中古マンション購入&リノベーション 検討時の注意点 ~後編~

昨今では、築年が古くて安い中古マンションを購入し、好みに合わせて間取りや内装を変えるという手法が普及しつつあります。しかし、物件や希望する変更内容によっては実現できないケースがありますし、無理に工事してしまうと後々トラブルにつながりやすいという注意点もあります。
今回は、価格的に手ごろな築20年以上のマンションに、大掛かりなリノベーションを施すケースを対象に、チェックポイントをご紹介。前回と併せて、夢の住まい入手実現につなげてください。

中古マンション購入&リノベーション 検討時の注意点 ~後編~

リフォーム内容について

管理規約や大規模修繕計画を確認

中古マンション購入&リノベーション検討時の注意点 ~後編~イメージ1

前編では、「基本的に、建物全体の強度を支えている箇所には手を加えられない」旨を紹介しました。しかし、外壁に穴を空けていいかどうかや、床材を交換していいのかどうかなどは、管理組合の定めているルールによって判断が異なります。「例えば、外壁に設けられたサッシは共用部と見なされているため、基本的には入居者の独断では交換することができません。しかし、近い将来に大規模修繕で交換することが予定されている場合もありますし、既存のサッシの表面を覆うような工法にするなど、一定の条件をクリアすれば許可される場合もあります。仲介会社やリフォーム会社とよく相談して、工事の概要をある程度固めておき、何が許され、どのような点で制限が生じるのかを確認しましょう。確認を要請してみて、きちんと対応してくれるかどうかでも、仲介会社やリフォーム会社の選択のバロメーターになると思います」

直上階・直下階の間取りを教えてもらう

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マンションの多くは、直上階・直下階の住戸の間取りプランは、おおむね同じです。つまり、各居室の用途も、おおむね似たようなものになっているケースが多いのです。リノベーションによる間取り変更を視野に入れている場合は、この点にも留意が必要です。「真下の住戸で夫婦の寝室として使われている箇所に、子ども部屋を配置してしまうと、クレームにつながりかねません。同様に、直上階で子ども部屋に使われているような箇所に夫婦の寝室を配置してしまうと、落ち着けない恐れもあるのです。昨今は間取りも個人情報として扱われるため、必ず確認できるとは限りませんが、お互いに気持ちよく過ごすためであれば、上下階の方の理解も得られやすいはず。これまでに間取り変更を伴うような工事を実施したかどうかが分かるだけでも有用な情報になります。仲介会社やリフォーム会社に依頼して、確かめてもらいましょう」

法令や地域の条例に精通したリフォーム会社を選ぶ

新たに建物をつくる場合は、建築確認を要請することになっています。つくろうとしている建築物が法令に合致しているかどうかを、役所などがチェックしたうえで建築許可が下りるわけです。しかし、中古マンションをリノベーションする場合、建築許可をとる必要はありません。「このため、建築基準法に詳しくないリフォーム会社でもリノベーション工事に携われるのです。そして、知識不足による工事がトラブルのもとになっているケースも少なくありません。例えば、法令では、キッチンのコンロまわりには、不燃性の建材を使うことや、熱源からコンセントを一定以上離して設置することなどが義務付けられていますが、過去にはこんな点が無視された施工例もありました。そこで、リフォーム会社を選ぶ際は、建築基準法のどのような項目に注意して設計・成功しているのか質問してみましょう。すぐに具体例を挙げられるかどうかで信頼度を判断するのがいいと思います」

最初から断熱処理を見込んでもらう

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写真提供/さくら事務所

特に、築20年以上の古いマンションには、断熱工事が施されていない場合があります。「写真は、リノベーションのために壁の石膏ボードをはがした状態ですが、黒や紫のカビが広がっていることが分かると思います。このような場合、単にカビを除去するだけでは根本的解決になりません。カビ発生の原因である湿気対策を施す必要があるんですね。単に、冷暖房効率を高めるというだけでなく、健康面に配慮するうえでも、コンクリート表面に断熱処理を施すことが大切です。最初から適切な処置を見積もりに含めてもらうようにしましょう」

リノベーションなら給排水管は総取り替えが基本

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写真提供/さくら事務所

築年数の古いマンションを購入して、床材や天井壁のボードを取り替えるような大掛かりなリノベーションを施すなら、給排水管は総取り替えが基本だと覚えておきましょう。「部分的なリフォームの場合、直接関係しない場所の給排水管はそのままにするリフォーム会社もあります。しかし、築20年などの古い物件などでは、近い将来に水漏れなどが起きてしまう可能性があります。また、夜間などに排水用の縦配管(住戸内のパイプスペースなどに縦に通っている共用の排水管)に水が流れると、音が気になることもあります。パイプに、吸音材であるグラスウールを巻いたり、写真のようにグラスウールの上からさらに黒い遮音シートを巻いたりと、予算に合わせて対策を施してもらいましょう。いずれも、内装を仕上げてから支障が明らかになっても、対処するには多大なコストがかかってしまう部分です。せっかく新居を入手するからには、長く住み続けられるような処置を施してもらうのが基本です。逆に、こちらからリクエストしなくても、適切な対処を提案してくれるようなリフォーム会社なら、信頼に足りるとも言えます」

施工内容も含めてトータルで適切な判断を

前・後編を通じて注意点をご紹介してきましたが、中古マンションのリノベ―ションは、資金力があればどんなことでも実現可能だとは限りません。「リノベーションというと、見た目の華麗さに目を奪われがちですが、電子レンジを使ったとたんにブレーカーが落ちる、キッチンでお湯を使っているときはシャワーを浴びられないなど、前の生活では当たり前にできていたことに支障が出るのでは、とても安心・快適な暮らしとは言えません。少なくとも、住み替える前と同等以上の暮らし心地を確保できなければ、住まい購入の意味の大半が失われてしまいます。“どのような暮らしを送りたいのか”を軸にイメージを具体化し、実現の可・不可を詰めて行くことが大切だと覚えておいてください」

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