プロが教える!あなたの相続対策

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第5回 孫に教育資金を一括贈与するには

公開日:2017/01/20

生前贈与を行う目的は、相続税対策だけではありません。結婚資金や住宅購入資金、教育資金など、子どもや孫の幸せを願って資金援助を行うケースも数多くあります。今回は、教育資金の贈与について詳しく見ていきましょう。

相談者

教育資金贈与を考えている男性

孫娘が、来年大学受験を控えています。長男夫婦には住宅ローンの返済もあり、家計に余裕がないことから奨学金を借りることを検討しているとのこと。そこで教育資金を援助してあげたいのですが、何かいい方法はないものでしょうか。

  • 相談者:78歳 男性 無職
  • 家族構成:妻(長男家族とは別居)
  • 贈与者:孫
  • 贈与予定額:500万円
今回のポイント
  • 教育資金の一括贈与については30歳未満の孫等一人当たり1,500万円までの非課税制度が設けられています。
  • 非課税制度の適用を受けるには金融機関で教育資金口座を開設するなどいくつかの条件がありますので、しっかり確認しておきましょう。

教育資金の援助と贈与税

相談者

孫娘が来春から高校3年生になります。お正月に帰省してきた際に訊ねたところ、奨学金を借りて私立大学へ進学する予定のようです。教育資金を援助してあげたいのですが、やはり贈与税が課税されるのでしょうか。

玉置千裕
家系図

贈与税は、扶養義務者が生活費や教育費など日常生活に必要な費用について贈与した場合は課税されません。例えば、毎月一人暮らしをしている子どもへの生活費の仕送りや、留学費用を出してあげたからといって、贈与税が課税されるということは一般的にはありません。

ただし、こうした場合に贈与税がかからないのは、その費用が必要な時期に、直接その支払いに充てたものに限ります。つまり、同じ生活費や教育費の贈与であっても、すぐに使わずに預金したり、それを元手に株式を購入したりすると贈与税の課税対象となります。

今回のご相談者さまの場合、お孫さまの大学進学に合わせて500万円を生前贈与したいということですから、すぐに使わない分は預金するということになります。こうした場合には、贈与税が課税されることになりますので注意しましょう。

教育資金の一括贈与に関する非課税制度とは?

相談者

教育資金にも贈与税の非課税制度があると聞きました。

玉置千裕

その通りです。本来であれば、500万円の贈与となると500万円から基礎控除の110万円を除いた390万円に対して贈与税が課税されるのですが、教育資金の一括贈与については、平成31年3月31日までの措置として特別に1,500万円までの非課税制度が設けられています。

この非課税制度の適用を受けるためには、金融機関等と契約を締結したうえで教育資金口座へ贈与資金の入金を行う必要があります。また、金融機関等を通じて教育資金非課税申告書を税務署に提出しなければなりません。

さらに、払い出しを行う場合には、その資金が教育費に充てられたことを証明する領収書を提出期限までに金融機関等に提出することになっています。

教育資金口座の開設から終了までの流れ

教育資金として認められる出費とは?

相談者

教育資金として認められるものは、入学金や授業料のみなのでしょうか。

玉置千裕

入学金や授業料、施設設備費などのほか、入学試験の検定料や学用品の購入費、修学旅行費、学校給食費なども教育費として認められます。今回のような大学進学にかかる費用だけでなく、保育所や幼稚園、小・中学校、高等学校も対象になります。

また、学習塾やスポーツ教室などの習い事にかかる費用や通学定期券代についても非課税の対象となります。

ご相談者さまの場合、お孫さまが来春から高校3年生になられるとのこと。受験勉強のために塾や予備校に通われるかもしれませんが、こうした費用についても教育費として認められます。

ただし、学校等以外に支払う金額については、限度額が500万円となっています。これを超えた場合には非課税の対象となりませんので注意が必要です。

教育資金の範囲について

上手に制度を活用するポイント

相談者

もしも贈与した教育資金を使い切れずに余ってしまった場合にはどうなるのでしょうか。

玉置千裕

教育資金の一括贈与の非課税制度が適用になるのは、受贈者が30歳になるまでと決められています。お孫さまが30歳になった時点で使いきれずに余っている資金があった場合には、その残額は贈与税の課税対象となります。なお、受贈者が亡くなったときや、口座の残高がなくなった場合なども契約終了となります。

そのため、お孫さまの年齢等を踏まえ、これからかかる教育費の総額がどのぐらいかを具体的に見積もり贈与額を決定することがポイントとなります。

実際の制度の活用にあたっては、教育資金贈与のための信託商品等を利用していただくことになります。

三菱UFJ信託銀行の教育資金贈与信託「まごよろこぶ」は、教育資金の一括贈与の非課税制度に対応した信託商品です。「まごよろこぶ」は利用者の利便性を高めるため、立替の負担なく必要に応じて教育費を払い出すことができます。信託期間中の管理手数料や払い出しの手数料もかかりません。また、表紙にお孫さまとの写真などを使ったオリジナルの通帳や手書きのメッセージを残すことができるサービスもあります。

将来の相続税対策にもなり、お孫さまの喜ぶ顔も見られるという意味で、まさに一石二鳥の制度といえる教育資金の一括贈与の非課税制度。制度の詳細をしっかりと確認し、賢く活用したいものですね。

次回は、生前贈与を行うための選択肢として知っておきたい相続時精算課税制度の仕組みについてご紹介します。


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教育資金贈与信託『まごよろこぶ』の仕組み

回答者紹介

  • 玉置千裕
    執筆・監修:
    三菱UFJ信託銀行玉置 千裕(たまき かずひろ)
    経歴:
    1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。
    三菱UFJ信託銀行の営業店で資産運用・不動産・ローン・相続などの相談業務に従事。現在は、その経験を活かして新聞・雑誌などでも活動している。
本コンテンツの内容について
公開日時点の法令に基づき、相続の基本的な仕組みを説明しています。個別の事例によっては、所定の要件を欠く場合がありますので、専門家にご確認ください。

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