各圏域の築1年マンションの相対的価格上昇率 大型プロジェクトでは僅か1年で大きな利益を生む状況

東京カンテイが価格上昇期における「値上がりマンション」に関する考察として、実際の価格上昇を首都圏・中部圏・関西圏の圏域別に検証いたしました。
実際の価格変動率÷圏域の平均価格変動率で相対価格変動率を算出しました。上昇エリアは郊外部にも点在しています。

各圏域の築1年マンションの相対的価格上昇率 大型プロジェクトでは僅か1年で大きな利益を生む状況

大半のマンション価格が上昇する中で、圏域平均以上に価格上昇しているマンションとは?

2020年竣工の新築マンションと2021年中古マンション価格を比較すると全圏域で上昇している。
各圏域の平均上昇率を100.0として、それ以上に大きく上昇した行政区をピンク色とオレンジ色で示した。

首都圏

相対価格変動率が110%以上となるピンク色の行政区は千葉県習志野市と印西市の2市。大型物件からの高額な売事例の発生により10%を超える相対的価格上昇が僅か1年で起っている。100%以上110%未満のオレンジ色の行政区は、東京都下では三鷹市と日野市、横浜市磯子区、相模原市中央区、川崎市は中原区と多摩区、千葉市美浜区、埼玉県はさいたま市浦和区、川口市、越谷市となっている。ほとんどの場合大型プロジェクトや再開発物件など個別物件のバイアスが強く影響した結果となっているが、1年という“超短期売却”は、そもそも売却益が発生しないマンションでは行われないという事情もある。

首都圏の築1年マンションの相対的価格上昇率

保有する物件・土地の定期的な資産価値の確認がポイントです。

近畿圏

近畿圏においても僅か1年で市場に売却される売事例が面的に広く分布していることがわかる。110%以上となるピンク色の行政区は、大阪市城東区、大阪府守口市、東大阪市の3行政区、オレンジ色の行政区は大阪市内では中央区、北区、阿倍野区、東淀川区、此花区、府下では吹田市と高槻市の北摂エリアの行政区に加え泉佐野市が該当している。兵庫県では神戸市兵庫区、京都府では京都市中京区という“常連”に加え城陽市が、滋賀県では大津市と守山市が該当している。ほとんどの場合大規模再開発プロジェクト絡みのマンションなど個別物件の影響が大きくなっている。

近畿圏の築1年マンションの相対的価格上昇率

中部圏

比較的投資目線で物件が供給される名古屋市東区と中区の2区では100%以上110%未満のオレンジ色となっている。この両区で供給されている物件は大手デベロッパーのマンションが多く、新築分譲時の坪単価も300万円を超える、中部圏においては非常に高額なマンションが更に高額になっている。竣工後1 年で10%以上上昇している物件もあり、中古流通坪単価も300万円台後半から400万円を優に超えるマンションも存在する。
一方、相対価格変動率が110%以上上昇した名古屋市瑞穂区と港区にはやはり大手デベロッパーの分譲マンションしか供給されておらず、新築分譲時の坪単価は300万円を大きく下回る水準であったものが20%~50%と大きな幅で上昇した結果である。

中部圏の築1年マンションの相対的価格上昇率

相対価格変動率の考え方

各圏域の平均価格変動率を価格変動率として用いて、平均上昇率を上回る価格上昇が起こっているか見た。
※新築マンションと中古マンションの価格比較は物件単位での比較で部屋ごとの比較ではない。

価格変動率(中古流通坪単価÷新築坪単価)÷圏域ごとの平均価格変動率=相対価格変動率

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当記事出典

当記事は株式会社東京カンテイ「カンテイアイ特集(2022年7月28日配信)」の情報を元に掲載しております。 当記事に掲載されている文書の著作権は、出典元である東京カンテイに帰属します。 掲載されている文書の全部または一部を無断で複写・複製・転記等することを禁止します。 また、当記事への直接リンクは固くお断りいたします。

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