住まいの税金ガイド

事業用資産の買替え特例

  • 所有期間10年超の事業用の土地建物などの買い替えに適用
  • 原則、譲渡収入の20%、又は譲渡収入のうち買替資産の価額の80%超の部分にだけ課税

一定の事業用資産を譲渡し、その譲渡資産に対応する買替資産を一定期間内に取得した場合には、譲渡所得にかかる税金が軽減されます(課税繰延べ)。
売った金額(譲渡価額)より買い替えた金額(取得価額)の方が多いときは、売った金額に20%~30%(課税割合)を掛けた額を収入金額として、売った金額より買い替えた金額の方が少ないときは、その差額と買い替えた金額に課税割合を掛けた額との合計額を収入金額として譲渡所得の計算を行います。
譲渡資産と買替資産の組み合わせはいくつかありますが、主なものは1号買替えと6号(旧7号)買替えになります。

譲渡資産と買替資産の組み合わせ 譲渡資産と買替資産の組み合わせ
(注1)
買替資産である土地等の面積が譲渡資産である土地等の面積の5倍を超えるときは、その超える部分は特例の対象となりません。
(注2)
前年中に取得した資産を買替資産とする場合又は譲渡した翌年中に買替資産を取得する予定の場合には、届出書又は明細書の提出が必要です。
(注3)
この特例を受けようとする譲渡資産には、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例等を適用することはできません。

既成市街地等とは、首都圏における既成市街地(東京都の特別区及び武蔵野市の全部、三鷹市、横浜市、川崎市、川口市の一定区域)、近畿圏における既成都市区域(大阪市の全部及び京都市、守口市、東大阪市、堺市、神戸市、尼崎市、西宮市、芦屋市の一定区域)、中部圏における旧名古屋市の区域をいいます。

譲渡所得の算式

①譲渡資産の譲渡価額≦買替資産の取得価額の場合

収入金額 必要経費
( 譲渡資産の譲渡価額 × 20% ) ( 譲渡資産の取得費 + 譲渡費用 ) × 20% 課税譲渡所得金額
譲渡資産の譲渡価額≦買替資産の取得価額の場合 譲渡資産の譲渡価額≦買替資産の取得価額の場合

②譲渡資産の譲渡価額>買替資産の取得価額の場合

収入金額 必要経費
( 譲渡資産の譲渡価額 買替資産の取得価額 × 80% ) { ( 譲渡資産の取得費 + 譲渡費用 ) × 収入金額 譲渡資産の譲渡価額 } 課税譲渡所得金額
譲渡資産の譲渡価額>買替資産の取得価額の場合 譲渡資産の譲渡価額>買替資産の取得価額の場合
(注)
次のA・Bに該当する6号買替えにおいては、①及び②の課税割合はそれぞれ次のとおりとなります。
  • 地方から東京23区への買替えの場合 ①30%、②70%
  • 地方から首都圏近郊整備地帯等への買替えの場合 ①25%、②75%
    ここで地方とは、東京23区及び首都圏近郊整備地帯等を除く地域をいい、首都圏近郊整備地帯等とは、東京23区を除く首都圏既成市街地、首都圏近郊整備地帯、近畿圏既成都市区域、名古屋市の一部をいいます。

譲渡所得にかかる税額は?

①売った金額(譲渡価額)より買い替えた金額(取得価額)の方が高いとき

譲渡資産の譲渡価額 譲渡資産の取得費 譲渡資産の譲渡費用 買替資産の取得価額
3億円 9,000万円 1,000万円 5億円
譲渡価額 課税割合 取得費 譲渡費用 課税割合 課税譲渡所得
3億円 × 20% ( 9,000万円 1,000万円 ) × 20% 4,000万円
譲渡価額 課税割合 取得費 譲渡費用 課税割合
3億円 × 20% ( 9,000万円 1,000万円 ) × 20%
課税譲渡所得
4,000万円
課税譲渡所得 税率
4,000万円 × 20.315%
税額 812.6万円

②売った金額(譲渡価額)より買い替えた金額(取得価額)の方が安いとき

譲渡資産の譲渡価額 譲渡資産の取得費 譲渡資産の譲渡費用 買替資産の取得価額
5億円 9,000万円 1,000万円 3億円
譲渡価額 取得価額 課税割合 収入金額
5億円 3億円 × 80% 2億6,000万円
取得費 譲渡費用 収入金額 譲渡価額 必要経費
( 9,000万円 1,000万円 ) × 2億6,000万円 ÷ 5億円 5,200万円
収入金額 必要経費 課税譲渡所得
2億6,000万円 5,200万円 2億800万円
課税譲渡所得 税率
2億800万円 × 20.315%
税額 4,2255,200

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このガイドについて

このガイドは、株式会社 清文社の「令和2年版 土地建物の税金ガイド」を元に作成しており、内容は令和2年5月1日現在の法令等にもとづいております。年度途中に新税制が成立したり、税制等が変更になったり、通達により詳細が決まったりするケースがありますのでご了承ください。
税金は複雑な問題もありますので、ケースによっては、税理士など専門家にご相談ください。
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