住まいの税金ガイド

4. 住宅や土地を所有・貸借するときの税金

住宅や土地を所有・貸借するときの税金の仕組み

住宅や土地を所有・貸借するときの税金の仕組み

固定資産税の課税の仕組み

固定資産税は土地・建物・償却資産の所有者に対して課税される市町村税です。課税の方法は、毎年1月1日現在において固定資産課税台帳に登録された固定資産の所有者に対し、その時の固定資産税の課税標準(固定資産税評価額)に税率(標準税率1.4%で、税率は市町村によって異なります)を掛けて算出し課税します。

地域によっては都市計画税がかかります

都市計画事業や土地区画整理事業の財源にあてるために、土地や建物に課せられる税金が都市計画税で、課税標準(固定資産税評価額)に税率(最高0.3%)を掛けて算出した税額を、固定資産税といっしょに納税します。

3年ごとに評価替えされます

固定資産税の課税標準となる固定資産の評価は、総務大臣の定める固定資産評価基準によって評価されます。固定資産の評価は原則的には固定資産評価員が行ない、市町村長が価格の決定をします。この価格が固定資産課税台帳に登録され、土地と建物は3年ごとに評価替えされます。評価替えの年度を「基準年度」といい、この年度に決定された価格は、原則として3年間据え置かれます。なお、平成27年が基準年度にあたります。(注1)

住宅用地は軽減されます

同じ土地でも住宅用地は評価が低くなります。

  1. 自らの居住用、別荘以外のセカンドハウス、賃貸住宅用の土地が対象となります。また、借地させている底地についても、借地人の建築した建物が住宅用であれば、同様に評価減されます。
  2. 併用住宅(賃貸併用、店舗併用、事務所併用など)の場合は4階建て以下か5階建て以上か、居住用割合がどれくらいかにより対象となる土地の割合が決まります。

1、2の住宅用地の固定資産税は評価額が次のように軽減されます。

固定資産税の評価額の軽減

  1. 200m²以下の小規模住宅用地・・・評価額の6分の1
  2. 200m²を超える住宅用地・・・評価額の3分の1
  • ※200m²を超える住宅用地でも200m²までの部分は小規模住宅用地となり6分の1

また、都市計画税にも評価額の軽減があります(「住宅や土地を所有・貸借するときの税金の仕組み」参照)。

新築住宅も軽減されます

建物の固定資産税のうち、居住用や別荘以外のセカンドハウスの新築住宅(マンションを含む)には税額軽減の特例があります。つまり、新築の日の翌年から3年間(3階建て以上の準耐火構造・耐火構造の場合は5年間)は、新築の居住部分(120m²分まで)に相当する税額が2分の1に軽減されます(注2)。適用期限は平成30年3月31日までの新築住宅となっています。

特例の条件

  1. 併用住宅の場合は居住用部分が2分の1以上であること。
  2. 床面積50m²(アパートなどは40m²)以上280m²以下(1-3.不動産取得税 注2参照)のもの。ただし、減額対象となるのは120m²分まで。
  • ※地方自治体の条例により、固定資産税や都市計画税が軽減される場合があります。

【Q&A】親の借地に無償で家を建てても、確認書を提出すれば贈与税はかかりません

私は父親の家に住んでいますが、ここは借地です。家も老朽化しているので私名義で家を建て替えたいと考え、このたび、地主さんの同意を得ました。税務上、問題がありますか。
一般的には、あなたが家を建てた段階で借地権もあなたに移ったものと考えられ、借地権相当分が、父親からあなたに贈与されたとみなされます。
しかし、税務の取扱いとして、地主、借地人(父)、住宅の名義人(あなた)の連名で、「借地権の使用貸借に関する確認書」を税務署に提出すれば、贈与税はかかりません。
つまり、相続の段階まで、借地権の移転が猶予されるということです。
一方、父親の土地に息子が無償で建てた場合は何ら届出の必要もなく、借地権が発生しないものとして取り扱われ、贈与税の課税はありません。このため相続の段階では、この土地は、更地として(借地権のないものとして)評価されます。なお、この場合、借りている土地の固定資産税を、使用者が負担しても使用貸借の範囲にみられます。

【Q&A】親が借地している土地(底地)を子が買い取り新築するときは贈与税に注意しましょう

借地上に建っている父名義の建物をとりこわし、私が家を新築しますが、これと同時に、地主から土地(底地)を私が買う予定です。税務上、問題がありますか。
親の借地している土地(底地分)を息子が買ったり、住宅を息子が建て替えるケースはよくあります。こんなとき、気をつけたいのが、借地権の贈与です。
たとえば、親が借地している土地を息子が買い取った場合、親が以前と同様、新しく地主となった息子に地代を払うケースはまれです。
そこで、この借地人(親)と地主(息子)の借地関係は、従来の賃貸借の関係から使用貸借の関係に変わったとみられることになります。そうなりますと、親の所有していた借地権は息子に移転した、つまり贈与されたとみられても仕方ありません。
しかし、親は何も息子に借地権を贈与する意志もなく、子も贈与を受ける気がないのに、借地権に課税するのも社会通念に反します。
そこで、このような場合は、「借地権者の地位に変更がない旨の申出書」を税務署に届出すれば、贈与税はかかりません。
なお、建物と土地が息子名義でも、借地権者は親という所有関係の場合、将来、親が亡くなり相続が発生したときは、親の借地権部分は相続財産となりますので注意が必要です。

【Q&A】立退料や更新料の税金

私は、昭和39年以来、土地を借り、建物を建てて住んでいましたが、このたび、地主の都合でここを立退き、ほかに住まいを買うことになりました。立退料は8,000万円です。税金はどうなりますか。
この場合の立退料は建物及び借地権の買い取り料ですから、土地や建物を売った場合の課税と同様の扱いを受け、所得税が課税されます。
しかし、あなたの場合は居住用ですので、3,000万円控除か買い替え特例のいずれかが適用できます。

3,000万円控除を適用したケース

(イ)譲渡所得

譲渡所得の計算 譲渡所得の計算

(ロ)所得税と住民税

4,600万円×(所得税10.21%+住民税4%)=653.66万円

一方、立退料を払った方の地主は、建物及び借地権を買い取ったことになり、すぐ建物をとりこわした場合は、立退料、とりこわし費用が借地権の取得費となります。
また、地主が将来5年以内にこの土地を売った場合、借地権部分は短期譲渡所得、底地部分は長期譲渡所得として扱われます。ただし、地主が立退料を払ってすぐ売った場合には、借地権部分の譲渡益をゼロとして扱ってもかまわないことになっています。

更新料などの扱い

借地期間の更新に際して支払う更新料及び堅固な建物に建て替えるときの借地条件の変更に伴い支払う更改料の扱い

1. 受け取った人

  1. (イ)更新料は不動産所得となります。ただし、臨時所得の課税の特例が受けられる場合があります。
  2. (ロ)更改料は、更地の時価の2分の1を超えていれば譲渡所得に、2分の1以下であれば不動産所得で(イ)と同様の扱いになります。

2. 支払った人

更新料及び更改料とも借地権の取得費に追加できます。なお、会社及びその借地で事業を行う個人が更新料などを支払った場合には、

更新料の経費計算式 更新料の経費計算式

が経費となります。

このガイドについて

このガイドは、平成29年4月1日現在の法令にもとづいて作成したものです。年度途中に新税制が成立したり、税制等が変更になったり、通達により詳細が決まったりするケースがありますのでご了承ください。
平成25年分から所得税のほかに復興特別所得税が所得税額の2.1%課税されますが、計算の都合上これを除外している場合があります。
平成29年4月1日より消費税が10%にアップされる予定でしたが経済情勢などにより平成31年10月1日に延期されました。
税金は複雑な問題もありますので、ケースによっては、税理士など専門家にご相談ください。

編集・制作/株式会社サンビー企画