集中してマンションストックが積みあがっている傾向が強く出ている。

中部圏 2019年6月時点 駅周辺1平方キロメートル

中部圏1位「覚王山」のストック分布

赤いドットが示しているように「覚王山」は駅に近いエリアからマンション供給が進んだことがわかる。青いドットは赤いドットの外側に広がるように供給されている。
覚王山には敵視的建造物や著名人の別宅などが多いことから、駅周辺では建築規制が強化されていてマンションストックの多くは低層で総戸数の少ない高級物件である。
マンションが供給しにくい環境にありながら、供給がコンスタントに続いていること自体、「覚王山」がいかに人気と憧れを兼ね備える住宅地であるかを示していると言えるだろう。

名古屋市営地下鉄東山線「覚王山」

近畿圏では「職住近接」が重視され大都市中心部に所在する駅のマンションストック密度が高い

物件数ランキング1位は、京都市営地下鉄烏丸線「烏丸御池」で136物件と近畿圏内ではひときわ高い”マンション密度”となっている。「烏丸御池」は京都市街の中心に位置するまさに中心部であるが、住宅地というより商業地のイメージが強い。
しかし、近年特にマンション需要が高まっており、極端な用地の取得難から供給がおいついていない状況である。
また、中古マンション価格も高額で推移しており、分厚いニーズによりマンションに希少性が生じている。

物件数ランキング1位は、大阪メトロ堺筋線の「天神橋筋六丁目」で6,736戸のストックを有している。2位は京阪中之島線「中之島」で6,612戸、3位は大阪メトロ千日前線の「西長堀」となっている。前述の物件数ランキングとは異なり、大阪市、京都市、神戸市の三大都市のそれぞれ中心部であると同時に、高度利用が可能な駅が上位となる傾向が見られる。戸数のランキングとなると少ない物件数で多くの住戸数をカウントできるタワーマンションが供給される駅ほど有利になるため、上位の駅はほとんどがタワーマンション供給可能なエリアとなっている。

近畿圏 2019年6月時点 駅周辺1平方キロメートル

近畿圏1位「烏丸御池」のストック分布

1989年6月以前は物件(赤ドット)の数も少ないが中心を南北に走る「烏丸通」の西側、二条城までの間に多く分布すると同時に、駅から比較的距離を置いたところに供給されていた。
一方、直近30年間(青ドット)は駅近接エリアでの供給が多くなっており、駅に近いほど資産性が高いことに着目した供給が行われた。
背景には京都市中心部の資産性、交通利便性と職住近接を実現できる立地であるとの認識の変化がある。
京都市中心部は高賃料エリアであり、収益力がある。一定の敷地面積を持った土地が出てきにくい状況もあり希少性も高い。

集計の方法

2019年6月時点:現在(竣工)しているすべての物件を集計し、現存しない(取壊しなど)マンションは除外(非分譲であってもマンションに含まれる住戸はすべてカウントしている。事務所・店舗用途の住戸は除く)

1989年6月時点:同時点で存在(竣工)していたマンションを集計 現在建替えや取り壊されたマンションも同時点で存在していれば集計した(非分譲であってもマンションに含まれる住戸はすべてカウントしている。事務所・店舗用途の住戸は除く)

●駅の緯度・経度を中心とし、半径560m以内に存在するマンションの緯度・経度が入るものを集計した。半径560m以内のマンションを駅単位で集計したため、駅間の短い地下鉄沿線等では同じ物件が複数の駅にカウントされている。
●駅の緯度・経度は「建築物としての駅」の中心点に東京カンテイが定めたもの。
●マンションの緯度・経度は目視で確認の上、マンションのメイン・エントランスに東京カンテイが定めたもの。
●ファミリーマンションのみを集計した。一棟の中にファミリーとワンルームが混在しているマンションは対象から除外した。

当記事出典元

当記事は株式会社東京カンテイ「カンテイアイ特集(2019年10月31日配信)」の情報を元に掲載しております。 当記事に掲載されている文書の著作権は、出典元である東京カンテイに帰属します。 掲載されている文書の全部または一部を無断で複写・複製・転記等することを禁止します。 また、当記事への直接リンクは固くお断りいたします。

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