プロが教える!あなたの相続対策

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第7回 ジュニアNISAと相続対策

公開日:2017/03/24

2016年4月から、NISA(少額投資非課税制度)の未成年版であるジュニアNISAがスタートしました。そこで今回は、このジュニアNISAを相続対策として活用するためのポイントをご紹介します。

相談者

孫への生前贈与を考えている男性

4人の孫へ、それぞれ教育資金の援助をしたいと思っています。知人から、「ジュニアNISAを活用して生前贈与をしてはどうか」とアドバイスされたのですが、仕組みがよくわからずにいます。実際のところ、ジュニアNISAとはどういった制度で、どんなメリットがあるのでしょうか。

  • 相談者:64歳 男性
  • 家族構成:妻・長女家族(夫婦と8歳・4歳の子ども)・長男家族(夫婦と3歳・0歳の子ども)
  • 贈与者:本人
  • 受贈者:4人の孫
  • 贈与予定額:孫1人につき各300万円
今回のポイント
  • 2016年からスタートしたジュニアNISA(未成年者少額投資非課税制度)は、生前贈与を行う場合の新たな選択肢のひとつです。
  • ジュニアNISAでは、毎年80万円までの新規投資において、本来 20.315%の税率である配当金や売買益等への課税を非課税とすることができます。

ジュニアNISAの概要

相談者

ジュニアNISAとは、そもそもどういった制度なのでしょうか。

玉置千裕

ジュニアNISAは、子どもや孫の将来へ向けた資産運用を後押しする新たな制度として2016年からスタートした制度です。専用口座を開設すると、そこを通じて行った新規投資については、本来 20.315%の税率である配当金や売買益等への課税を最長5年間、非課税とすることができます。上場株式、株式投資信託などが主な投資対象となります。NISA(少額投資非課税制度)が20歳以上を対象としているのに対し、ジュニアNISAは0歳~19歳が対象となっており、未成年でも口座が開設できます。

これ以外にも、NISAとジュニアNISAには大きく異なる点がいくつかあります。
まず、NISAでは年間の非課税枠が120万円であるのに対し、ジュニアNISAでは80万円となっています。また、NISAではいつでも制約なく払い出しができるのに対し、ジュニアNISAでは、口座開設者である子どもや孫が18歳(3月31日時点で18歳である年の前年12月31日)になるまで、原則として払い出しができません。

家系図

親権者が代理で運用できる

相談者

子どもや孫の名義で資産運用をするということですね。実際の運用も子どもや孫が行うのでしょうか。

玉置千裕

ジュニアNISAの特徴は、口座開設についても、その後の運用についても親権者等(多くの場合は両親のいずれか)が代理で行うという点にあります。

ジュニアNISAでは0歳から口座開設ができますが、ご存知の通り、上場株式や株式投資信託は値動きのある金融商品ですから、実際の運用にはそれなりの知識や経験が必要になります。ご相談者様のようにお孫さまがまだ小さい場合には、親権者等の大人が代理で運用をするのが当然ともいえますね。

ただし、お孫さまが成長されて20歳に到達すると、自動的に通常のNISA口座が開設され、口座が引き継がれます。その後は、お孫さまご自身が運用していくことになります。

ジュニアNISAの活用方法

相談者

実際のところ、ジュニアNISAをどのように活用されている方が多いのでしょうか。

玉置千裕

ジュニアNISAの活用の仕方は、目的によって大きく3つあります。

ひとつは、子どもの教育資金づくりとしての活用です。ジュニアNISAを活用することで、子どもそれぞれの名義で教育資金を準備することができます。また、その資金で資産運用に取り組むことで、資金を大きく増やせる可能性もあります。

2つ目は、ご相談者様のように、お孫さまへの生前贈与としての活用です。4人のお孫さまそれぞれの名義で口座を開設し、投資資金を贈与することで、相続税対策になるのはもちろん、お孫さまの将来へ向けた資産形成を行うことができます。

3つめは、子どもや孫に対する金銭教育としての活用です。親権者等が代理で運用するのであっても、「なぜ株価が動くのか」「なぜこの銘柄を選んだのか」といった話を通じて、経済の仕組みや世の中の動きをより身近に感じてもらうことができるかもしれません。また、20歳以降は自ら運用をしていくことになるので、若いうちから必然的に資産運用に取り組む機会になることでしょう。

相続対策としての活用ポイント

相談者

なるほど、目的次第で色々な活用法があるのですね。ジュニアNISAを相続対策として活用していくためには、どんなことがポイントになるのでしょうか。

玉置千裕

ジュニアNISAは、株式や投資信託などで運用を行い、利益が出て初めてメリットがある制度です。ですから、贈与した資金で誰がどのような方針で運用を行うのかをご家族でしっかりと話し合っておくことがとても重要になります。

また、非課税枠をどのように使っていくかというペース配分も考えておく必要があるでしょう。口座開設が可能な期間は、2017年2月現在、2023年までとなっています。ご相談者様の場合、生前贈与したい金額の合計額がお孫さま1人につき300万円ということでしたが、50万円ずつ6年にわたって贈与するのか、最初の3年間は非課税枠いっぱいの80万円を贈与するのかなど、事前に計画を立てておきたいところです。

なお、ジュニアNISAの投資資金として行った贈与も、贈与税の基礎控除である年間110万円の非課税枠の一部として扱われます。同じ年に別途、生前贈与を行い、合計額が110万円を超えてしまった場合には贈与税が課税されるという点には注意が必要です。教育資金としてまとまった金額を贈与したいのであれば、教育資金贈与信託などを活用するのがよいでしょう。

次回は、相続税評価額を減額できる小規模宅地等の特例についてご紹介します。

回答者紹介

  • 玉置千裕
    執筆・監修:
    三菱UFJ信託銀行玉置 千裕(たまき かずひろ)
    経歴:
    1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。
    三菱UFJ信託銀行の営業店で資産運用・不動産・ローン・相続などの相談業務に従事。現在は、その経験を活かして新聞・雑誌などでも活動している。
本コンテンツの内容について
公開日時点の法令に基づき、相続の基本的な仕組みを説明しています。個別の事例によっては、所定の要件を欠く場合がありますので、専門家にご確認ください。

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