静岡県

北東の神奈川県や山梨県との境に、富士山、箱根、丹沢の山々が連なり、その南側で太平洋に突き出す伊豆半島が日本で最も深い駿河湾をつくる。中央北側は赤石山脈の南端にあたる山岳地帯で、南に向かって丘陵地が続き、太平洋沿岸に点在する平野に主要都市が形成。標高差が大きく、気候の地域差が大きい。南部は太平洋側気候の特性を示し暖流の影響も受け温暖だが、北部と伊豆半島の山間地域では内陸性気候の特性を示し寒暖差が大きい。古くは江戸と京都を結ぶ東海道、現在は新幹線や在来線、高速道などが通る。着工中のリニア中央新幹線の南アルプストンネルの一部が県内工区。

温暖な沿岸部ではミカン、寒暖差の大きい山間地域では茶やワサビと、気候条件に応じて多様な農作物が生産される。焼津港は国内屈指の遠洋漁業基地で、マグロとカツオの産出額は国内屈指。浜名湖でのウナギ・スッポンの養殖、日本国内で駿河湾のみ許可されているサクラエビ漁も知られる。製造業は、交通網が整備され水も豊富なことから、多様な産業が集積し、緑茶などの飲料、製紙業、楽器関連の全国シェアが高い。また、自動車や二輪車関連の工場や事業所が多く立地し、輸送用機器産業の比重も高い。富士山、伊豆半島の海浜などの観光資源を有し、温泉利用宿泊施設の数は国内最多。