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第6回 消費税増税とマイホーム購入

公開日:2018/12/21

消費税増税が行われるたびに注目される「駆け込み需要」。少しでも消費税の負担が少ないうちにマイホームを購入しようと考える人は少なくないようです。そこで今回は、2019年10月1日に予定されている消費税増税とマイホーム購入について考えていきます。

相談者

マイホームを購入すべき
か迷っている女性

2019年10月1日から消費税が10%に増税される見込みだというニュースを聞き、増税になる前にマイホームを購入すべきか迷っています。やはりマイホームは大きな買い物ですから、いずれ購入するなら増税前に購入したほうがよいのでしょうか。

  • 相談者:34歳 女性
  • 夫・長女・長男・次女
  • 資産:預貯金990万円
  • 住まいの状況:賃貸住宅(家賃10万7,000円)
今回のポイント
  • マイホーム購入を本格的に検討するのであれば、スケジュールに余裕をもって準備を始めましょう。
  • ただし、マイホームは人生で最大とも言われる高額な買い物ですので、多角的に見たうえで“買いどき”を見極めることが大切です。

2019年10月から消費税が10%になる見込み

相談者

消費税が10%に増税になると、マイホームの購入を考えている人にとってどのような影響があるのでしょうか。

回答者

まず、多くの方にとって一番気になるのが、消費税率がアップしたことによるマイホームの購入価格そのものへの影響ではないでしょうか。数千万円という高額な買い物だけに、消費税率がアップすることによる購入価格への上乗せが気になるところでしょう。

ただし、一戸建てを購入するにせよ、区分マンションを購入するにせよ、不動産を購入する場合、土地にはそもそも消費税が課税されません。消費税が課税されるのは、土地の上に建っている建物のみになります。例えば、土地の価格が2,500万円、建物の価格が3,000万円のマイホームを購入した場合、消費税が課税されるのは建物の3,000万円に対してのみ、になります。消費税率が8%であれば240万円、10%であれば300万円ですから、増税の影響は差額の60万円ということになります。

また、法人(個人事業者を含む)から直接マイホームを購入するのではなく、個人が売りに出している中古のマイホームなどを個人が購入する場合には、不動産仲介会社を通じて購入したとしても建物にも消費税は課税されません。

諸費用についても、消費税が課税されるものとされないものがあります。不動産仲介会社への仲介手数料や融資の事務手数料、登記手続きを依頼した場合に司法書士に支払う報酬等には消費税がかかりますので、購入のタイミングによっては税負担が大きくなります。一方、印紙代や各種保険の保険料、ローン保証料、管理費や修繕積立金は非課税となっています。

また、消費税が8%に増税されたのは2014年4月のことですが、このときには増税前の駆け込み需要によって物件価格や工事費が上昇したとも言われています。こうしたことも消費税増税の影響のひとつといえるかもしれません。

マイホーム購入時の主な費用と消費税

負担軽減のための優遇制度

相談者

なるほど。一方で、こうした影響に対して負担をやわらげるための優遇制度などもあるようですね。

回答者

マイホームを購入する方に対する政府の主な支援策として挙げられるのが、「住宅ローン減税」と「すまい給付金」です。

住宅ローン減税は、毎年末の住宅ローン残高または住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1%が、10年間にわたって所得税の額から控除されるという制度です。所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも一部控除されます。消費税増税にあたり、現在、10年間となっている適用期間を1〜5年間延長するといった話も出ていますので、今後の動向が気になるところです。

一方、すまい給付金は、もともと納めている所得税や住民税の額が少なく、住宅ローン減税による負担軽減効果があまりない方々に向けて、消費税率引上げによる負担増をやわらげるために創設された制度です。

そのため、給付を受けるためには収入要件を満たす必要がありますが、この収入要件についても2019年10月の消費税増税とともに拡大になります。具体的には、これまで510万円だった収入要件が775万円に引き上げられ、これに伴い、給付金の最高額は、30万円から50万円となる予定です。

購入までのスケジュールと消費税

相談者

増税前の消費税が適用されるまでには、いつまでにマイホームを購入すればよいのでしょうか。

回答者

分譲住宅を購入する場合には、2019年10月1日以降に引き渡しとなる物件から増税後の消費税率10%が適用になります。一方、注文住宅を購入する場合は、契約から引き渡しまで半年〜1年ほどの時間がかかることが一般的ですので経過措置が設けられています。

2019年3月31日までに工事請負の契約を締結さえしておけば、引き渡しそのものは消費税増税後である10月1日以降でも消費税率は8%となります。分譲住宅でリノベーションや設備の追加工事などを行う場合についても、2019年3月31日までに契約を締結しておけば、その工事にかかる消費税は8%となります。

一方、契約が2019年4月1日以降になると、2019年10月1日より前に引き渡しが終わらない限り、10%の消費税率が適用になります。マイホーム購入を本格的に検討するのであれば、スケジュールに余裕をもって準備を始めることをおすすめします。

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“買いどき”の見極めが大切

相談者

購入するならやはり消費税増税前がチャンスなのでしょうか。

回答者

ご相談者様は、2019年10月から消費税が10%に増税される見込みだというニュースを聞いてマイホームの購入を検討していらっしゃるとのこと。「駆け込み需要」という言葉もあるように、過去を振り返ると、消費税の増税前には「今のうちに」と駆け込みでマイホームの購入を検討する方が増える傾向もあるようです。

とはいえ、マイホームは人生で最大とも言われる高額な買い物です。本当に“買いどき”かどうかは、消費税だけで判断できるものではありません。お子さんの進学やご家族の転勤、転職といったライフステージ、自己資金の貯まり具合、住宅ローン減税などの優遇制度、金利の動向など、多角的に見たうえでご自身やご家族にとっての“買いどき”を見極めることが大きなポイントといえます。

次回は、老後資金対策とアパート経営について解説していきます。

監修者紹介

  • 玉置千裕
    三菱UFJ信託銀行
    小谷 亨一(こたに こういち)
    経歴:
    1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士。
    三菱UFJ信託銀行の営業店で資産運用・不動産・ローン・相続などの相談業務に従事。現在は、その経験を活かして資産運用や資産承継のセミナー講師として活躍している。
ご留意事項
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