相続税・贈与税ガイド

9. 贈与税の基礎知識

贈与税の課税対象

贈与税は、相続税の補完税の役割を持つため税率の累進度合が一番高くなっています。
贈与税の課税対象は、現金預金、有価証券や不動産の贈与だけに限らずに、低廉譲渡や債務の引き受けなどの経済的利益まで対象となります。なお、扶養義務者相互間の生活費、教育費に充てるための贈与や、資力喪失状態の人への債務の負担や贈与は非課税扱いです。
また、法人からの贈与は、贈与税の対象とならずに、所得税の一時所得の対象です。
ところで、不動産等については実勢価格ではなく、相続税評価額で評価されますので、評価が下がるケースもあります。その場合には、購入資金などを援助するよりも、土地建物の“現物贈与”のほうが有利になります。

贈与のタイミング

たとえば、親との共有マンションの売却時、売買契約後に親の持分の贈与を受けますと贈与税の対象は、売却代金のうち親の持分相当ということになり、多額の贈与税が課税されてしまいます。ところが、売買契約前に贈与を受けますと、相続税評価額が贈与税の対象となり、売却代金より安く節税につながります。

1年に110万円の基礎控除

贈与税は1年に110万円の基礎控除が使えます。このため、毎年110万円以下の贈与を受けたときは申告義務がありません。このほか、贈与税には、特例として「2,000万円の配偶者控除」や、「住宅資金贈与特例」、「相続時精算課税」、「教育資金一括贈与」、「結婚・子育て資金一括贈与」制度があります。

申告は翌年2月1日~3月15日

贈与税の申告は、贈与を受けた翌年2月1日から3月15日の間で、納付もこの期間にします。なお、贈与税についても税額が10万円を超えるケースでは、5年以内の年賦延納が認められます(利子税は原則年6.0%)。

贈与税の計算方法

算式

1.課税価格 贈与財産の価額(年間の贈与額)-基礎控除(110万円)
2.贈与税額 課税価格×税率-控除額

計算例

500万円贈与のケース(贈与税の速算表1のケース)
1.課税価格 500万円-110万円=390万円
2.贈与税額 390万円×0.15(税率)-10万円(控除額)=48万5,000円

20歳以上の子や孫などが親や祖父母などから贈与を受けたケース(軽減税率)

贈与税の速算表1

計算のしかた(A)×(B)-(C)=贈与税額

基礎控除後の課税価(A) 税率(B) 控除額(C)
200万円以下 10% 0
200万円超 400万円以下 15% 10万円
400万円超 600万円以下 20% 30万円
600万円超 1,000万円以下 30% 90万円
1,000万円超 1,500万円以下 40% 190万円
1,500万円超 3,000万円以下 45% 265万円
3,000万円超 4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

贈与税の速算表1以外の一般の贈与を受けたケース

贈与税の速算表2

計算のしかた(A)×(B)-(C)=贈与税額

基礎控除後の課税価(A) 税率(B) 控除額(C)
200万円以下 10% 0
200万円超 300万円以下 15% 10万円
300万円超 400万円以下 20% 25万円
400万円超 600万円以下 30% 65万円
600万円超 1,000万円以下 40% 125万円
1,000万円超 1,500万円以下 45% 175万円
1,500万円超 3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

このガイドについて

このガイドは平成30年4月1日現在の法令にもとづいて作成したものです。年度途中に新税制が成立したり、税制等が変更になったり、通達により詳細が決まったりするケースがありますのでご了承ください。
平成25年分から所得税のほかに復興特別所得税が所得税額の2.1%課税されますが、計算の都合上これを除外している場合があります。
平成31年10月1日より消費税が10%にアップされる予定ですが、経済情勢などにより延期される可能性があります。
相続税・贈与税には複雑な問題もありますので、ケースによっては、税理士・弁護士など専門家にご相談ください。

執筆・監修 

税理士/中村 節弥

 

税理士/大田 貴広

編集・制作

/株式会社サンビー企画

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