埼玉県

北を群馬県、東を茨城県と千葉県、西から南を東京都、山梨県、長野県に囲まれる内陸県だが、利根川、荒川、江戸川など多くの川が流れ、河川面積割合は全国トップクラス。西部は関東山地の山々が連なり中央に秩父盆地、東部には関東平野の一端をなす平坦地が広がる。太平洋側気候に区分され南東は海洋性気候の特性を示すが、北東では内陸性気候の特徴が強い。夏は、フェーン現象も加わり熊谷市の暑さが特に知られる。冬は冷たく乾いた季節風が強く晴天が続く。西部では寒暖差が大きく冬は冷え込み、山間地域では雪も多い。東京に接し、東北・北関東へ抜ける交通の要衝でもある。

東部では豊富な水と消費地まで近い立地を活かした農業が盛んで、里芋と「深谷ネギ」ブランドで知られるネギの産出額は国内1位、ホウレンソウは国内2位。西部では「狭山茶」も生産される。花き類の産出額も全国屈指。千年の歴史があるといわれる鋳物業が古くから行われ、江戸時代には鍋や鍬など日用品、農具が多く生産された。その後、明治期の鋳物の機械化を経て機械工業が活発になり、現在は自動車や食料品製造の比重が高いほか、医薬品・化粧品工場や出版印刷工場も多く、化学工業や印刷業のウェートも高い。川越や秩父が首都近郊の観光地として人気を集める。