夫婦共有で住宅を購入した場合
- 私たちは、夫婦共有で住宅を購入しましたが、その場合は2人とも、住宅ローン控除を受けることができるのでしょうか?
- 夫婦で一棟の住宅を購入した場合でも、それぞれが対象となる借入金を有し、共有登記をすれば、他の要件を満たしている限り、それぞれ住宅ローン控除を受けることができます。この場合、2人とも家屋にかかる借入金を有し、家屋に名義が入っている必要があります。
なお、床面積の判定について、夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、他の人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。
併用住宅を購入した場合
- 店舗付住宅を購入しましたが、住宅ローン控除の対象になるかどうか、どのように判定するのでしょうか?
- 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積が50m2以上であり、そのうち自己の居住用部分の床面積が2分の1以上であれば、住宅ローン控除を受けることができます。
また、対象となる借入金は、居住用部分と事業用部分とにあん分計算を行う必要がありますが、居住用部分の床面積に対応する部分が控除対象となります。- (注)
- 控除適用年の合計所得金額が1,000万円以下の場合、床面積の要件は40m2以上となります。
借入金を借り換えた場合
- 住宅の新築にあたって、A銀行の借入金を有していましたが、より金利の低いB銀行の借入金に借り換えることにしました。この場合、B銀行からの借入金は、住宅ローン控除の対象になりますか?
- 住宅ローン控除の対象となる借入金は、住宅の新築等のために直接必要な借入金でなければなりません。したがって、借換えによる新しい借入金は、従前の借入金を消滅させるためのものであり、原則として住宅ローン控除の対象とはなりませんが、次の①及び②の要件を満たせば、借換え後の借入金について引き続き住宅ローン控除を受けられます。
- ①新しい借入金が従前の借入金の返済のためのものであることが明らかであること
- ②新しい借入金が10年以上の償還期間であることなど住宅ローン控除の要件を満たすこと
新しい借入金の年末残高 × 従前の借入金の残高 新しい借入金の借入時の金額 - (注)
- 住宅ローン控除を受けることができる年数は、居住年から一定期間であり、借入金の借換えによって延長されることはありません。
住宅の取得対価の額
- 住宅の新築にあたり、当初工事代金が住宅ローンの年末残高よりも少なかったのですが、住宅ローン控除の控除額の計算にあたり、注意点はありますか?
- 住宅ローン控除の控除額は、住宅ローンの年末残高を基に計算することになっていますが、「住宅の取得対価の額又は費用の額」(注)が住宅ローンの年末残高よりも少ないときは、その住宅の取得対価の額又は費用の額を基に計算します。
そのため、当初工事代金が住宅ローンの年末残高よりも少ない場合でも、追加工事代金など住宅の取得対価の額又は費用の額に含めることができる金額がないかどうか、確認しましょう。- (注)
- 補助金等の金額を除きます。また、住宅取得等資金の贈与の特例の適用を受けた場合には、その適用を受けた金額を控除します。
控除の適用の開始時期
- 令和5年11月に引渡しを受けた住宅に、令和6年1月から居住を開始しました。この場合、住宅ローン控除は令和5年分と6年分のどちらから適用を受けることになりますか?
- 住宅ローン控除は、居住を開始した年分から13年間又は10年間にわたり控除を受けることができます。そのため、令和5年に住宅の引渡しを受けて、同年中に引っ越しをしたのであれば、住宅ローン控除は令和5年分から適用を受けることになりますが、令和6年になってから引っ越しをしたのであれば、住宅ローン控除は令和6年分から適用を受けることになります。この場合、仮に税務署からの令和5年の年末残高の情報(又は金融機関からの令和5年の年末残高証明書)が届いたとしても、令和5年分は適用を受けないよう気をつけましょう。
このガイドについて
このガイドは、株式会社 清文社の「2023年版 土地建物の税金ガイド」を元に作成しており、内容は2023年(令和5年)4月1日現在の法令等にもとづいております。年度途中に新税制が成立したり、税制等が変更になったり、通達により詳細が決まったりするケースがありますのでご了承ください。
税金は複雑な問題もありますので、ケースによっては、税理士など専門家にご相談ください。
(注)本サイトの計算例は、原則、例示取引にかかる税額を便宜的に計算しており、必ずしも最終的な納付税額ではないことから端数処理を考慮していない場合があります。
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監修:新谷達也、塚本和美 企画・制作:清文社 |
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